遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米 国家安全保障戦略 中国とロシアを国際社会の秩序を揺るがす「現状変更勢力」と位置づけ

2017-12-20 23:58:58 | 米国 全般
 トランプ米大統領が18日に発表した国家安全保障戦略は、中国とロシアを国際社会の秩序を揺るがす「現状変更勢力」と位置づけ、両国が「世界を米国の価値観や利益と正反対に形づくろうとしている」と強い警戒感を表明したのだそうです。
 対立姿勢を示したり、接近発言をしたりで軸が定まらないのか、外交交渉術なのか、揺れるように見えているトランプ大統領ですが、ようやく政権の方針が示されました。

 力での現状変更を進める中露に対する警戒感と同時に、協力関係を構築し課題に対処する方向も示しています。
 

米安保戦略 対中 警告と配慮、対露 警戒と協力 (12/20 産経)

 トランプ米大統領が18日に発表した国家安全保障戦略は、中国とロシアを国際社会の秩序を揺るがす「現状変更勢力」と位置づけ、両国が「世界を米国の価値観や利益と正反対に形づくろうとしている」と強い警戒感を表明
した。しかし、北朝鮮の核問題やシリア情勢など中露と利害が絡み合う懸案が横たわる中、トランプ政権は確固とした中露政策を遂行できるのか。

■対中、「権威主義」強固に 北情勢へ貢献
 国家安全保障戦略は米中関係に関し、「歴代政権は中国を第二次大戦後の国際秩序に組み入れれば中国を自由主義化できると信じて政策を進めてきた」と指摘した上で、そのような希望とは裏腹に、中国が権威主義システムを一層強固にするとともに核戦力を含む軍備拡張を続けていると強調し、従来の対中政策は失敗だったとの認識を示した。

 特に、
「中国がインド太平洋地域で米国に取って代わることを目指している」と危機感を表明
。インド太平洋で現在起きているのは「世界秩序をめぐる『自由』または『抑圧的』な展望を持つ勢力による地政学的せめぎ合いだ」との認識を示した。
 その上で、
中国が同地域で経済的影響力や軍事的威迫によって周辺国を屈服させていると指摘南シナ海では軍事拠点の構築で自由で円滑な交易を危機に陥れ、他国の主権を脅かし、地域を不安定化させていると警告
した。

 ただ、こうした厳しい対中認識とは裏腹に
「中国とは引き続き協力を目指す」との立場を強調。中国による知的財産権の侵害や技術取得を目的とした米企業の買収などを問題視したものの、具体的にどう対抗していくかについては明確な指針は打ち出されなかった

 トランプ政権高官が「中国に対しては、北朝鮮の核放棄を促す外交・経済圧力でさらなる貢献を要請していく立場にある」と指摘するように、米政権は
当面、北朝鮮情勢をにらんで中国への配慮姿勢を維持していく
公算が大きい。(ワシントン 黒瀬悦成)

■対露、サイバー攻撃 テロ対策に不可欠
 国家安全保障戦略は、
ロシアが「大国の地位」を取り戻し、米国の影響力を弱めて同盟国との間にくさびを打ち込もうとしているとして強い警戒感を表明した。サイバー攻撃やフェイク(偽)ニュースの流布で米国など各国の政治に干渉しているとも指摘
した。
 ただ、トランプ大統領は
テロ対策や中東問題でのロシアの影響力を重視し、警戒しながらもプーチン大統領との協力を模索する


 新戦略は、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)を脅威とみなして核戦力を含む軍備への投資を続け、サイバー空間での他国への干渉と組み合わせてユーラシア大陸を不安定化させていると断じ、
「ロシアの判断ミスによる紛争の危険性が高まっている」と警告
した。

 こうした現状認識を基に、新戦略は欧州のNATO諸国とともにジョージアやウクライナで国家主権を尊重しないロシアに対抗する決意を表明すると同時に、NATO加盟国に国防費の増加を求めた。
 トランプ氏は18日の記者会見で
ロシアが中国とともに「米国の影響力、価値観、富に挑戦しようとしている」と
述べた。

 しかし、シリア和平ではアサド政権へのロシアの影響力は無視できない。テロ対策や北朝鮮問題でもロシアの協力は不可欠だ。
 そのため、トランプ氏は記者会見で17日のプーチン氏との電話会談で米国が提供したテロ情報に謝意を伝えられたことを挙げ、「素晴らしいことだ」と述べた。(ワシントン 加納宏幸)


 中国については、「インド太平洋地域で米国に取って代わることを目指している」と危機感を表明。南シナ海では軍事拠点の構築で自由で円滑な交易を危機に陥れ、他国の主権を脅かし、地域を不安定化させていると警告しているのです。
 こうした厳しい対中認識を持っていることは、オバマ政権二期目同様に、パンダハガー勢力の台頭がみられる昨今の状況に、歯止めがかかっていると伺えます。
 一方、対北朝鮮対応では、「中国とは引き続き協力を目指す」とし、中国への配慮姿勢を維持していく様子です。

 「国家安全保障戦略」だからでしょうか、経済(対中貿易等)関連での姿勢は、さきの中国訪問では、訪問直前までの赤字貿易解消を迫る姿勢が歓待とおみやげで変化したパンダハガーぶりが目立ちましたが、今後どう変化するのでしょう。

 対露関係は、ロシアゲートで国内が揺れる中、双方が厳しい対立姿勢を示しています。
 ロシアが、米国の同盟国との間にくさびを打ち込もうとしているとして強い警戒感を表明。また、サイバー攻撃やフェイクニュースの流布で米国や他の国々の政治に干渉していると警戒を強めていると。
 ただ、プーチン大統領が、米国が提供したテロ情報に謝意を示し、相互にテロ情報の交換を続けるとしたように、プーチン大統領との協力を模索する姿勢も見られます。

 トランプ大統領は、18日の記者会見でロシアが中国とともに「米国の影響力、価値観、富に挑戦しようとしている」と述べたのだそうですが、現状認識が深まった証として歓迎できる姿勢です。
 他方、北朝鮮対応などでは中露の協力が不可欠で、接近も欠かせない。大人の地に足がついた関係構築が出来るのか。間もなく1年が経過するトランプ政権。体制と方針の確立が求められます。

 国益を追求するなかで、厳しく突っ込むところは突込み、強調するところは強調して課題解決にあたる。概ね当然の内容といえ、不透明だったトランプ政権の方針が見えてきたと言えますが、ティラーソン国務長官の去就が不安定なのは気がかりですね。

 中露への警戒については、当然、中露が反発しています。
 米安保戦略 「強国」名指しに中露反発 (産経新聞) - Yahoo!ニュース



 # 冒頭の画像は、国家安全保障戦略を発表するトランプ大統領




  ギョウジャニンニクの花


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月19日(火)のつぶやき | トップ | 12月20日(水)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

米国 全般」カテゴリの最新記事