遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

参院選結果 安倍政権批判を強める各紙社説

2016-07-11 23:58:58 | 日本を復活させる
 参院選について、各紙はトーンや内容に差こそあれ、直前に自民・与党大勝予測を報じ、結果についても自民・与党や、改憲勢力の勝利を煽っています。そして、主要5紙の社説では、総じて安倍政権批判または、警告をしています。
 選挙結果で、政府等の勝利と報じながら、政府批判をする。つまり、国民の投票結果を非難しているのです。奇異に感じるのは遊爺だけでしょうか。改憲勢力が、2/3を越えたことは歴史的な結果で、改憲を党是としている自民党政府の暴走を警戒し、愚かな国民の投票結果を政府が悪用するのをけん制するのが、賢い頭脳集団の新聞社の義務という匂いがプンプン感じられるのです。主要5紙の社説こそが、民意=投票結果から乖離しているのではありませんか。
 32の一人区で、与党が21勝11敗で、現職大臣2人が落選して、政府・与党が大勝したとは、遊爺は思いませんし、改憲を安倍首相が隠して戦ったと言いますが、野党は前面に掲げていたわけで、有権者の眼や耳には、野党を無視していない限り、争点として届いています。
 選挙結果を、憲法改正を主題に論じているのは、日経、毎日、朝日。国民の関心が高い(世論調査)とされた、経済に主眼を置いているのが、読売と産経ですね。
 

与党勝利 安定基盤を懸案解決に 政策なき「野合」は否定された (7/11 産経 【主張】)

 直面する内外の困難な課題を克服するため、強い政権の継続が必要だと有権者は判断
した。
 参院選で自民、公明両党が勝利し、安倍晋三政権は衆参両院で、より安定的な基盤を得た。
いまだ果たせていないデフレからの脱却を急がなければならない

 憲法改正に賛成する勢力も3分の2を超えた。改憲や安全保障体制の強化などに総力を挙げるべきである。
この勝利を懸案解決に結びつける責任を首相は負った

 
民進、共産など野党4党は安保関連法の廃止を訴え連携したが、与党圧勝を許した。国際情勢を無視した非現実的な主張だったことを有権者は正確に見抜いた


≪脱デフレの約束果たせ≫
 日本の安全保障環境は、「法の支配」を無視した中国の海洋進出や、北朝鮮の核・ミサイル問題などで厳しさを増している。関連法には、日米同盟の強化で抑止力を向上させ、平和と安全を守る意義がある。
野党は、眼前の危機への認識があまりにも希薄
だった。
 
最大の失敗は、基本政策の根幹が異なる共産党との協力
だろう。政権の受け皿を目指すなら、与党に真に対抗できる現実的な政策を磨くことが不可欠である。「民共共闘」はそれと相いれない。
 その意味で、
与党の勝利は野党の無策に助けられた面も少なくない。勝利した与党に政策を白紙委任できるものでもない。むしろ、政権政党として詳細で実現可能な政策をどれだけ提示できたかといえば、大いに疑問
だ。
 
最たるものが経済政策
である。足元の景気は、アベノミクスの成果を実感できるような状況にない。個人消費は伸び悩み、円高が一段と進めば、好調な企業収益にも陰りが生じよう。
 安倍政権に求めたいのは、ここまで経済再生が遅れた理由を直視し、成長基盤の強化に腰を据えることである。海外経済の変調を憂える前に、そうした兆しが見える度に揺らぐ、日本の足腰の弱さの解消を急ぐ必要がある。
 首相が10日夜、直ちに経済対策を策定する姿勢を示したのは妥当である。成長に資する政策を反映させるべきだ。それが不十分では財政出動効果は長続きしまい。
 自民党は、アベノミクスの再加速で経済のパイを拡大し、その成果である税収増を子育てや介護に活用すると訴えた。民進党と似通ったリベラル色の強い分配政策を取り込み、分配重視の野党の出ばなをくじく狙いも見られた。
 成長を目指す立場を堅持するのは当然である。医療や介護などでより多くの費用を要する高齢者の割合が増える中、支える現役世代が減っている。経済の生産性を高めて成長力を引き上げなければ高齢社会に対応しきれまい。

≪一体改革の再構築急げ≫
 ただし、
与党の期待ほど経済が上向いていない現実は看過できない
。経済の実力を示す潜在成長率は0%台である。日本より経済が好調な米国も、長期停滞が懸念されている。経済の底上げは容易ならざる課題といえよう。
 そこに向き合わず、
成長に伴う大幅な税収増を当てにする政策運営は危うい。平成27年度税収は7年ぶりに見積もりを下回った。アベノミクスの成果への過度な楽観は控えるべき
である。
 
大きな懸念は改革の覚悟が見られぬことだ。通常国会では、成長戦略の柱である環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案を先送りした。参院選を意識して賛否の分かれる改革に踏み込まず、既得権益を守ろうとする意向が働いたためか、痛みを伴う改革の選択肢
は最後まで示されなかった。

 
特に問題なのは、消費税増税の再延期で財源に穴が開いた社会保障・税一体改革の扱い
である。
 首相は増税再延期により、社会保障充実策のすべてを実施するのは難しいという。ならば、どの政策を後回しにするのか。一方、1億総活躍プランによる保育や介護の受け皿確保は優先するという。それらの整理が急務だ。
 首相は「赤字国債を財源に社会保障の充実は行わない」とも述べた。十分に税収が増えなければ拡充は行わないのか。増税再延期による将来不安を解消するため、一体改革を再構築しなければならないのは論をまたない。
 厳しい現実を包み隠さず国民に説明し、理解と協力を得るべきなのは、あらゆる政策に共通する。強力な基盤を得た今こそ、覚悟を示し、行動に移すべきである。

 政策の異なる野合で、国際情勢には目もくれず、政局優先の民進党と共産党を国民は見透かして評価を下したと、選挙結果を読んでいるのですね。偏向メディアが流した、政権交代の風に騙されて、政権交代の一点での野合の民主党(当時)政権を誕生させてしまい、日本沈没を招きかけた苦い反省を忘れてしまった有権者の分、またまた野合の効果が出ているのですが。。

 与党は、アベノミクスは途上として、第三の矢の具体策の欠如の逃げをし、凌いでいましたが、産経・主張が指摘する通りで、経済政策にまい進していただかねばなりません。
 TPP法案を選挙後に先送りする姑息な手段を使いましたが、東北では敗北しました。有権者をなめた先送りの効果は、当然得られませんでした。
 改憲勢力が、2/3を越えたことで、「改憲や安全保障体制の強化などに総力を挙げるべき」と唱えているのは、特徴的です。

 読売も、経済再生を求め、「アベノミクスが全面的に支持されたと、驕てはならない。むしろ、経済再生を成し遂げるまでの猶予期間が延長されたと謙虚に受け止め、丁寧な政権運営に努めることが肝要である。」と、注文をつけています。
 改憲については、「まずは衆参の憲法審査会で、改正テーマの絞り込みの議論を冷静に深めることが重要」と指摘しています。妥当な指摘で、改憲について平行線のままの現状を打開する議論を深めていくことが、先ず行われるべきです。
 
参院選与党大勝 安定基盤で経済再生の貫徹を : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 改憲を主軸に語る、日経、毎日、朝日。
 日経の、「改憲の罠」「護憲の罠」という論理展開は面白いですね。
 
改憲より先にやるべきことがある  :日本経済新聞

 毎日でさえ、民進党の共産党との共闘に見直しを求めていますが、何が何でも反自民の朝日は、政局優先で共闘はやむをえないと容認する無節操ぶりです。

 
社説:参院選 改憲勢力3分の2 まず自民草案の破棄を - 毎日新聞
 (社説)自公が国政選4連勝 「後出し改憲」に信はない:朝日新聞デジタル

 沖縄で、中国軍の侵略活動が、ステップアップされる変動のなか、媚中の翁長一派の候補が大差で当選するといった事態が生じるなど、産経が主張するように、国際情勢を無視した環境(地元メディアの情報操作)による投票結果の地域があるなど、与党が大勝したとは言えない選挙結果です。
 とかく緩みがちな自民党。兜の緒をしめつつも、歴史的な支持(二階とか野中の隆盛・復活を許すものではありません)を得たことに応える政策を立案・実行していただくことを期待します。



 # 冒頭の画像は、落選した、沖縄担当相の島尻安伊子氏




  この花の名前は、チオノドクサ・ルシリエ


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