遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国 鉄道輸出で苦戦

2016-06-23 23:58:58 | 日本を復活させる
 中国経済成長の減速、パブル崩壊の話は絶えません。習近平はその打開策に、海外市場の取り込みとして「一帯一路」政策を推進しています。その中の海外インフラ開発受注に鉄道建設があり、同様に、アベノミクスの第三の矢の政策の中の一つとして海外インフラ投資受注を狙う日本と随所で競合していることは、諸兄がご承知のことです。
 安さとスピード決断&工期で勝る中国が次々と受注を重ねて来ているのですが、あちこちでとん挫しているのだそうです。
 

中国 鉄道輸出で苦戦 米国、中南米、タイで頓挫 現地事情、採算を度外視 (6/23 読売朝刊)

 【北京=五十嵐文】中国が海外で受注した高速鉄道建設が、各地で中断や変更に追い込まれている。鉄道などインフラ(社会基盤)の「走出去」(海外進出)を成長の柱に据える習近平政権の戦略に、狂いが生じ始めた

 高速鉄道の海外輸出は、急がず、ゆっくり━━。
 今月14日、中国国営新華社通信系の経済紙・経済参考報に、鉄道業界に詳しい中国人学者の論評が掲載された。米国、中南米、東南アジアなどで事業が頓挫した具体例を挙げ、
「戦略は正しくても実施を急ぎすぎている」と、現地の事情や採算を度外視した輸出攻勢に苦言
を呈した。
 最近、明らかになったつまずきの例が、米西部カリフォルニア州ロサンゼルスとネバダ州ラスベガスを結ぶ全長370詩の高速鉄道だ。中国が初めて米国で手がける高速鉄道として注目されたが、
米事業者が今月上旬、中国企業連合による認可取得は困難などとして、合弁解消を発表
した。
 中国が、米国の「裏庭」の中南米での影響力強化を狙った計画も次々と破綻している。
メキシコ政府は2015年、中国企業連合がいったん受注した建設計画の「無期限延期」を発表。受注手続きをめぐる疑惑浮上などが原因とされる。原油安に見舞われたベネズエラでは資金調達のめどがつかず、中国側が人員を引き揚げた

 
タイ政府は3月、計画していた鉄道事業を大幅に縮小し、中国の融資を受けずに自力で建設すると発表した。中国は南部・雲南省昆明を起点にタイ、マレーシアを抜けてシンガポールまで至る約5000キロの「汎アジア鉄道」を計画している。その中核を占めるタイでの事業縮小は、中国から直結する陸の輸送ルートを通じて東南アジア全域に影響力を行使する「鉄道外交」の根幹を揺るがしかねない

 中国が日本に競り勝って受注した
インドネシアの事業でも計画のずさんさが露呈し、事業は遅れ気味
だ。中国が協力・協議中の高速鉄道事業はアフリカや欧州を含め二十数か国に上る。
 国内の高速鉄道網が1万9000キロに及び、高速鉄道産業の生産能力のだぶつきを解消するには海外市場に打って出ざるを得ない事情もある。

 ベネズエラの場合は、原油価格暴落の影響であり、中国側の非はないのですが、米国、メキシコ、タイ、インドネシアは、中国企業の受注計画がずさんであったことの証と言えます。新華社通信系の経済紙に、現地の事情や採算を度外視した輸出攻勢に苦言を呈する評論が載るというのですから、中国政府が認めているのですね。
 ただ、この破談になった計画を、日本が受注しているかと言えば、そうではない様です。
 米国については、日中の受注合戦もありますが、もう一つの敵は飛行機なのだと。
 
【経済裏読み】米国に踊らされるだけの“日中戦争”!? オバマ政権後の高速鉄道計画、関心薄く行く末は… - 産経WEST

 メキシコの場合は、中国は賠償金を得た様ですね。
 
高速鉄道プロジェクト撤回のメキシコ、受注した中国企業への... - Record China
 【経済インサイド】「日立」に完敗した中国「鉄道ビジネス」 海外各地でつまずき…メキシコでは「契約破棄」、タイでは「金利高い」(1/4ページ) - 産経ニュース

 タイでは金利交渉のもつれで自力建設に切り替えたとありますが、中国の支配力強化を懸念したとの見方があります。バンコックの都市鉄道は日本が受注したのですね。
 
高速鉄道建設:「中国の提案」を拒否した「タイの深謀」�|�新潮社フォーサイト
 日本連合、タイ都市鉄道の新路線を正式受注 1120億円  :日本経済新聞

 インドネシアでの建設は、進んでいない様でしたが、どうなっているのでしょう。
 
インドネシアの高速鉄道計画 中国の詐欺商法が露呈 - 遊爺雑記帳
 中国高速鉄道は「安全性」すら新幹線を超えた!インドネシアでは「勉強になった」-サーチナ

 繰り返しになりますが、中国の苦戦に代わって、日本が受注とまではいっていないような。

 中国経済については、本来は李克強首相が担当で進められる役割ですが、習近平主席が主導するようになってきていることは、衆知のことですね。ところが、習近平は経済音痴だと、あの内閣官房参与の浜田宏一氏が指摘されています。
 

中国本当の危機 経済音痴・習近平で地獄の中国経済 内閣官房参与 浜田宏一 経済評論家 上念 司 (月刊 Hanada 7月号)
<前略>

習近平の経済アドバイザー

浜田 資本主義の無政府性を計画経済で制御しようとした。中国の最大の問題点は、政府にその能力がないにもかかわらず、自分たちに市場をコントロールする能力があると思い込んでいること
です。
 昨年、アメリカの大学で博士号を取得した、習近平の経済アドバイサーに会いました。ところが彼は、「株式市場と実体経済は100%別物だ,と経済学の常識では到底考えられないことを口にしました。しかも、全融政策の為替に対する効果も無視」ていました。

上念 金融政策の効果を無視するという点は、白川方明総裁時代の日銀もそうでしたね。

浜田 習近平の経済アドバイザーは、「株価など政府によっていくらでも操作することができる」という意味で言ったのかもしれません。よく「
習近平にはそれなりの人望があるが、経済音痴だ」という声を聞きます。私も全く同意見です。経済アドバイザーが経済を知らないのも、もしかしたら「主人」の影響なのかもしれません。
<後略>

 外需に活路を探る、習近平の「一帯一路」政策。発想は納得しますが、具体的な進め方や、対象案件の選別には、課題がある様ですね。
 競い合う日本。驕りは捨てて、お客様のニーズへのスピードを持った対応を改善し、受注競争を勝ち抜いていただきたい。



 # 冒頭の画像は、バンコック都市交通・「パープルライン」に導入される日本製車両




  小梅

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