遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

夢の核燃料サイクル 夢で終わるのか

2015-11-14 23:58:58 | 新エネルギー
 原子力規制委員会は、日本原子力研究開発機構では高速増殖炉「もんじゅ」の運営を担えないと判断、別の組織に代えるよう文科省に勧告しました。
 核燃料サイクルは、廃棄(地下埋蔵)と並行して検討が進められ、近年では地下埋蔵が有力になっているのだそうですね。
 核廃棄物の最終処理について明確でないまま原発の稼働が進めば、「トイレの無いマンション」と揶揄される通りになります。
 廃棄物の減量で期待されるのが、核燃料サイクルですが、世界各国でも成功例はまだなく、日本では、高速増殖炉「もんじゅ」を稼働させることが出来ず、今日に至っているのですね。
 日本原子力研究開発機構では、「もんじゅ」の運営を担えないとの今回の判断は、これまでの行動をみれば、当然の断定ですね。
 半年以内に新たな担い手に移行する様にとの原子力規制委員会の求めですが、可能なのでしょうか。無理を承知で、巨額の費用が投入されている核燃料サイクルまたは原発を止めさせる為の勧告なのでしょうか?
 

もんじゅ勧告 核燃サイクルに影響 「夢の原子炉」正念場 省庁連携し対応へ (11/14 読売朝刊)

 原子力規制委員会が13日出した勧告は、日本原子力研究開発機構では高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)の運営を担えないと判断、別の組織に代えるよう求めた
厳しい内容だ。半年の期限内に新たな担い手が見つからなければ、国が進める核燃料サイクルが揺らぎかねず、馳文部科学相は「他省庁と連携して対応する」と述べ、政府を挙げて打開策を探る方針だ。 (科学部小日向邦夫、冨山優介)

■「重大な状況」
 13日午後、文部科学省大臣室で原子力規制委員会の田中俊一委員長を迎えた馳文科相は、「重大な状況を重く受け止め、期間内に対応できるよう取り組みたい」と答えた。これに対し田中委員長は、「
(勧告への対応は)そう簡単にできることではない。大変面倒な重い課題だ
」とクギを刺した。
 今回の勧告は、
「期限までに引き受け手が見つけられない場合、もんじゅのあり方を抜本的に見直す」ことまで踏み込んだ。もんじゅの存廃問題に発展すれば、国が推進してきた核燃料サイクルが揺らぎかねず、同機構は正念場を迎える


■政策の根幹
 核燃料サイクルは、再処理工場で、使用済み核燃料から、まだ使えるウランやプルトニウムを取り出し、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料に加工して再利用する政策で、高速増殖炉はサイクルの中核施設。消費した以上の核燃料を生み出せるため「夢の原子炉」と言われてきた。
 
もんじゅ廃炉が現実味を帯びれば、サイクル政策の要となる高速増殖炉実現の道が途絶え、国は「エネルギー政策の根幹」(馳文科相)を見直す事態に迫られる
。当初、勧告文書は文科省の担当局長が受け取る予定だったが、事態を重くみた馳文科相は13日朝の閣議後の記者会見で「これ以hに重要な日程はない」と自分で受け取る考えを表明した。菅官房長官も13日の記者会見で「最後の機会であるという不退転の決意で、勧告に対応すべきだ」と述べた。
 現在はもんじゅが止まっているため、本命の「高速増殖炉のサイクル」が動かない。このままでは核兵器の原料となるプルトニウムが増える問題がある。現在は、普通の原発でMOX燃料を燃やす「プルサーマルのサイクル」を進めるしかない状況だが、高速増殖炉に比べれば、プルトニウム消費量は少なく、燃料再利用効率も低く、核燃サイクルが目指す理想とはほど遠い。

■事業費1兆円
 
もんじゅは、これまで運転実績がほとんどなく、費用に見合った研究成果を出せていない
ことへの風当たりも強まっている。総事業費は1兆円を超え、停止中の現在も、熱を取り出す冷却材のナトリウムを循環させる作業などに年闇約200億円の維持費がかかる。
 今月11日に開かれた政府予算の無駄を点検する「行政事業レビュー」では、もんじゅ関連施設がやり玉に挙げられた。技術開発のための「リサイクル機器試験施設」(RETF)は、これまで建設費などで800億円以上が投じられたが、もんじゅが止まっている中で2000年に工事を中断。利用されていない現状に有識者から厳しい意見が相次いだ。また、使用済み燃料の運搬用として同機構が民闇の輸送会社に管理を委託する船舶「開栄丸」についても、ほとんど使用実績がないまま年間12億円の委託費を支払い続けている事態に、「委託契約の打ち切りを含めて検討するべきだ」との意見がついた。


 世界の核燃料サイクルも、順調に進められている様に見えません。
 
世界の核燃料サイクル政策の方向性
 核燃料サイクルをめぐる議論 -再処理か、直接処分か-
 池田信夫 blog : 核燃料サイクルは必要か

 日本原子力研究開発機構のお粗末な管理では、原子力委員会の指摘通りで運用管理をとても任せる企業体とは言えません。改革は行われて来たようですが、寄せ集め組織で、優秀な人材が来ていても、2年程度で出向元へ帰ってしまうなど、一貫性を持った組織と人材確保がなされていないのだそうですね。
 問題点は、日本原子力研究開発機構を他の組織に挿げ替えれば解決するのかと言う点です。核燃料サイクルそのものが、安全性はもとより、技術的に可能なのか。コストは利益を確保できるのかといったところです。
 原子力委員会は、目途があるから日本原子力研究開発機構の挿げ替えを勧告したのだと思われますが、何処の組織 or 企業なのでしょう。

 それとも、核燃料サイクルそのものが夢のシステムで、実現不可能なシステムだということはないのでしょうか。
 核廃棄物が大幅に減少され、小さなガラス容器に治められ、地下埋蔵容積が大幅に縮小される核燃料サイクル。
 是非実用化して欲しいものです。世界各国がもたつく中、日本が魁となっていただきたい。
 それは、夢のままで終わらせてほしくないと願うのは、ないものねだりなのでしょうか。



 # 冒頭の画像は、もんじゅ




  この花の名前は、イカリソウ


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