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玄葉氏の「外交基本方針の所信表明演説」での竹島に関する発言について書きましたが、北方領土については早速、露・ラブロフ外相が来日し会談する実践の場が到来しています。玄葉氏は就任直後、北方領土について竹島と並び「法的根拠がない形で占拠、支配されている。受け入れられないものは受け入れられないとはっきり言うことだ」と語っていたのですが、メドベージェフ大統領の訪問以後政府要人が頻繁に訪れ実効支配の実績強化を進めている現象に対して、「受け入れられないとはっきり言うこと」が、出来るのでしょうか。
言うことと行動が一致する信頼できる外相なのか、内弁慶の口先だけでいざ本番となると変わるのか、早くも証明される時が来ましたね。
日露外相あす会談 北方領土「不法占拠」言及しない民主 配慮外交、足元見られ (1/27 産経)
ロシアのラブロフ外相が28日に来日し、玄葉光一郎外相と会談する。北方領土問題も話し合われるが進展は望めそうもない。民主党政権の歴代外相は北方領土について「不法占拠」という表現を避けるなど配慮を重ねてきた。だが、融和政策は何の効果も生まず、かえってロシア側からくみしやすしと足元を見られる始末だ。
◆HPには明記
外務省のホームページは「ロシアによる不法占拠が続いている」と明記しており、不法占拠は日本政府の公式見解だ。ところが、民主党政権はなぜかこの言葉を使いたがらない。
「(ロシアによる)北方四島の占拠は国際法上、根拠のないものだ」
玄葉氏は25日の記者会見でこう語ったが、「不法占拠」とはやはり言わなかった。しかも、理由を尋ねられると「言葉の違いで法的な立場が変わるわけではない。どのような表現を使うかはその時々の政策判断だ」と言葉を濁した。
「(ロシアと)見解が異なるのはやむを得ない」
平成21年10月には当時外相の岡田克也副総理が北方領土問題についてこう述べた。
前原誠司政調会長の場合は、沖縄・北方担当相当時の21年10月に「終戦のどさくさに紛れて(旧ソ連が)不法占拠した」と断言したものの、22年9月に外相に就任すると「不法占拠」という表現を封印した。メドベージェフ大統領が露首脳として初めて北方領土の国後島を訪問したのはその2カ月後だ。
◆続く強硬姿勢
ロシアは、その後も強硬姿勢を続けた。23年5月にはイワノフ副首相が択捉島を訪問。玄葉氏が同年9月2日に就任すると、8日に空軍爆撃機2機が日本列島を周回飛行、9日には海軍艦艇24隻が北海道と樺太の間の宗谷海峡を通過した。11日にはパトルシェフ安全保障会議書記が国後島と歯舞群島の水晶島を訪問した。
玄葉氏は就任直後の5日の報道各社のインタビューでは、北方領土について竹島と並び「法的根拠がない形で占拠、支配されている。受け入れられないものは受け入れられないとはっきり言うことだ」と語った。8日から11日までの挑発行為は、玄葉発言への「対抗措置」の可能性がある。
その後、ロシア側は玄葉氏の対応をどう見ているのか。ロシア国営ラジオ「ロシアの声」は今月17日、ロシア科学アカデミー極東研究所のワレリー・キスタノフ日本研究センター所長のこんな見解を伝えた。
「玄葉氏は感情的な発言を避けている。日本はこの先も返還を求めていくだろうが、落ち着いた雰囲気の中で行おうという志向が見られる」
この分析を裏付けるように玄葉氏は25日の記者会見で「相手国との関係を考慮して言葉を使っている」「あらゆる分野で日露協力関係を進展させるのが基本的な考え方だ」と述べるなど、就任時の発言からトーンダウンしている。
ロシアにしてみれば初めから及び腰の日本は御しやすい相手だろう。(坂井広志)
日露外相あす会談 対ロシア交渉術知らぬ 作家・佐藤優氏
玄葉光一郎外相は25日の記者会見で「政府の立場は一貫している」と語ったが、それなら「不法占拠されている」と正面から言えばよい。原理原則、基本的立場があるから、それ以外のところで妥協ができ、ロシアは日本を信頼してくる。言葉のレトリックでごまかそうとしており、ロシアとの交渉術を知らない。
玄葉氏が反省しなければならないのは、昨年9月2日の就任会見で「いわゆる平和条約を締結する」と語ったことだ。「いわゆる」というのは「平和条約ではない」ということになる。平和条約締結とは、領土問題の解決のことだ。この発言で「四島返還でなくてもよい」というシグナルを送ってしまった。
国家の根本である領土を何と捉えているのか。玄葉氏は「愛国バネ」を働かせないと、ロシアに「(本心を隠して)不誠実だ」と思われ、複雑な問題が一層複雑になる。(談)
ロシアのラブロフ外相が28日に来日し、玄葉光一郎外相と会談する。北方領土問題も話し合われるが進展は望めそうもない。民主党政権の歴代外相は北方領土について「不法占拠」という表現を避けるなど配慮を重ねてきた。だが、融和政策は何の効果も生まず、かえってロシア側からくみしやすしと足元を見られる始末だ。
◆HPには明記
外務省のホームページは「ロシアによる不法占拠が続いている」と明記しており、不法占拠は日本政府の公式見解だ。ところが、民主党政権はなぜかこの言葉を使いたがらない。
「(ロシアによる)北方四島の占拠は国際法上、根拠のないものだ」
玄葉氏は25日の記者会見でこう語ったが、「不法占拠」とはやはり言わなかった。しかも、理由を尋ねられると「言葉の違いで法的な立場が変わるわけではない。どのような表現を使うかはその時々の政策判断だ」と言葉を濁した。
「(ロシアと)見解が異なるのはやむを得ない」
平成21年10月には当時外相の岡田克也副総理が北方領土問題についてこう述べた。
前原誠司政調会長の場合は、沖縄・北方担当相当時の21年10月に「終戦のどさくさに紛れて(旧ソ連が)不法占拠した」と断言したものの、22年9月に外相に就任すると「不法占拠」という表現を封印した。メドベージェフ大統領が露首脳として初めて北方領土の国後島を訪問したのはその2カ月後だ。
◆続く強硬姿勢
ロシアは、その後も強硬姿勢を続けた。23年5月にはイワノフ副首相が択捉島を訪問。玄葉氏が同年9月2日に就任すると、8日に空軍爆撃機2機が日本列島を周回飛行、9日には海軍艦艇24隻が北海道と樺太の間の宗谷海峡を通過した。11日にはパトルシェフ安全保障会議書記が国後島と歯舞群島の水晶島を訪問した。
玄葉氏は就任直後の5日の報道各社のインタビューでは、北方領土について竹島と並び「法的根拠がない形で占拠、支配されている。受け入れられないものは受け入れられないとはっきり言うことだ」と語った。8日から11日までの挑発行為は、玄葉発言への「対抗措置」の可能性がある。
その後、ロシア側は玄葉氏の対応をどう見ているのか。ロシア国営ラジオ「ロシアの声」は今月17日、ロシア科学アカデミー極東研究所のワレリー・キスタノフ日本研究センター所長のこんな見解を伝えた。
「玄葉氏は感情的な発言を避けている。日本はこの先も返還を求めていくだろうが、落ち着いた雰囲気の中で行おうという志向が見られる」
この分析を裏付けるように玄葉氏は25日の記者会見で「相手国との関係を考慮して言葉を使っている」「あらゆる分野で日露協力関係を進展させるのが基本的な考え方だ」と述べるなど、就任時の発言からトーンダウンしている。
ロシアにしてみれば初めから及び腰の日本は御しやすい相手だろう。(坂井広志)
日露外相あす会談 対ロシア交渉術知らぬ 作家・佐藤優氏
玄葉光一郎外相は25日の記者会見で「政府の立場は一貫している」と語ったが、それなら「不法占拠されている」と正面から言えばよい。原理原則、基本的立場があるから、それ以外のところで妥協ができ、ロシアは日本を信頼してくる。言葉のレトリックでごまかそうとしており、ロシアとの交渉術を知らない。
玄葉氏が反省しなければならないのは、昨年9月2日の就任会見で「いわゆる平和条約を締結する」と語ったことだ。「いわゆる」というのは「平和条約ではない」ということになる。平和条約締結とは、領土問題の解決のことだ。この発言で「四島返還でなくてもよい」というシグナルを送ってしまった。
国家の根本である領土を何と捉えているのか。玄葉氏は「愛国バネ」を働かせないと、ロシアに「(本心を隠して)不誠実だ」と思われ、複雑な問題が一層複雑になる。(談)
玄葉・ラブロフ両外相は、今回が初めてと言うことではなく、昨年9月に国連総会で訪米した際、ニューヨークで会談し、「北方領土問題について法と正義を重視して静かな環境で議論を継続していくことで一致」していたのでした。
しかし、玄葉氏は、国会での外交所信演説後の25日の記者会見で、「(ロシアによる)北方四島の占拠は国際法上、根拠がない。その点、日露両国の立場は大きく隔たりがあるが、一日も早い解決に向けてラブロフ氏としっかり議論したい」と述べていました。
「不法占拠」の言葉は使用しませんでしたが、「北方四島の占拠は国際法上、根拠がない。」と言っているのですから、今回の会談時にも、その表現でもしっかり発言していただきたいものです。そして、受け入れられないことははっきり言うとのことですから、実効支配の拡大行動にも受け入れられないと釘をさしていただかねばなりません。
ラブロフ氏がこの時期、ロシアのどのような国益のために来日するのか、当然日本政府は理解し戦略・戦術は練られていなくてはなりませんが、遊爺が飽きるほど唱えている方向と逆の方向に進まないか心配しています。
ラヴロフ外相 読売記者の領土問題の質問に答える: The Voice of Russia
来日の目的は、北方領土問題の解決の為でも、平和条約の締結促進てもありません。
世界が注目するアジア市場への進出への足掛かり構築であり、中国とその包囲網を形成する米国とアジア・太平洋諸国の経済と安全保障の対峙にロシアも参入することの切り口を開くためです。
直近の課題としては、主力ガス田の枯渇に伴い、極東や北極圏のガス田開発を行い、欧州で脱露が進み販路が狭まるガス販売の販売先を、アジアに転換せざるをえず、そのセールスや設備開発投資の募集が目的です。かねて中国や韓国とも競らせようとして募集している、北方領土を含む極東の経済開発関連の募集も含まれます。日本が応募しないから中国・韓国を入れるとの脅し付きですね。
これに、ホイホイと飛びつきそうなのが日本の産業界と政府。サハリン1, 2の開発で成果を横取りされ苦汁を飲まされたのを忘れたのか、古くは終戦のドサクサで北方領土を不法占拠されたのを忘れたのか、西欧諸国がエネルギー安全保障の為ロシア依存から撤退しているのが見えないのか、目先の自分の利益を追及するのに精いっぱいの様子です。
地下資源の販売の好利益で経済の復活をなしとげているロシア。資源の枯渇、開発コストの上昇、ガスの価格低迷予測、欧州の脱露の流れで窮しているのです。本来なら、頭を下げて開発の協力依頼と購入の依頼に来るべきところに局面は変わろうとしているのです。
つまり、北方領土返還交渉の期は、間近に近づいてきているのです。
ロシアの天然ガス 日本企業もロシアも勘違いしている - 遊爺雑記帳
ですから、玄葉氏は北方領土の不法占拠に触れ、実効支配拡大の行動に受け入れられないと釘を刺し、ガスの購入や、販売施設開発投資にも平和条約締結と連動させる交渉が可能な環境にあることを、会談の戦術に組み入れ、堂々と正面から対等か、むしろ買ってあげる、投資をして助けてあげるといった余裕を持った姿勢で臨んでいいんです。
去年の北方領土の日に、菅がメドベージェフ大統領の国後島訪問を「許し難い暴挙」と強く批判しながらラブロフ氏に一喝されしぼんでしまった轍を踏むことがない様、発言は貫くことがロシアには必要なのです。
# 冒頭の画像は、露・ラブロフ外相
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この花の名前は、シレネユニフローラ 撮影場所=六甲高山植物園
↓よろしかったら、お願いします。
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