中間選挙で来年からは"ねじれ議会"を迎えることとなったオバマ大統領ですが、「つなぎ議会」では、大型減税法案など今会期の重要案件を、共和党と折り合いをつけることで決着させることが出来、リーダーシップに高い評価を得て、支持率も回復基調に転じているのだそうですね。
その決着の中に、大型減税法案と並んで注目されていたのは、新戦略兵器削減条約(新START)の年内批准がありました。
こちらも共和党との調性で、米上院での批准承認までたどり着いたのだそうです。米露の核軍縮実現に向け、歓迎すべきことですが、国内での説明にロシアの態度の硬化を招いているようで、内情は綱渡りの様です。
以下の関連記事がありますが、ロシアの態度に関して注目したいのは、NATO・ロシア理事会で、今年11月にNATOとロシアが、ミサイル防衛システムを共同で構築することとなり歴史的大転換となるとみられていました。
ロシア NATOとは防衛協力の歴史的転換 - 遊爺雑記帳
NATOとロシアの和解? - SYNODOS JOURNAL(シノドス・ジャーナル) - 朝日新聞社(WEBRONZA)
それが、既にどうやら様子が変わってきているようで、そのあたりの影響が大きい様です。
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その決着の中に、大型減税法案と並んで注目されていたのは、新戦略兵器削減条約(新START)の年内批准がありました。
こちらも共和党との調性で、米上院での批准承認までたどり着いたのだそうです。米露の核軍縮実現に向け、歓迎すべきことですが、国内での説明にロシアの態度の硬化を招いているようで、内情は綱渡りの様です。
以下の関連記事がありますが、ロシアの態度に関して注目したいのは、NATO・ロシア理事会で、今年11月にNATOとロシアが、ミサイル防衛システムを共同で構築することとなり歴史的大転換となるとみられていました。
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それが、既にどうやら様子が変わってきているようで、そのあたりの影響が大きい様です。
米MD 露が不信感 新核軍縮条約 「増強なら脱退」示唆 (12/24 読売朝刊)
【ワシントン=黒瀬悦成、モスクワ=貞広貴志】米露の核軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」は22日、米露首脳による署名から約8か月を経て、米上院での批准承認までたどり着いた。だが、条約交渉でも最大の対立点だった米ミサイル防衛(MD)計画の扱いについては、米露間で溝が目立ち、MDの開発が進むほど摩擦が激化する危険をはらんでいる。
米上院で批准承認を巡る審議が年末までもつれ込んだのは、共和党議員の一部がMD問題を提起し、承認に頑強に抵抗したためだ。
「同条約の14条3項は、互いの国益を損ねる異常事態」が発生した場合、条約から一方的に脱退する権利を有するとしている。ロシア側は条約署名に際し、「条約は、米MDシステムの能力が質的・量的に増強されない限り有効」とし、同項の「異常事態」には、ロシアの戦略核戦力を脅かす米一MDの増強が含まれると表明した。このため、共和党は、条約がMD推進の足かせになりかねないとして反対の論陣を張った。
民主党は22日の批准承認に関する採決の直前、MD計画推進を明記した共和党提出の条約付帯決議に同意し、同党への配慮を示した。これに対し、ラブロフ露外相は米上院の批准承認を歓
迎しつつも、「我々(行政府)と議会の双方が、米批准最終文書を検討する必要がある」と述べ、付帯決議に反発する立場を示した。
米国との「核戦力の均衡」を最重視するロシアは、米MD計画を自らの核抑止力への脅威と認識している。条約交渉でも、米MD開発を制限する条項を入れることに固執し、前文に「戦略的防衛兵器は、相手国の戦略的攻撃兵器の有効性を減じない」という文言を盛り込んだことを「成果」として誇示した経緯がある。
しかし、米上院の審議では「新STARTは旧条約よりも、MDへの制限は減る」(国防総省幹部)といった米側の解釈が示され、ロシアの懸念は強まった。ロシアは、先月リスボンで開かれた「北大西洋条約機構(NATO)ロシア理事会」でも、欧州とロシアのMDシステム統合を提案したが、米欧は拒否した。露軍機関紙「赤い星」は12月 2日の論評記事で、ロシア抜きの欧州MDは「国際関係を決定的に悪化させる計画」と警告した。
メドベージェフ露大統領は先月末の年次教書演説で、米欧のMD推進に対し、「新たな軍拡競争」もいとわないとの強硬姿勢を打ち出しており、米共和党のMD推進派は対露不信を募らせている。ジム・デミント上院議員ら同党の推進派の間では、「今回の条約のような相互確証破壊の概念に基づく軍備管理は時代遅れ」とし、ロシアの核戦力を全面的に無力化するような包括的MD網の構築を提唱する声も根強い。
【ワシントン=黒瀬悦成、モスクワ=貞広貴志】米露の核軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」は22日、米露首脳による署名から約8か月を経て、米上院での批准承認までたどり着いた。だが、条約交渉でも最大の対立点だった米ミサイル防衛(MD)計画の扱いについては、米露間で溝が目立ち、MDの開発が進むほど摩擦が激化する危険をはらんでいる。
米上院で批准承認を巡る審議が年末までもつれ込んだのは、共和党議員の一部がMD問題を提起し、承認に頑強に抵抗したためだ。
「同条約の14条3項は、互いの国益を損ねる異常事態」が発生した場合、条約から一方的に脱退する権利を有するとしている。ロシア側は条約署名に際し、「条約は、米MDシステムの能力が質的・量的に増強されない限り有効」とし、同項の「異常事態」には、ロシアの戦略核戦力を脅かす米一MDの増強が含まれると表明した。このため、共和党は、条約がMD推進の足かせになりかねないとして反対の論陣を張った。
民主党は22日の批准承認に関する採決の直前、MD計画推進を明記した共和党提出の条約付帯決議に同意し、同党への配慮を示した。これに対し、ラブロフ露外相は米上院の批准承認を歓
迎しつつも、「我々(行政府)と議会の双方が、米批准最終文書を検討する必要がある」と述べ、付帯決議に反発する立場を示した。
米国との「核戦力の均衡」を最重視するロシアは、米MD計画を自らの核抑止力への脅威と認識している。条約交渉でも、米MD開発を制限する条項を入れることに固執し、前文に「戦略的防衛兵器は、相手国の戦略的攻撃兵器の有効性を減じない」という文言を盛り込んだことを「成果」として誇示した経緯がある。
しかし、米上院の審議では「新STARTは旧条約よりも、MDへの制限は減る」(国防総省幹部)といった米側の解釈が示され、ロシアの懸念は強まった。ロシアは、先月リスボンで開かれた「北大西洋条約機構(NATO)ロシア理事会」でも、欧州とロシアのMDシステム統合を提案したが、米欧は拒否した。露軍機関紙「赤い星」は12月 2日の論評記事で、ロシア抜きの欧州MDは「国際関係を決定的に悪化させる計画」と警告した。
メドベージェフ露大統領は先月末の年次教書演説で、米欧のMD推進に対し、「新たな軍拡競争」もいとわないとの強硬姿勢を打ち出しており、米共和党のMD推進派は対露不信を募らせている。ジム・デミント上院議員ら同党の推進派の間では、「今回の条約のような相互確証破壊の概念に基づく軍備管理は時代遅れ」とし、ロシアの核戦力を全面的に無力化するような包括的MD網の構築を提唱する声も根強い。
この記事では、11月のリスボンでの合意はなく、ロシアの一方的な提案であり、欧米各国は拒否したとなっています。
11月の報道が間違っていたのか、その後欧米の態度が変わったのか(どのような協力が可能かを、検討することになっていのですが)はよくわかりません。
この記事の通りだとすると、NATO + 米のMDとロシアとの関係は、ロシアが脅威を感じているといった、リスボンでの会議以前と変わっていないことになります。
したがって、ロシアにすれば米国に対する脅威感は変わっておらず、新STARTの批准に関して、MDにこだわるのは当然となります。米国のMD推進圧力も、衰えていない。
真相はどうなのか、米議会下院での批准はどうなるのか、綱渡りで持ちかえしたオバマ政権支持率は、来年からのねじれ議会でどうなるのか、来年の米国には注目が必要ですね。
「オバマ米大統領の1年、対立から妥協へ 内憂外患続く」:イザ!
「【よくわかるニュース解説】米露、新核軍縮条約発効へ」:イザ!
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