遊爺雑記帳

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ハマス打倒か人質解放か 停戦交渉でイスラエル分断

2024-03-31 01:33:55 | my notice
 イスラエル社会は、戦争の主な二つの目的、つまりハマスの打倒と約6カ月前に連れ去られ、人質に取られたままの130人(うち30人余りは既に死亡したとみられる)の解放のどちらを優先するかを巡り、意見が対立している。
 多くの人々は目的が今のままでは達成できないと考えている。
 人質の多くを力ずくで解放することはできないし、ハマス側は人質解放のためには、ハマスの存続をイスラエルが容認すべきだと要求しているからだと、ドブリーバー (Dov Lieber)。
 
 ハマス打倒か人質解放か 停戦交渉でイスラエル分断 - WSJ By ドブリーバー 2024年3月29日

 【テルアビブ】ズビカ・モルさんの長男エイタンさん(22)は昨年10月7日、武装勢力に人質に取られたが、モルさんは、たとえ息子の解放につながるとしても、イスラム組織ハマスの存続を許すような停戦合意を支持することはできないと話す

 8人の子の父親で、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を抱える10代の若者のライフコーチを務めるモルさんは「私は息子のことを本当に心配している。しかし、これが国家的な問題であることを理解している。息子の命だけでなく、私の他の子どもたちや孫たちを含む、この国の何百万人もの人々のことを言っている」と語った。

 イスラエル南部に暮らす
エラ・ベンアモ・アーガマンさんはこれとは対照的に、人質の解放が最優先されるべきだとの立場を示す。その結果、(パレスチナ自治区ガザにおける)ハマスの実効支配が続き、10月7日に侵略を受けた自身のコミュニティーが脅かされることになるとしても、その考えに変わりはないという。アーガマンさんは「彼ら(人質)を取り戻すための代償であれば、どんな内容でもそれは払うべき代償だ」と述べた。人質の中には、彼女の親しい友人の子どもたちもいる



 
イスラエル社会は、戦争の主な二つの目的、つまりハマスの打倒と約6カ月前に連れ去られ、人質に取られたままの130人(うち30人余りは既に死亡したとみられる)の解放のどちらを優先するかを巡り、意見が対立している。イスラエルは戦時の結束を模索しているが、多くの人々は目的が今のままでは達成できないと考えている。トンネルの奥深くに拘束されている人質の多くを力ずくで解放することはできないし、ハマス側は人質解放のためには、ハマスの存続をイスラエルが容認すべきだと要求しているからだ

 エルサレムに本拠を置く調査会社キーブーン・グローバル・リサーチの政治アナリスト、ミッチェル・バラク氏は、「二つの目的は互いに対立しており、同時に両方を実現するのは不可能だ。皆を納得させられる解決法はない」と述べた。

 意見の対立は、イスラエルが停戦を巡り、米国、エジプト、カタールを通じてハマスと交渉する中で強まった。
交渉では、最長6週間の停戦と、イスラエル人の人質40人の解放を目指している。解放されるのは女性(兵士を含む)、子ども、高齢者と病人が含まれるハマスはイスラエルが何千人ものパレスチナ人の囚人を解放することを求めている。この中には死者を出したテロリストだとイスラエルが考えている人物も含まれるハマスはまたイスラエル史上最悪の攻撃を計画・実行したにもかかわらず、ガザの支配を自らが継続することについてイスラエルに合意を求めている。米国はハマスをテロ組織に指定している。

 
最終的な合意は、イスラエルの戦時内閣の承認を得なければならない。その内閣には、人質解放をもたらす停戦の代償が高くつきかねないと主張する極右の政治家も含まれている。彼らの一部は、自分たちが反対する合意がまとまった場合には、政権から離脱すると警告している。

 エルサレムに本部を置く
シンクタンク、イスラエル民主主義研究所(IDI)が1月に実施した、この問題を巡る最新の世論調査によると、回答した同国のユダヤ人のうち47%が人質解放を優先すべきだと考えている一方で、42%はハマスの壊滅を第1目標にすべきだとしている

 こうした分断は、イデオロギーの違いとほぼ一致している。同世論調査によれば、
人質解放の優先を主張しているのは主に、選挙で左派や中道の政党に投票してきた人々であり、ハマス壊滅を優先すべきだと主張しているのは、右派や宗教政党の支持者だ。

 イスラエルの
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、人質解放とハマス壊滅は二者択一の選択ではなく、戦争に勝利するという共通目標の一部分だと述べているしかし、主張が対立する両グループをつなぎ合わせることは、同首相の政治生命に関わる問題であり、ほとんど実行不能な作業でもあると専門家は指摘している。

 
二つの勢力のうち一方は、中道および左派のイスラエル人や、人質家族の大半で構成される。戦争開始以降、人質家族は政治勢力となっており、人質解放のために大きな代償を払うこともいとわないイスラエル政府には人質に対する根本的な道義的責任があり、もしその義務を怠れば、市民の安心感が損なわれることになると主張している。彼らはまた、ハマスとはこの先も戦うことができるが、人質は今にも死ぬかもしれないと訴えている

 
だが、イスラエル右派(ネタニヤフ氏の政治基盤)は、ハマスの存続を許し、テロ攻撃に関与した数千人の囚人を釈放するような取引は、イスラエルの国家安全保障と市民および兵士の命を将来にわたり脅かすことになるとして、道義的見地からおおむね反対している。軍事的な圧力をかけてハマスに人質を解放させるべきとの考えだ。

 ネタニヤフ氏の
連立政権に加わっている極右は、もしイスラエルの交渉団がハマスに戦術的な勝利を与えるとみなされるような合意結果を持ち帰れば、政権を離脱すると脅しをかけている一方、もし人質解放の交渉をまとめることができなければ、挙国一致政権から中道派が離脱し、選挙を求める声が次々に上がりかねない。

 
ネタニヤフ氏に近い複数のイスラエル政府当局者によれば、同氏は合意を望んでいるが、課題は現政権を維持しつつ、年内に行われるとみられる選挙を見据えて自身の政治基盤を遠ざけないような合意を達成することだという。

 
ガザとの境界に近いスデロットは、何年も前からハマスのロケット弾攻撃を受け、10月7日に奇襲攻撃を受けた。ここでは、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が取材した住民のほとんどが右派で、ハマスとの交渉に反対する人が多かった

 イスラエル北部で予備役の任務につき、最近、休暇中に結婚したネタネル・アブトブルさん(22)は「私たちは武力で敵を倒す必要がある」と語った。最近になって南部スデロットに引っ越したのは、イスラエル人がそこに居住することをハマスが妨害できなかったことを示す意図もあったという。

 現在の
合意枠組みに反対するイスラエル人は、ハマスによって拉致された兵士ギラド・シャリート氏との交換で、パレスチナ人の囚人(その多くはテロの罪で終身刑)1000人以上を釈放した2011年の取引を挙げることが多いこの取引で自由になった囚人の中には、ガザ地区のハマストップで、交渉を主導するヤヒヤ・シンワル氏も含まれていた同氏は10月7日の攻撃の首謀者の一人である。

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ドブリーバー (Dov Lieber)
 ウォールストリートジャーナル特派員
 イスラエルとパレスチナ自治区をカバーするウォールストリートジャーナルの特派員。彼の取材分野には、安全保障、政治、技術、文化、宗教、旅行が含まれます。彼は2012年からエルサレムとテルアビブの間に住んでいます。

 イスラエル社会は、戦争の主な二つの目的、つまりハマスの打倒と約6カ月前に連れ去られ、人質に取られたままの130人(うち30人余りは既に死亡したとみられる)の解放のどちらを優先するかを巡り、意見が対立している。

 それは、世界中でも同様のことが言える。

 多くの人々は目的が今のままでは達成できないと考えている。
 人質の多くを力ずくで解放することはできないし、ハマス側は人質解放のためには、ハマスの存続をイスラエルが容認すべきだと要求しているからだと、ドブリーバー氏。

 交渉では、先ずは最長6週間の停戦と、イスラエル人の人質40人の解放を目指している。解放されるのは女性(兵士を含む)、子ども、高齢者と病人が含まれる。ハマスはイスラエルが何千人ものパレスチナ人の囚人を解放することを求めている。この中には死者を出したテロリストだとイスラエルが考えている人物も含まれる。ハマスはまた、イスラエル史上最悪の攻撃を計画・実行したにもかかわらず、ガザの支配を自らが継続することについてイスラエルに合意を求めている。米国はハマスをテロ組織に指定している。

 交渉では、最長6週間の停戦と、イスラエル人の人質40人の解放を目指している。解放されるのは女性(兵士を含む)、子ども、高齢者と病人が含まれる。ハマスはイスラエルが何千人ものパレスチナ人の囚人を解放することを求めている。この中には死者を出したテロリストだとイスラエルが考えている人物も含まれる。ハマスはまた、イスラエル史上最悪の攻撃を計画・実行したにもかかわらず、ガザの支配を自らが継続することについてイスラエルに合意を求めている。米国はハマスをテロ組織に指定している。

 最終的な合意は、イスラエルの戦時内閣の承認を得なければならない。その内閣には、人質解放をもたらす停戦の代償が高くつきかねないと主張する極右の政治家も含まれている。
 
 シンクタンク、イスラエル民主主義研究所(IDI)が1月に実施した、この問題を巡る最新の世論調査によると、回答した同国のユダヤ人のうち47%が人質解放を優先すべきだと考えている一方で、42%はハマスの壊滅を第1目標にすべきだとしている。
 こうした分断は、イデオロギーの違いとほぼ一致している。同世論調査によれば、人質解放の優先を主張しているのは主に、選挙で左派や中道の政党に投票してきた人々であり、ハマス壊滅を優先すべきだと主張しているのは、右派や宗教政党の支持者だと、ドブリーバー氏。

 ガザとの境界に近いスデロットは、何年も前からハマスのロケット弾攻撃を受け、10月7日に奇襲攻撃を受けた。
 WSJが取材した住民のほとんどが右派で、ハマスとの交渉に反対する人が多かったのだそうです。

 合意枠組みに反対するイスラエル人は、ハマスによって拉致された兵士ギラド・シャリート氏との交換で、パレスチナ人の囚人(その多くはテロの罪で終身刑)1000人以上を釈放した2011年の取引を挙げることが多い。この取引で自由になった囚人の中には、ガザ地区のハマストップで、交渉を主導するヤヒヤ・シンワル氏も含まれていた。同氏は10月7日の攻撃の首謀者の一人。

 今回の戦闘の口火は、ハマスのスラエルへの国境を越えた進入による殺戮と人質の拉致。それに対する、イスラエルの人質奪還と、テロ組織ハマスの撲滅の反抗と自国の安全保障の確保。
 日本や世界のメディアの論調では、イスラエルの反抗を非人道的と非難する声が多数。
 現状を招いたのには、キリスト教の聖書の記述まで遡る長い歴史や、世界大戦時のヒトラーによる人種迫害などの長い歴史上の経緯を遡らねば語れないのでしょうが、少なくとも喧嘩両成敗。

 一般市民を盾にして、市民生活の中に潜伏するテロ行為のハマスに対し、ハマスを攻撃人質を奪還する戦闘に、「非人道的行為」との世論を沸かせるハマスの保身戦術に世界の世論が嵌められている様に見えるのは、遊爺だけなのでしょうか。
 繰り返しますが、喧嘩両成敗が大岡裁判の王道。
 人質(イスラエルから略奪した人々と、盾に利用されているガザ地区の一般市民)の解放と、戦火の終焉を願います。



 # 冒頭の画像は、米連邦議会議事堂で2月、たとえ息子が解放されたとしても、ハマスの存続を容認する停戦は支持できないと話すモルさん夫妻。
 


  ホソバテンジクメギ


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遊爺さんの写真素材 - PIXTA

  



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