中国企業が、パナマ運河に対抗する運河を、ニカラガで建設計画をすすめていました。パナマ運河の3倍の278 km(ウィキペディア=3.5倍の259.4 km)という長さで、2014年12月22日に着工式典を開催し、2019年完成予定です。
ところが、北京に本社がある主体企業が資金枯渇状態に陥り、中国共産党の追加支援が望めない危機に陥っているのだそうです。
着工するやすぐに環境保護団体の抗議活動、土地が沈む農民らの反対運動の激化に見舞われたのだそうですが、主因は、2015年の上海株大暴落、人民元急落の直撃を受けて、北京に本社がある主体企業の「信威通信産業集団」が資金枯渇状態に陥っていることなのだそうです。
設立当初、中国共産党は国有企業のいくつかに指令して資金を供出させたのだそうですが、それ以上の支援は出来ないとしているのだと。
インドネシアの鉄道建設が頓挫している話もありますが、記事ではドイツの民間空港への出資が取りやめになった例をあげ、中国は、世界中でプロジェクトを打ち上げたまま、出資の段階で、『送金の許可が下りない』などと妙な理由をつけて送金をしていないと指摘しています。
米国は、この計画は最初から無理で、途中で放り投げてしまうだろうと無視していたのだそうです。
中国のお金にものを言わせた外交での世界進出。中国経済の成長鈍化で、そろそろ限界に達してきたのでしょうか。。
この花の名前は、プルモナリア
↓よろしかったら、お願いします。
ところが、北京に本社がある主体企業が資金枯渇状態に陥り、中国共産党の追加支援が望めない危機に陥っているのだそうです。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)7月10日(日曜日)通算第4958号 <前日発行>
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中国主導の「ニカラグア運河」も前途は絶望的になった
怪しげな香港の会社が倒産の危機に直面、はやくも資金不足
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中国がパナマ運河に対抗してニカラグアに運河を建設する大プロジェクトは、日本円にして6兆円規模だ。
全長278キロ、パナマ運河の三倍。気が遠くなる稀有壮大な夢の実現と騒がれた。
ニカラグアのサンディニスタ左翼政権は派手に米国に敵対してきたが、複数政党制になっていまは連立政権である。政権が変わると、スリランカが、あるいはミャンマーがそうであるように、中国主導のプロジェクトはときに中止されたりする。
しかもニカラグアは、なぜか中国とは国交がない。台湾と外交関係がある不思議な左翼的国家、というより反米的な国家である。
隣のコスタリカは白人国家。しかもコスタリカのほうが、中国が出資してくれるので、あっさりと台湾との外交関係を断った。
米国から見れば、パナマ運河のすぐ北に競争相手もいうべき大運河が建設されると聞けば、安全保障上からも、脅威であり、裏で妨害工作をするだろうと予測してきたが、妨害もなく、地元の環境保全の運動にも、表立った支援をなしている様相はない。
不思議だなといぶかしんできたのだが、最近の事情が伝わって、ようやく得心が出来た。つまり米国は、この計画は最初から無理で、途中で放り投げてしまうだろうと楽観視してきたからだ。
プロジェクトは一年遅れてスタートしたが、着工するやすぐに環境保護団体の抗議活動、土地が沈む農民らの反対運動の激化に見舞われた。
しかし、それらがニカラグア運河のプロジェクトを絶望的にしているのではない。絶望の原因は工事請負の中国企業の怪しさにある。総工費を香港のHKND(香港ニカラグア運河開発投資公司)が担うと豪語し、その主体企業は北京に本社のある「信威通信産業集団」の王靖会長、大富豪という触れ込みだから、むろん共産党との繋がりが強い。
2013年に計画がまとまり、14年に着工され、19年完成という当初の大風呂敷は、風にはためく大旗のようにへんぽんと翻るだけ、じつは2015年の上海株大暴落、人民元急落の直撃を受けて、王靖の懐具合が急激に悪化し、資金枯渇状態に陥った。
背後にある中国共産党も、国有企業のいくつかに指令して資金を供出させたものの、あくまで「民間企業の事業」と装っているため、それ以上の支援はできない。というより、世界中で、中国はプロジェクトを打ち上げたまま、出資の段階で、『送金の許可が下りない』などと妙な理由をつけて送金をしていない。
ドイツの民間空港も、中国の出資が決まったのに、突然、出資取りやめ、ドイツが激怒している。
対照的にパナマ運河は拡張工事が完成した。
6月26日、パナマでは完成祝賀式典が開催され、盛大に運送力増加を祝った。背後でほくそ笑んでいるのは米国である。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)7月10日(日曜日)通算第4958号 <前日発行>
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中国主導の「ニカラグア運河」も前途は絶望的になった
怪しげな香港の会社が倒産の危機に直面、はやくも資金不足
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中国がパナマ運河に対抗してニカラグアに運河を建設する大プロジェクトは、日本円にして6兆円規模だ。
全長278キロ、パナマ運河の三倍。気が遠くなる稀有壮大な夢の実現と騒がれた。
ニカラグアのサンディニスタ左翼政権は派手に米国に敵対してきたが、複数政党制になっていまは連立政権である。政権が変わると、スリランカが、あるいはミャンマーがそうであるように、中国主導のプロジェクトはときに中止されたりする。
しかもニカラグアは、なぜか中国とは国交がない。台湾と外交関係がある不思議な左翼的国家、というより反米的な国家である。
隣のコスタリカは白人国家。しかもコスタリカのほうが、中国が出資してくれるので、あっさりと台湾との外交関係を断った。
米国から見れば、パナマ運河のすぐ北に競争相手もいうべき大運河が建設されると聞けば、安全保障上からも、脅威であり、裏で妨害工作をするだろうと予測してきたが、妨害もなく、地元の環境保全の運動にも、表立った支援をなしている様相はない。
不思議だなといぶかしんできたのだが、最近の事情が伝わって、ようやく得心が出来た。つまり米国は、この計画は最初から無理で、途中で放り投げてしまうだろうと楽観視してきたからだ。
プロジェクトは一年遅れてスタートしたが、着工するやすぐに環境保護団体の抗議活動、土地が沈む農民らの反対運動の激化に見舞われた。
しかし、それらがニカラグア運河のプロジェクトを絶望的にしているのではない。絶望の原因は工事請負の中国企業の怪しさにある。総工費を香港のHKND(香港ニカラグア運河開発投資公司)が担うと豪語し、その主体企業は北京に本社のある「信威通信産業集団」の王靖会長、大富豪という触れ込みだから、むろん共産党との繋がりが強い。
2013年に計画がまとまり、14年に着工され、19年完成という当初の大風呂敷は、風にはためく大旗のようにへんぽんと翻るだけ、じつは2015年の上海株大暴落、人民元急落の直撃を受けて、王靖の懐具合が急激に悪化し、資金枯渇状態に陥った。
背後にある中国共産党も、国有企業のいくつかに指令して資金を供出させたものの、あくまで「民間企業の事業」と装っているため、それ以上の支援はできない。というより、世界中で、中国はプロジェクトを打ち上げたまま、出資の段階で、『送金の許可が下りない』などと妙な理由をつけて送金をしていない。
ドイツの民間空港も、中国の出資が決まったのに、突然、出資取りやめ、ドイツが激怒している。
対照的にパナマ運河は拡張工事が完成した。
6月26日、パナマでは完成祝賀式典が開催され、盛大に運送力増加を祝った。背後でほくそ笑んでいるのは米国である。
着工するやすぐに環境保護団体の抗議活動、土地が沈む農民らの反対運動の激化に見舞われたのだそうですが、主因は、2015年の上海株大暴落、人民元急落の直撃を受けて、北京に本社がある主体企業の「信威通信産業集団」が資金枯渇状態に陥っていることなのだそうです。
設立当初、中国共産党は国有企業のいくつかに指令して資金を供出させたのだそうですが、それ以上の支援は出来ないとしているのだと。
インドネシアの鉄道建設が頓挫している話もありますが、記事ではドイツの民間空港への出資が取りやめになった例をあげ、中国は、世界中でプロジェクトを打ち上げたまま、出資の段階で、『送金の許可が下りない』などと妙な理由をつけて送金をしていないと指摘しています。
米国は、この計画は最初から無理で、途中で放り投げてしまうだろうと無視していたのだそうです。
中国のお金にものを言わせた外交での世界進出。中国経済の成長鈍化で、そろそろ限界に達してきたのでしょうか。。
この花の名前は、プルモナリア
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