遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米国防予算案 陸軍兵力削減は戦後最低レベルに

2014-02-26 23:52:48 | 米国 全般
 ヘーゲル米国防長官が、2015会計年度(14年10月~15年9月)の国防予算案の概要を発表しました。陸軍兵力を第二次大戦後、最小規模の44万~45万人に削減(現在52万人から約15%削減)することとしたのだそうです。共和党議員などからは反発の声が上がっているのだそうですが、「これが現実というものだ」と!
 ただし、アジア太平洋重視戦略は維持し、空母11隻体制も維持、装備の量的な削減を、即応・機動力、技術革新性などで補うこととしているのだそうです。
 更に、予算と装備などの量的削減が続けば「短期、長期的に米国の安全保障を危険にさらす」こととなり、かたや拡充を進める中国を念頭に、「米軍の優位が当然だとはいえない時代に突入している」と、危機感もあらわにしたのだそうですね。
 
米陸軍、兵力大幅削減、戦後最小に アジア重視は維持 米国防予算案概要 共和党反発も - MSN産経ニュース
 【主張】米国防予算 「アジア重視」揺るがぬか - MSN産経ニュース
 
陸軍兵力削減 対中戦略、リスク抱え (2/26 産経 【岐路に立つ米国】)

■国防長官「米軍優位といえぬ時代」
 【ワシントン=青木伸行】ヘーゲル米国防長官が、24日に発表した2015会計年度(14年10月~15年9月)の国防予算案の概要は、陸軍兵力をはじめ大幅な削減となった。オバマ政権は、長期的な国防予算削減を前提に、戦力構成の転換を図っており、予算案もその延長線上にある。だが、この動向は多くのリスクを抱え、対中再均衡戦略への影響も懸念される。

 
ヘーゲル長官は記者会見で「より小規模で能力が高い軍」を掲げ、兵力と装備の量的な削減を即応・機動力、技術革新などで補うと強調した。オバマ大統領は当初から軍の戦力構成をイラク、アフガニスタンでの大規模な地上軍を主体とするものから、海・空軍、サイバー宇宙軍、特殊部隊を主体とするものへと変革していく構想
を描いてきた。予算削減による米軍の規模縮小に伴い、外交を拡張することも重視している。
 陸軍兵力の削減などはまさに、大統領の要請に応じたものだ。陸軍兵力の削減は、長期の駐留と作戦に消極的なオバマ大統領の方針の表れで、陸軍内では削減への反発が出ている。
 
リスクは大きいヘーゲル長官も、予算と装備などの量的削減が続けば「短期、長期的に米国の安全保障を危険にさらす」と吐露した。中国を念頭に「他の国は兵器の更新・近代化を続けている。米軍の優位が当然だとはいえない時代に突入している
」と、危機感もあらわにした。
 米海軍によると、中国海軍は昨年、約50隻の艦艇を進水、就役させた。今年も同数のペースで増産するとみられており、米軍も中国の軍備増強の速度を、質量ともに「予想以上」(幹部)と強く警戒している。
 米中の軍事力にはなお、大きな差があるが、
中長期的な観点からすれば、削減と増強という両国の相反する趨勢(すうせい)は、アジア太平洋地域の大きな不安材料
だ。
 
ヘーゲル長官は、アジア重視戦略を維持する
とした。予算案では原子力潜水艦などの調達計画が維持され、中国海軍の接近阻止・領域拒否戦を打破する戦略などに変化はない。
 だが、新型沿岸海域戦闘艦(LCS)の調達数が削減されたほか、すでに艦船の配備中止や空母の展開遅延の事態も生じている。国防総省高官は、こうした状況が長期・深刻化すれば「再均衡戦略のうち、艦船の配備態勢にかかわる多くの部分が無効になる」としている。


 オバマ大統領は当初からイラク、アフガニスタンでの大規模な地上軍を主体とするものから、海・空軍、サイバー宇宙軍、特殊部隊を主体とするものへと質の変革構想を描いてきたのだそうで、米軍の規模縮小に伴い、外交を拡張することも重視しているとのことです。
 外交が苦手とされるオバマ大統領。クリントン長官の後、外交はバイデン副大統領に任せているとの話がありますが、バイデン副大統領の手腕は、日中韓を訪問した際の八方美人外交で混乱の火種を撒いてあるいたことで推察できるレベルです。シリアの化学兵器使用に対するオバマ政権の対応は、歴代の米国政府では考えられないダッチロールぶりでした。

 日本の外交は、米国の「弱さ」に配慮するひつようがあるとする、櫻田東洋学園大学教授の記事を取り上げていました。
 
弱くなった米国を踏まえた外交がこれからは必要となる - 遊爺雑記帳

 米国の「弱さ」が明白に認識されればされるほど、それを主体的に補う努力が、日本に要請されることになる。集団的自衛権行使の許容を含めて、日本が推し進める安全保障政策上の努力が必要とし、日米同盟はそれ自体で完結するのではなく、先々、オーストラリア、インド両国と東南アジア諸国を含んだ「アジア・太平洋版NATO(北大西洋条約機構)」の支柱に発展すべきものであると指摘していました。
 アジアの平和の均衡に、日米同盟が基軸となることに変わりはありませんが、中国の著しい台頭と、日米の財政の窮状により均衡が崩れる可能性が生じつつある今。日米同盟の輪を広げて仲間を増やす外交が必要ということです。

 安倍政権は、「地球儀外交」とも「防共回廊21世紀版」ともいえる「積極的平和外交」を精力的に展開しています。
 オバマ政権の外交は、信頼を失う傾向が続いています。オバマ氏と安倍氏の信頼関係についても、様々に評価が割れています。

 仲間を増やして均衡のバランスを維持すると同時に、安倍、オバマ両氏の信頼関係構築と、日米同盟の強化も求められる、「岐路に立つ米国」の現状でしょう。



 # 冒頭の画像は、予算削減を発表するチャック・ヘーゲル米国防長官




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日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略




 

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1 コメント

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さみしい・・・ (SK)
2014-02-27 13:18:30
韓国、アメリカ、公明党
どんどん、安部首相から去っていく。・・・
たとえ、一人になろうとも、敵100万になろうとも。たとえ、たとえ・・・
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