遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日本企業のアジア向け投資 チャイナプラスワンが顕著に

2012-11-20 23:02:37 | EEZ 全般

 尖閣国有化を巡る日本企業を襲撃する暴動や、日本製品の不買運動、中国政府の反日圧力強化等のチャイナリスクが顕在化しました。
 欧米各国からの中国への投資が減少するなか、ひとり日本だけが投資の増加を堅持していたのですが、9月の暴動をうけ、10月の投資額は約3割(前年同月比)減少に転じたのだそうです。
 一方、中国以外の国々への投資額は増え続けているのだとか。
 チャイナリスクに対する、チャイナブラスワン or 脱中国が唱えられていましたが、9月の勃発に対する10月の早速の日本企業の行動には脱帽です。こんなに素早く動けるなんて、かねて人件費高騰やストなどが起き始めていて、検討されていたのでしょうね。

 
日本の対中投資32%減 10月、反日デモで急ブレーキ  :日本経済新聞

 【北京=森安健】中国商務省は20日、10月の日本から中国への直接投資額(実行ベース)が前年同月比32.4%減少し、4億5900万ドル(約370億円)だったと発表した。9月単月は25%増だった。1~10月の累計は前年同期比10.9%増の60億8千万ドル(約4900億円)となり、1~9月の同17%増から伸び率が鈍化した。
 沖縄県・尖閣諸島を巡る日中対立は9月半ばに本格化し、反日デモや日系企業の襲撃などが相次いだ。
日本企業が中国に生産拠点を設ける動きにブレーキがかかっている
様子がうかがえる。
 10月の日本を含む
世界から中国への直接投資総額は前年同月比0.2%減の83億1千万ドル。日本は落ち込んだものの、米国の大型案件があった。世界的な景気先行きの不透明感や中国の人件費の上昇などが響き、5カ月連続で前年実績を下回った。1~10月累計は前年同期比3.5%減
の917億4千万ドルだった。
 昨年3月の東日本大震災以降、部品などサプライチェーンの寸断を受け、日本企業が中国に生産拠点を移す動きが活発になった。米欧などの対中投資手控えが続く状況で、欧州債務危機の懸念が広がった8月を除いて日本からは総じて高水準を維持していた。
 だが、9月半ば以降の大規模な反日デモや工場への放火に加え、日本製品の不買運動も拡大。
日本企業が東南アジアなどに投資先を移す動きが加速しているようだ。

 日本勢、ASEAN投資再加速 中国からリスク分散  :日本経済新聞

 ASEANへの投資内容は、かつて 欧米向け輸出用の工場が主体だったものが、各国の消費市場の急成長に伴い、自動車から生活用品まで、更に、小売りや外食産業にまで多岐にわたっているのですね。

 昨年11月にインドネシア・バリで開催されたEASでは越米が主導した中国包囲網が形成されましたが、今年のカンボジアでの会議では、中国が札束外交でASEAN分断作戦を展開した効果で、その典型のカンボジアが議長国でもあり、南シナ海の「行動規範」制定先送りなど反攻が顕著です。

 オバマ大統領は、タイ、ミヤンマー、カンボジア(会議開催国)を歴訪し、中国依存の強い国々への中国剥がし外交を展開しています。
 野田首相は、ミヤンマーへの500億円規模の円借款を表明したそうですが、中国の支援投資が現地への経済効果が薄い不満が世界中で募っているなか、日本の民間企業の中国以外のアジア進出へ、直接・間接の支援をし、官民一体での対中経済戦争に臨んでいただきたいものです。
 中国の札束外交に、米や日本が単独で対抗するのは大変ですが、日米が歩調を合わせ(よきライバルとして)諸国に投資することで、中国の陰を薄め、ひいては中国も頼りにしているアジア向け輸出に独壇を許さない包囲網強化を進める効果を期待します。

 日本経済の好転には、中国以外のアジア市場の活力と連携することが一番です。米国も、中国も、欧州各国も皆がそう思い行動しているのですが、アジアの日本に最大のチャンスがあるのですから、新政府には金融政策もさることながら、実態経済政策に期待します。


 日中韓FTAのニュースが流れています。
 日中韓、FTA交渉開始へ=来年早期に初会合―貿易担当相が合意 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com

 しかし、閣僚級での発表に留まっていて、中韓の対日認識はとても積極的に進めようと考えているとは思えません。

 韓国は、かねてより中韓の交渉を先行させようとしていました。
 FTAは中韓優先 「日本は後から入ればいい」と韓国大統領 - MSN産経ニュース

 今回、野田首相と言葉も交わさなかった、温家宝氏と李明博氏は二人でこっそり陰口のたたきっこをしていますね。
 右傾化・軍国主義…中韓、首脳会談で日本批判 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 あくまでも中国による、日米韓の分断作戦が狙いの交渉開始です。日本はしっかり見極めて、慎重な対応が必要です。TPP交渉で対米牽制カードになどと姑息な考えは捨てるべきです。



 # 冒頭の画像は、カンボジアでの日米首脳会談。野田氏は、FTA参加表明はしませんでしたね。




  この花の名前は、エリンギウム・プラヌム (松笠薊)

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