遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

熊本地震 未だに不足する水や食料

2016-04-18 23:58:58 | 東日本大震災
 4月14日21時26分頃に発生した、熊本地方を震源とするマグニチュード6.5(暫定値)、最大震度7の地震で大きな被害を生じ、更に28時間後の4月16日1時25分頃に、マグニチュード7.3(暫定値)、最大震度6強の地震(こちらが本震とされた)が発生、以後も大きな揺れがつづいています。
 既につぶやいていましたが、14日の発生から、4日目を迎える18日になっても、熊本市内でさえ、給水所の水が不足し長蛇の列が絶えず、食糧も不足している状況が続いています。阪神淡路大震災、東日本大震災と続いた大震災でも、これだけ日時を経過しながら、都市の中心でさえも生活の基本の水と食料が不足していた記憶はありません。
 政府が避難者に食料が行き渡っていない状況に危機感を募らせており、食料や物資の供給をはじめとする被災者の生活支援に全力を挙げているとの記事がありましたが、過去の経験が活かされず、対策の的が外れてしかもスピード不足がありありとみられます。
 野党や、メディアは災害の真っただ中ということで、追及を控えているのでしょうが、お尻を叩いて被災者のご苦労を一刻も早く、少しでも多く取り除いてさしあげるべきでしょう。勿論、可能な支援も参加すべきです。
 

物資 供給に注力 政府 支援チーム発足 (4/18 読売 朝刊)

 
政府は、多くの避難者に食料が行き渡っていない状況に危機感を募らせており、食料や物資の供給をはじめとする被災者の生活支援に全力を挙げている。
 「
熊本県や周辺の県に物資を届けているが、そこからどこまで届けるかの詰めが混乱している

 菅官房長官は17日の記者会見で、支援物資が避難者に届いていない現状を明らかにした。
輸送網は至る所で寸断され、物資が避難所まで到達しない例も少なくない

 政府は、
米軍の輸送支援の受け入れを決めた。安倍首相は17日朝の段階では、
「直ちに米軍の支援が必要だという状況ではない」と慎重だったが、約2時間半後には「大変ありがたい申
し出」と一転して受け入れを表明した
。「輸送網の寸断などの状況を深刻に受け止めている表れ」(政府関係者)との見方が出ている。
 首相は
17日昼の非常災害対策本部会議で、「食料や水が近くの倉庫に届くだけでは役に立たない。被災者一人一人の手元に届かなければ意味がない」と述べ、全省庁で構成する「被災者生活支援チーム」の発足を発表した。その後、初会合を開き、18日にも現地に職員を派遣する方針を決めた。当面、各自治体に1~2人常駐
させる考えだ。
 政府は今回、支援物資を自治体の要請を待たずに輸送する「プッシュ型支援」を実施しており、国の判断で90万食を現地に送ることを決めた。
自治体の要請を待っていては対応が遅れる懸念があるためだ。政府は「市町村拠点搬入先連絡リスト」を作成し、支援物資が途中で滞らず、被災者の手元に届くための取り組み
にも着手した。
 また、政府は17日、自衛官OBの「即応予備自衛官」の招集も閣議決定した。中谷防衛相は地元出身者など最大約300人を生活支援に従事させる考えを示した。1997年の制度導入後、同自衛官の招集は東日本大震災以来、2度目となる。
 14日夜の最大震度7の地震以来、地震は頻発している。政府は「避難生活が長期化する可能性もある」(河野防災相)とみて、仮設住宅建設などの対策も急ぐ考えだ。

道路寸断 輸送に遅れ
 今回の地震では、熊本、大分両県を走る
高速道路が通行止めとなったほか、国道などの幹線道路も複数寸断されており、数少ない迂回路は激しく渋滞
し、被災地への食料などの輸送が滞っている。避難所に運ぶ物資の受け入れ拠点となっている施設で作業のスペースが足りず、配送に手間取るケースも出ている。
 
大分市の運送会社「九州物流」は16日の「本震」を受け、熊本県内の小売店などへの食料品の輸送を断念した。阿蘇山付近を通る国道57号が土砂崩れで通行止めとなったためで、同社の幹部は「迂回するには福岡まで出なければならないし、余震が続いているので運転手の安全上も不安
だ」と話す。
 
物流大手ヤマト運輸(東京)も16日以降、全国から熊本に向けた輸送を取りやめた
。鹿児島、大分両県などへの配送も通常より半日~1日程度遅れているが、「いつも通りの配送が、いつ可能になるかはわからない」(広報)とこぼした。
 一方、
熊本市内の避難所向けに送る支援物資の受け入れ拠点となっている陸上競技施設「うまかな・よかなスタジアム」(熊本市東区)では、屋根のある積み下ろしスペースがトラック1台分しかない。17日午後には、荷降ろしの順番を待つ大型トラック約10台が車列をつくり、高知県から食料や水を届けに来た50歳代の男性運転手は3時間以上待ったという。また、熊本県内では停電などのため休業するガソリンスタンドが続出している。

 あるテレビの番組では、屋外で避難している方々に対し、政府が夜の風雨に備え、屋内に避難するよう自治体に指示を出したのだそうです。これに対し、県知事が、屋内では地震の被害に遭うのが怖いからしかたなく屋外にいる。政府は現場の実情を理解していないと怒っておられると報じていました。
 これが、現状の全てを象徴しています。 阪神淡路大震災では、地方も政府も不慣れで、自衛隊が出動態勢を整えているのに、依頼が遅れるところから始まった、自治体や政府の対応遅れがありました。 しかし、1月17日午前5時46分に発生した後、21日に政府の現地対策本部の設置が閣議決定され、発生3日後に任命された、小里地震対策担当大臣と連携し、現地の情報集約、省庁の統制一本化、現地と政府の情報直結がなされました。
 
阪神・淡路大震災 その時被災地でー政府現地対策本部74日の活動
 阪神・淡路復興対策本部 - Wikipedia

 この、阪神淡路大震災の経験が、東北大震災時には、パフォーマンス好きのカンカラ菅によって活かされず、むしろ菅内閣が邪魔をする言動が顕著であったことは諸兄がご承知の通りです。
 但し、米軍による「ともだち作戦」で、物資や人員・機材輸送、孤立する被災者の捜索に大きな支援を得たことで、おおいに救われました。
 
「トモダチ作戦」で支えてくれている友達・米軍 - 遊爺雑記帳

 しかし、今回は、米軍が支援を申し出たのに躊躇し、被災者救済の手段をわざわざ遅らせてしまいました。記事では一度断った支援を受け入れることにしたのは、「輸送網の寸断などの状況を深刻に受け止めている表れ」と政府関係者が語ったとの事ですが、被災者の救援、現地の窮状の認識不足を露呈させた証です。
 17日に全省庁で構成する「被災者生活支援チーム」の発足を発表し、18日以降政府職員を、各自治体に1~2名常駐させるとのことです。

 駄目です。
 本人も被災している自治体の職員の方々。人手も経験を重ねてノウハウを持つ人材も不足するなか、中央からエキスパートを派遣・支援することは重要ですが、手足だけではせっかくの支援の目的は達成できません。情報を集めて一元化し、的確な指示情報を末端に迅速に流すシステムが要ります。それが、阪神淡路大震災時の、「政府現地対策本部」と「小里地震対策大臣」「官房長官」の情報管理システムです。
 河野特命担当大臣が、防災担当で小里地震対策大臣の役割を担うとすれば、政府の現地対策本部が各自治体の情報集約窓口として不可欠ですが、ありません。
 今回は、「プッシュ型支援」で、自治体の要請を待っていては対応が遅れるので、政府が90万食を現地に送ることを決めたとの事ですが、現地の様子も解らずやみくもに送っても、必要な物が必要とされる被災者に届かないことは明らかです。支援をしていますとのパフォーマンスだけです。政府は「市町村拠点搬入先連絡リスト」を作成し、支援物資が途中で滞らず、被災者の手元に届くための取り組みにも着手とのことですが、情報管理で、システム造りがなされなければ、いくら物を贈っても、被災者には、適切に届きません。普通の会社なら、誰でも知っている常識ですね。それには、政府の現地対策本部での機動力が不可欠です。

 安倍内閣は、当然過去の経験を活かして的確に動くと期待していましたが、いまだに基礎の水と食料が不足しているおそまつさ。河野大臣の担当能力不足なのかはよくわかりませんが、情報管理システムが出来ておらず、現場の状況が捉えられていないのが致命傷です。
 これでは、予測されている首都直下地震や、東南海震災時の対応が危惧されます。なによりも、避難所さえも狭くて困窮し、水と食料不足の基本に加えて、乳児用、婦人・老人用の必需品や医療品他多くの必要品に困窮している被災者の、一刻も早い救済改善が望まれます。

 政府は、日本通運やヤマト運輸など流通大手に協力を求め、輸送態勢を強化したとの報道があります。改善を期待しますが、必要とされるものが、必要としている人に届くには、手足の他に頭脳を備えたシステムが必要で、それには、日通やヤマトと言えど困難で、現地対策本部での情報流通管理が不可欠です。
 東北大震災では、「ともだち作戦」で、米軍のヘリと艦船の基地化と自衛隊の連携が、寸断された交通網の中で活躍しました。


 【熊本地震】緊急物資輸送受け入れ/電力・水道の復旧支援(18日17:00更新) | 日刊工業新聞 電子版

 # 冒頭の画像は、輸送支援を行う米軍のオスプレイから物資を運ぶ自衛隊員ら




  センボンヤリ


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