遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

自民党大勝 考

2012-12-17 23:25:17 | my notice

 今回の衆議院総選挙は、自民党が自分でも驚く大勝の結果で幕を閉じました。
 民主党政権で、日本を壊した歴史的大失政をした責任者では、鳩は戦う前に敗北を予感して立候補をあきらめましたが、カンカラ菅は、しぶとく比例で議員の席を手に入れました。小沢も福島の小沢王国は崩壊したものの独り当選しました。遊爺が最も安心したのは、仙谷が議席を失ったことです。
 自民党の大勝については、いろいろ分析が進められています。
 細田氏がテレビのインタビューで答えておられた、現行小選挙区制度のおかげというのには、冷静沈着な細田氏らしい分析と感心すると同時に、冷静沈着なたぬきの細田氏も政権奪還で嬉しかったのか、珍しく正直に本音を吐露されたと、驚きもしました。

 自民党幹部も、申し合わせが徹底されているのでしょう、揃って自民党への積極的な支持というより、民主党批判の現れで負わされる責任は重い。参院選で勝利してはじめて勝利となると謙虚なコメント振りですね。

 現行の「小選挙区比例代表平立制」が実施され、小泉・郵政民営化選挙では自民党が圧勝し、政権交代の前回は民主党が圧勝しました。それぞれが、ワンイシューのテーマに注目が集まり、大勝の原因もそのせいとされて選挙制度への言及は稀でしたし、二大政党化での政権交代の時代到来ともてはやされました。

 しかし、遊爺は、民意=得票数と議席の乖離に注目し、「小選挙区比例代表平立制」の選挙制度は、二大政党ではなく、一大政党を産む歪んだ選挙制度で、民意を反映する選挙制度を追求すべきと考え始めていました。

 
選挙制度改革 現行制度では民意が議席数に反映されていない - 遊爺雑記帳
 2009年の政権交代の時は、民主党は得票数が44.9%に対し、議席獲得数は64.2%で、自民党は得票数32.7%に対し、議席数は24.8%でした。過半数の得票に至っていない民主党が、議席では過半数どころか64.2%も占めたのでした。その前の小泉・郵政選挙でも同様の傾向です。
 全く民意とは異なる結果で、一票の格差もさることながら、選挙制度が民意を歪めるものと、より民意を反映する選挙制度を求めました。

 一時は、今回「0増5減」の一票の格差是正に、民主党がくっつけた「小選挙区比例代表連用制」に魅力を感じた時もありましたが、諸兄からのご教授もいただき。この制度は、更に歪があることを理解しました。
 
小選挙区比例代表連用制は「一票の格差」是正に反する - 遊爺雑記帳

 そして、上記リンクのコメントでご教授のやりとりをさせていただいた「誠司」氏の提唱される、(1)議員の判断で議員活動できる。(2)複数の人に投票し複数の人が当選する仕組。(3)判りやすく、選挙結果に同感できる方式の、「単記移譲式」が民意を大切に取り扱いながらも、投票に伴う複雑さも少ない方法であることを知りました。

 
どの選挙制度が良いかを考察する/誠司のブログ
  【注】リンク文中にお急ぎの場合は、まとめ からお読みくださいとされています。
     ブラウザが、google chrome の場合文字化けが出る可能性があります。
 関連リンク
 
選挙制度改革 誠司の提案 衆議院議員、知事・市町村長選挙について
 誠司のブログ 政治・選挙関連リンク
 
 選挙制度改革については、一票の格差是正で「0増5減」は決まりましたが、制度改革や議員定数については先送りされています。中選挙区制度に戻すことも含めて、改革議論が深まり実施され、民意が反映される制度に移行されることを願っています。

 早速、一部メディアや評論家・コメンテータによる自民党の勝ちすぎを指摘・非難する声が湧いてきています。それらのメディアや評論家・コメンテータは、前回、民主党が大勝した時は礼賛していたメディアや人々です。
 二大政党化を促進しようとして、一大政党を産む実績を重ねている、現行の選挙制度の真相について、眼を向けることなく、アンチ自民党の感情優先で語るべきではありません。

 制度の問題はあるとして、政権の安定の方向に向いた結果が出たことには、遊爺は評価しています。
 次回参院選で、これらのメディアや、評論家・コメンテータに惑わされた"バッファープレイヤー"の感情的行動が出ないことを祈っています。

 米中韓の反応が紹介されていました。
 

【衆院選2012】海外反応 (12/17 産経)

■米国 安保問題のタカ派
 【ワシントン=佐々木類】米政府は、民主党政権時代に停滞した日米同盟の再構築に向け、自民党を中心とする新政権と緊密に連携し、アジア・太平洋地域で活動を活発化させている中国軍の動きに対処していく構えだ。
 米政府内には、毎年のように首相が交代することについて「短命首相が相手では、腰を据えた戦略対話ができない」(日米関係筋)という、あきらめムードやいらだちがあった。このため、新政権安定への期待は高く、当面は連立の枠組みや外交・安全保障のほか、新政権内でも意見対立が予想される環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への取り組みなどを関心を持って見守っていく方針だ。
 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は16日、「民主党政権に対する拒絶」が大きな要因と分析、安倍晋三自民党総裁については「安全保障問題のタカ派」と紹介した。

■中国 理性的な外交を
 【北京=矢板明夫】中国国営新華社通信は、16日夜配信した英語版の論評記事で「(新政権誕生は)外交政策を再策定し、隣人のイメージを変えるまたとない機会だ。新指導者は理性的な外交政策を取るべきだ」と主張した。
 中国では、民主党政権による沖縄県・尖閣諸島の国有化で日中関係が悪化しただけに、次期政権での日中関係改善を期待する声が上がっている。
 中国現代国際関係研究所日本研究所の馬俊威副所長は開票前の中国メディアの取材に「安倍晋三氏は2つの顔を持っている。領土と安全保障問題で強硬姿勢を崩さないとみられるが、経済面などで温和な対中政策を取る可能性がある」と話していた。

■韓国 東アジアに緊張
 【ソウル=加藤達也】韓国の聯合ニュースは16日、自民党の安倍晋三総裁の首相選出が確実視されていることを受け、「東アジアに緊張が高まっている」と指摘。「安倍内閣が公約を実践すれば韓国、中国と深刻な葛藤が生じることが予想される」と論評した。一方で、連立を組む公明党が憲法改正などに反対しているとし、「憂慮するほど日韓関係は悪化しないだろう」との見方も示した。

 米中ともに悪化した民主党政権との関係が、それぞれの自国の国益にとって、新安倍政権がメリットのある政権になるか、注視しているといったところですね。
 韓国はネガティブな捉え方。媚韓の民主党政権でさえ堪忍袋の緒を切った両国関係の状態ですから、中国の属国化傾向を強める中、中国寄りの視点で観てくるのはいたしかたないところでしょう。公明党に修復を期待するところが興味深い。


 【追伸】自民党大勝 考 - 遊爺雑記帳





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4 コメント

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今回の選挙結果の分析 (誠司)
2012-12-22 20:14:42
ご無沙汰しています。
誠司です引用頂きありがとうございます。
>政権の安定の方向に向いた結果が出たことには、遊爺は評価しています。

私も同じ意見です。

また、私も今回の選挙結果を分析しました。我田引水なところもありますが
よろしくお願いいたします。
返信する
続き (誠司)
2012-12-22 20:16:18
すみませんリンクを忘れていました
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/seiji200601/view/20121222/1356173561
返信する
Re: 今回の選挙結果の分析 (遊爺)
2012-12-23 00:37:11
誠司様 コメントをいただき、ありがとうございました。

誠司様の分析を、拝見させていただきました。

>「単記委譲式を導入し小選挙区と比例区(大選挙区単記委譲式区)の議席数を1:1にする」という私が主張している方法が良い事を今回の選挙結果は示している。

 自民は61.25%から、55%程度になるのですね。
 投票者の選択肢が増え、かつ、得票率と議席獲得率が近づく、誠司さまのご提唱の選挙制度が、国会での審議対象になることを願っています。
返信する
Unknown (誠司)
2012-12-23 18:37:37
ご閲覧ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
返信する

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