遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

グルジア 露の強気とねばりに欧米は沈黙?

2009-08-10 23:37:15 | EEZ 全般
 北京五輪開幕の日に、前日(8/7)深夜にグルジア軍が南オセチア自治州に進出したことに対し、ロシア軍がグルジア侵攻を開始して、一年が経ちました。
 素早く行動して、翌日(8/9)には北オセチア入りしたプーチン首相と、終焉間近でレームダック化していたブッシュ政府は、ふいを突かれて、大統領も北京から動くこともなく後手を踏んでしまいました。
 その後、欧米諸国はロシアを非難し、制裁もちらつかせ、石油・ガスの値下がりでロシア経済の先行きも懸念されることから、露の孤立した動きは静まると、当時は考えられました。
 ところがいま、ロシアは益々強気外交をひろめ、意気盛んな様なのです...。
 
グルジア 行き詰まる米 南オセチア合併 露が既成事実化 (8/9 読売朝刊)

 【ワシントンー1黒瀬悦成】ロシアのグルジア侵攻から8日で1年。両国間の緊張が再燃する中、グルジアの民主革命を支援してきた米国と、南オセチア自治州などのグルジアからの分離独立を進めたロシアは、米露関係そのものの「リセット」機運とは裏腹に、グルジア問題では妥協しない姿勢を鮮明にしている。だが、対露関係改善とグルジアとの同盟維持というジレンマを抱えるオバマ米政権は、ロシアによる事実上の南オセチア併合という現実を追認せざるを得ないのが実情だ。

 南オセチアとグルジアは7月末以降、互いに「迫撃砲で攻撃された」などと非難合戦を展開、露国防省が.今月1日、「南オセチア市民の保護」を理由にグルジアへの武力行使を警告する事態にまで発展した。
これを受け、オバマ米大統領とメドベージェフ露大統領が、4日の電話会談で協議したほか、フリード米国務次官補(欧州・ユーラシア担当)が6日、グルジアに飛び、ワシャゼ外相らと会談。次官補は、オバマ政権としてグルジア支持の立場を伝えつつ、南オセチアへの武力行使の自制を要請したとみられる。
 オバマ政権は、核軍縮交渉などを通じた米露関係の.発展を目指す一方、ロシアがグルジアを含む旧ソ連圏を自国の勢力圏と位置づけることを認めず、同盟国グルジアの北大西洋条約機構(NATO)加盟を後押ししている。オバマ大統領が7月6~8日にロシアを初訪問後、バイデン副大統領が7月下旬にグルジアを訪問したのも、こうした姿勢を念頭に政策上のバランスを取る狙いがある。
 しかし、副大統領はグルジア国会での演説で、「南オセチアとアブハジア自治共和国の再統合に向けて、軍事的選択肢は存在しない」と述べ、ロシアとの軍事衝突を避けるようクギを刺した。
米国は、ロシアに対抗できる軍事的支援をグルジアに行うのは至難。再度の衝突でグルジアがロシアに占領されることにでもなれば、米国は中央アジアの天然資源獲得をにらんだ戦略的要衝を喪失することになりこれ以上の紛争は避けたいのが本音だ。
 対するロシアはこうした米国の姿勢に乗じて、ソ連崩壊後に低下した南カフカス地域での影響力回復に努めている。メドベージェフ大統領は7月13日、紛争後ハジメテ南オセチアを訪問し、露軍部隊を激励。翌日には黒海艦隊の基地があるノボロシスクを訪れ、グルジアを強く牽制した。露海軍は近くアブハジアにも基地を建設、黒海での勢力回復を確実にしたい考えだ。


EUも打つ手なし

 【ブリュッセル目尾関航也】欧州連合(EU)は、昨年の紛争でロシアが占領した南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の外縁一部に総勢約250人の停戦監視団を配置、ここ数日は装甲車による夜間バトロールを行うなど、厳戒態勢を敷いている。停戦監視団は、グルジアとロシアの軍事衝突防止に当たっているが、ロシアは現在も南オセチアなどに各数千人の兵力を駐留させており、一触即発の状態だ。
 とはいえ、EUには、ロシアに占領状態の解消を迫る手だてはない。
紛争後、いったんはロシアとの経済協力対話を凍結するなど、圧力で臨む構えを見せたが、ロシアが強硬姿勢を崩さなかったため、4か月後には関係を正常化軌道に戻した
 欧州諸国は、エネルギー資源の調達でロシアに大きく依存する。アフガニスタン安定化やイラン核閤題の解決でも、ロシアの支援が.欠かせない。グルジア一国のために対露関係が決定的にこじれる事態は避けたいのが本音だ。このため、停戦監視団派遣による「現状維持」がEUの唯一の目的となっている。


露大統領 独立承認撤回せず

 【モスクワー1金子亨】ロシアのメドベージェフ大統領は8日、同国によるグルジア南オセチア自治州、アブハジア自治共和国の独立承認について、「いかなる後戻りもあり得ない。我々の選択だ」と述べ、撤回の意思がないことを強調した。訪問したロシア北オセチア共和国ウラジカフカスで語った。ロシアはグルジア紛争後、両地域の独立承認に踏み切り、国際社会から非難されたが、1年を機に改めて正当性を訴えた形だ。
 これに先立つ7日夜、グルジア軍の攻撃を受けた南オセチア自治州と、露軍が侵攻したグルジア中部ゴリなどで、それぞれの犠牲者の追悼式が開かれた。グルジアのサアカシビリ大統領は「他国により『ベルリンの壁』が築かれている」と述べ、ロシアを批判した。



 メドベージェフ大統領は、1年前の侵攻はプーチン首相も不在で自分一人で決断したと語っているようですが、未だに南オセチアに居座る露軍を訪問激励したり、ウクライナのセバストポリ基地の存続が危ぶまれるためか、自治区からの独立を承認したアブハジアに海軍基地を建設する計画を発表するなどし、南オセチア、アブハジへの覇権拡大を既成事実化してきています。
 これにたいし、オバマ政権もEU諸国も黙認している現状です。脱露でNATO入りを目指すグルジア・サアカシビリ大統領は、孤軍奮闘していますが...。

 以前にも触れましたが、欧米、とりわけ日本にとっての米国が、傘と頼んでもどこまで頼れるのかは限りがあるということです。当たり前のことですが。
 記事にあるように、米国にとって中央アジアの要衝であるグルジアでさえも、露の浸食を黙認しているのです。日本の竹島、尖閣、北方領土への米国の姿勢も、かつては見えなかった現実の姿が、中国をはじめとする近隣諸国の攻勢が強まり現実味を帯びてくることで、かいま見え始めてきているように感じるのは、遊爺だけではないでしょう。
 それには、米軍再編をはじめとする、自由主義陣営のパートナーとしての役割を果たし切れていない日本の自業自得でもあるのですが。これまでの野党の反対で、正面からのパートナーシップが果たせず、やむなく金銭で繋ぎとめている現状では、米国とて自国の若者の命を犠牲にしてまで同盟の義理をたてる気にはならないでしょう。
 
 グルジアの状況は、オバマ政権の対応にしろ、ロシアの一段と強まる覇権拡大の露骨な強気姿勢にしろ、対岸の火事として看過できないものですね。
 そんな世界情勢のなかで、中国の隷属国家になることへの風が止まない日本は、どうなるのでしょう...???
 政府の悪口、批判で同情を得て、集まった集団ですから、政権が現実味を帯びはじめた今ですら、ほころびが顕在化し始めているとおり、政権を盗ったら、細川政権の様に短命で空中分解すると見込んでの、政権一時交代票が多いのでしょうが、盗った政権が短期間で外国に国を売ってしまったら、元へ戻れなくなるのですが。年寄りの心配で済むことを願うばかりです。

 【ストップ!民主党】外国人からの献金をふたたび疑う:イザ!




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