更に今回、中国交通運輸省の上海海事局が、東シナ海で航空機によるパトロールを始めるのだそうです。巡航範囲には「争いのある海域」も入るとのことで、尖閣諸島の周辺海域も含まれるとしているのだそうです。
20日付の中国系香港紙、商報によると、東シナ海を管轄する上海海事局の幹部は、今年は航空機による巡視活動を前年の2倍近い約150回計画していると明らかにした。同海事局は巡航範囲には「争いのある海域」も入ると述べ、尖閣諸島の周辺海域も含まれるとしている。
海事局は交通運輸省に属し、海上汚染の監視や船舶の航行の安全確保などが任務。中国では国家海洋局や農業省漁政局など海洋権益確保に絡む他の部門も、東シナ海の巡視を強化している。
同紙などによると、上海海事局はこれまで船舶による巡視が中心だったが、浙江省舟山に昨年、航空機による巡航部隊を正式に設立。これまでの巡視船に加え、巡航時速約250キロの航空機1機を使用し、管轄海域を巡航している。(共同)
中国の海洋監視船(漁業監視船)と言えば、農業部漁業局の「漁政」と、海洋調査船といわれる国家海洋局海監総隊に所属する「海監」があり、これらの増強が報道されてきていました。
中国交通運輸省の上海海事局には「海巡」という巡視船があり、水上の安全、船舶による汚染の防止、船舶と海上施設の検査、航海の保証及び管理等を執行する機関なのだそうです。
過去に、海上保安庁観閲式及び総合訓練に、巡視船「海巡21」を派遣してきたこともあるのだそうですが、尖閣の近海への出没は「魚政」や「海監」でした。艦船ではなく、航空機になりりますが、中国交通運輸省の上海海事局という新手の部署が尖閣近辺に出没することとなり、尖閣占領に向け新戦力が加わることとなります。
時事ドットコム:中国機へのスクランブル最多=情報収集型機の飛来増加-防衛省
日本財団図書館(電子図書館) 平成16年度国際的海上保安業務能力向上の推進事業報告書 「中国海上保安機関の概要及び上海水域船舶交通状況」
標的とされている日本。防衛大臣を野田政権では早くも交代させましたが、素人の後にまた素人と評価されている党内融和といった党内事情優先の国防意識の欠如さです。
2012年度予算では、「南西地域を含め、警戒監視、洋上哨戒、防空、弾道ミサイル対処等の重点整備」が掲げられ、
①洋上での警戒監視能力を強化するため、ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)を1隻建造
②水中での警戒監視能力を強化するため、潜水艦(SS)を1隻建造
③防空能力を向上するため、現有戦闘機の後継として、F-35Aを4機取得
④イージス艦2隻を能力向上(BMD艦化改修)
⑤与那国島への沿岸監視部隊配置(陸自)及び移動警戒隊展開(空自)のための用地取得等
他が計画されていますが、海自、空自で微増ですが、全体では1.3%減の計画となっている様です。
平成24年度防衛関係予算のポイント
最低限、この予算の成立がなされることと、中国、ロシアの日本近海での増強状況に対応する追加費用の準備も望まれる環境に突入していると考えます。
数百席の漁船団が大挙して、「魚政」「海監」「海巡」に守られながら、尖閣に押し寄せてくる事態に、この程度の増強で護れるのか、「想定外」の言い訳はもう懲り懲りです。出金に直接つながらない、関連法案整備を急ぎ、現有戦力が効率よく働かせられる様することも急務ですね。
足りぬ「国を守る」意識 法律不備…仮想ドキュメント (産経新聞) - Yahoo!ニュース
中華人民共和国海事局 機器 ボート
# 冒頭の画像は、「海巡21」
この花の名前は、松虫草 撮影場所=六甲高山植物園
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