遊爺雑記帳

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米国の次期大統領選に、バイデン、トランプの両氏が出馬意向を示しているが?

2022-11-24 01:33:55 | 米国 全般
 米中間選挙は、下院の多数派を共和党が辛うじて奪還した一方、上院は民主党が多数派を維持。全米50州の知事の勢力図は現時点で民主党24、共和党25となっています。
 大統領選は州単位で投開票や集計が行われ、州知事に選挙システムを決める裁量があるため、州知事を押さえておくことは大統領選に向けても重要だと、ルトワック氏。
 そして、2年後の大統領選に向け、早くもトランプ氏は出馬意向表明。本来は、中間選挙を大勝して表明の予定が狂ったのですが。
 そして、バイデン大統領(80)も、中間選挙の結果を受けて再選への決意を前にも増して強めているのだそうです。
 
【世界を解く-E・ルトワック】米国、現・大統領の再選阻む壁 - 産経ニュース 2022/11/23 黒瀬 悦成

バイデン米政権と中間選挙

米中間選挙は、下院の多数派を共和党が辛うじて奪還した一方、上院は民主党が多数派を維持した。州知事選は、民主党の新人が西部アリゾナと東部メリーランド、マサチューセッツの3州で当選する一方、西部ネバダ州で共和党の新人が民主党の現職を下した。全米50州の知事の勢力図は現時点で民主党24、共和党25となる

中間選挙では、大統領の与党が敗北するのが通例だが、民主党は上院選と知事選で大健闘したといえる。大統領選は州単位で投開票や集計が行われ、州知事に選挙システムを決める裁量があるため、州知事を押さえておくことは大統領選に向けても重要だ。

問題は、中間選挙の結果を受けて米国の外交政策に影響があるかどうかだ

まず、
対中国政策については超党派の合意があり、変わることはないウクライナ政策も、共和党も一部の議員を除いてウクライナ支援を支持しており、大した変化はないだろう

財政政策に関しては、連邦準備制度理事会(FRB)が「財政支出を増やすのなら利上げする」とのメッセージを発しており、拡大路線をとることはないと思われる。

下院の結果を受けて、
議会における経済政策の主導権は民主党から共和党に移った民主党は今後、インフレ対策などと称して巨額の歳出法案を通すことは難しくなった

共和党としては、気候変動やエネルギーといった重要政策を転換させたいところだが、本質的な政策変更はホワイトハウスを奪還しない限りは無理だ。ましてや上院を制することができなかった現状では、選択肢は限られている

それでも、民主党が進めようとしている人工妊娠中絶の権利拡大や、学校現場での急進左派的な課程の導入は阻止できるだろう

米国では、小学5年生からの性教育を幼稚園に引き下げ、LGBT(性的少数者)についても積極的に学ばせるべきだとする主張を過激な左派勢力が展開する一方、保守派がこうした動きに強く反発している。

宗教や教育、性といった社会的価値観が異なる勢力が妥協することなく対立する「文化戦争」は激しさを増していくことだろう

今回の中間選挙は、政策論争もさることながら、2024年の大統領選の前哨戦としても注目された

民主党の
バイデン大統領(80)は中間選挙の結果を受けて再選への決意を前にも増して強めた。20年の前回大統領選で下した共和党のトランプ前大統領(76)が今月、早々と再選出馬を表明したことも、バイデン氏を出馬に傾かせたと思われる。

バイデン氏の再選出馬を阻むものがあるとすれば、「高齢で判断力が低下している」などの健康不安説が高まることだ

現時点では仮定の話に過ぎないが、万が一バイデン氏の健康状態が深刻化したにもかかわらず同氏が退任を拒否した場合、大統領を頂点とする核戦争のための「国家指揮権限」を維持する観点から、トランプ氏の在任中に取り沙汰された、合衆国憲法修正25条(職務が遂行できなくなった大統領の権限停止)の適用論が浮上する可能性もある。

バイデン氏を補佐し、
バイデン氏が職務遂行不能になった場合に後釜となるハリス副大統領(58)についても、民主党の内外でその資質が疑問視されている

一方、
トランプ氏については、私の見立てでは共和党内で同氏を真剣に支持している人は、せいぜい全体の2割程度だ。圧倒的多数は本音では反トランプだ。世界の多くの国では、米国政治におけるトランプ氏の重要性を誇張して報道する傾向がある。確かに騒がしい人物だが、支持は一定以上には広がっていない

中間選挙で共和党が伸び悩んだのは「トランプ氏のせいだ」という批判も党内で高まっており、本人の思惑通り大統領選の本選候補になれるとはかぎらない

日本としては、1期目の残り2年間の任期におけるバイデン氏の対中政策を注視していく必要がある

安倍晋三元首相は生前、「台湾有事は日本有事だ」と述べていた。
岸田文雄首相も今年5月のバイデン氏との首脳会談で、「防衛力の抜本的な強化」と「防衛費の相当な増額を確保する決意」を表明した。

バイデン氏は米大統領として、台湾に対する安全保障上の義務を初めて明言した日米政府は今後、台湾有事に際して日本が具体的に何ができるのか、何ができないのかを定義するための協議に入る。これは極めて重要な話し合いとなるはずだ

(聞き手 黒瀬悦成)

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エドワード・ルトワック 米歴史学者。米国家安全保障会議(NSC)などでコンサルタントを務め、現在は政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)上級顧問。安倍晋三元首相に戦略に関して提言していた。1942年生まれ。


 問題は、中間選挙の結果を受けて米国の外交政策に影響があるかどうかだと、ルトワック氏。
 対中国政策については超党派の合意があり、変わることはない。ウクライナ政策も、共和党も一部の議員を除いてウクライナ支援を支持しており、大した変化はないだろうと。

 下院の結果を受けて、議会における経済政策の主導権は民主党から共和党に移った。民主党は今後、インフレ対策などと称して巨額の歳出法案を通すことは難しくなった。

 共和党としては、気候変動やエネルギーといった重要政策を転換させたいところだが、本質的な政策変更はホワイトハウスを奪還しない限りは無理だ。ましてや上院を制することができなかった現状では、選択肢は限られている。
 それでも、民主党が進めようとしている人工妊娠中絶の権利拡大や、学校現場での急進左派的な課程の導入は阻止できるだろうと。
 
 宗教や教育、性といった社会的価値観が異なる勢力が妥協することなく対立する「文化戦争」は激しさを増していくことだろうと。

 バイデン氏の再選出馬を阻むものがあるとすれば、「高齢で判断力が低下している」などの健康不安説が高まることだとハリス氏。
 
 ハリス副大統領(58)については、バイデン政権誕生時には、高齢のバイデン氏の後継の声が聞こえていましたが、民主党の内外でその資質が疑問視されているのだそうです。
 
 トランプ氏については、共和党内で同氏を真剣に支持している人は、せいぜい全体の2割程度だと、ルトワック氏。
 中間選挙で共和党が伸び悩んだのは「トランプ氏のせいだ」という批判も党内で高まっており、本人の思惑通り大統領選の本選候補になれるとはかぎらないとも。

 世界の多くの国では、米国政治におけるトランプ氏の重要性を誇張して報道する傾向がある。確かに騒がしい人物だが、支持は一定以上には広がっていないと、ルトワック氏。

 う~ん。この点は、素人の遊爺とすれば、ディールに優れたトランプ氏。
 オバマ政権(=バイデン副大統領時)に、南シナ海での習近平の不法な人工島建設で領海拡大する行為に、ハリス太平洋軍司令官が対抗策の検討を建議したことに対し、自らが会談し抑えるとしましたが、会談結果は、太平洋二分割支配の習近平に逆襲されましたね。
 その後、トランプ氏が就任時の夕食会のデザートタイム時に、習近平氏に、巡航ミサイル「トマホーク」59発をシリアに発射する命令を出したことを伝え、習近平は固まったエピゾドが有名ですが、北朝鮮の金正恩との会談もして中国の影響力に水をさすなど、常に主導権を持っていましたね。
 ロシアのウクライナ侵攻も、トランプ氏が大統領だったら、踏み切ったかどうか?
 たられば話は、済んだ過去のむなしい話。

 中間選挙で共和党が伸び悩んだのは「トランプ氏のせいだ」という批判も党内で高まっており、本人の思惑通り大統領選の本選候補になれるとはかぎらないと、ルトワック氏。
 日本としては、1期目の残り 2年間の任期におけるバイデン氏の対中政策を注視していく必要があるとも。
 
 安倍元首相は生前、「台湾有事は日本有事だ」と述べていた。岸田文雄首相も今年 5月のバイデン氏との首脳会談で、「防衛力の抜本的な強化」と「防衛費の相当な増額を確保する決意」を表明した。
 バイデン氏は米大統領として、台湾に対する安全保障上の義務を初めて明言した。日米政府は今後、台湾有事に際して日本が具体的に何ができるのか、何ができないのかを定義するための協議に入る。これは極めて重要な話し合いとなるはずだと、ルトワック氏。

 岸田内閣は、G7でも、防衛費を増額(GDP比 2%)を公言していました。
 首相、G7で防衛費増額を表明 | ロイター

 バイデン氏は米大統領として、台湾に対する安全保障上の義務を初めて明言した。日米政府は今後、台湾有事に際して日本が具体的に何ができるのか、何ができないのか!

 防衛費増額については現在詰めの仕上げ中で、財務省の操り人形かとまごう、予算科目の変更での水増しや、財源としての増税が行われようとしていますね。
 飯田浩司のOK! Cozy up! | ニッポン放送 ラジオAM1242+FM93 
 「ポッドキャストを聴く」のコーナー
 2022年11月23日(水)コメンテーター:高橋洋一

 安倍氏亡き後の岸田政権。「けんとうし」の正体露呈し始め、支持率下落一途です。
 バイデン氏が、北京五輪開催に対し「外交的ボイコット」を自由主義陣営各国に呼びかけましたが、安倍氏や自民党有志議員に素早い回答を督促される程に米中の二股外交で逡巡した岸田氏。バイデン氏との面談を暫く保留され、オンライン面談に格下げされてしまいました。

 激動の世界情勢の中。岸田内閣で日本は大丈夫なのでしょうか。



 # 冒頭の画像は、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」座長の佐々江賢一郎元駐米大使(左)から報告書を受け取る岸田文雄首相




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