遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米国が日本などを「為替管理国」の「監視国」に指定

2016-05-02 23:58:58 | 日本を護ろう
 米財務省が議会に年2回提出する為替報告書で、今回新たに「監視リスト」を設けて日本、中国、ドイツ、韓国、台湾を入れたのだそうです。
 ①対米黒字が年200億ドル以上 ②経常黒字がGDP比 3%超 ③為替介入額がGDP比 2%超 の三つの条件で、制裁に動くのだと。
 

米為替の監視対象指定、裏にTPP 早期批准へ議会懐柔  :日本経済新聞

 【ワシントン=河浪武史】米政府は29日、為替報告書を発表し、日本など対米貿易黒字が大きい5カ国・地域の為替政策を監視対象に指定した。日本が円売り介入に動くのをけん制し、環太平洋経済連携協定(TPP)の批准に向け米議会を懐柔する狙いが透ける。一方、麻生太郎財務相は30日、円売り介入も辞さない姿勢を示し、日米の溝が深まっている。

■「大統領後押し」
 米財務省が議会に年2回提出する為替報告書は、不当な通貨安誘導に動いた国や地域を「為替操作国」と認定して制裁を発動する仕組みに基づく。今回から新たに「監視リスト」を設けて日本、中国、ドイツ、韓国、台湾を入れた。すぐに制裁を発動するほどではないにしても、相手国・地域の為替政策をけん制できるようにするためだ。
   「
大統領が為替操作に毅然と対処できるよう後押ししていく」。米財務省が為替政策の「監視リスト」に日本や中国などを指定すると、野党・共和党のブレイディ下院歳入委員長はすぐさま歓迎の声明
を出した。
 ブレイディ氏は同党を代表するTPP推進論者だ。
オバマ政権と野党の重鎮による一糸乱れぬ連携プレーは、今回の為替報告書とTPP問題が密接に絡んでいる
ことを浮き彫りにした。
 TPPは早期批准のメドがたたない。大統領選を控えて世論はますます内向きになり「アジア各国は通貨安誘導で自国製品を有利に売り込んでいる」と
自由貿易協定への反対論が強いため
だ。
 
TPPはオバマ大統領のレガシー(遺産)の一つになるはずだった。一方で伝統的に自由貿易を推し進めてきた共和党にも、実はTPP推進論者が多い。政権と野党との妥協の産物が、当局による「通貨安誘導の監視強化」だ。政権は為替操作への強硬姿勢をアピールすることでTPP反対論を抑え込み、議会の早期承認を求める考え
だ。

■制裁には3条件
 「監視リスト」に入っても、制裁措置をすぐに発動するわけではない。
 米財務省は
制裁に動く条件として(1)対米貿易黒字が年200億ドル超(2)経常黒字が国内総生産(GDP)の3%超(3)一方的な為替介入による外貨買いがGDPの2%超――のすべてに抵触することを掲げている。日本は(1)と(2)は当てはまるものの、(3)は該当しない。中国も含めて3条件すべてを満たす国はない

 日本が(3)に抵触するのは、年10兆円を超す規模の円売り介入を実施した場合だ。日本は過去4年間、為替介入に踏み切っていない。実際に制裁が発動される可能性は小さいとみられ、
是正措置のない監視リストは「米議会のガス抜きが狙い
」(国際金融筋)との見方がもっぱらだ。

 米国は11月の
大統領選を控え「日本や中国は為替操作国だ」(ドナルド・トランプ氏)と円相場は標的にされやすい
。各候補とも米世論を「内向き」にあおっており、円安誘導に動けば批判が強まる可能性がある。
 
ルー財務長官は4月14日にワシントンで開いた日米財務相会談の翌日に「円相場は秩序的だ」と述べて、露骨に日本の円売り介入の思惑をけん制した。本来は4月15日がメドだった半期為替報告書の公表も月末まで引っ張り「日銀の追加緩和による円安誘導をけん制
した」(国際金融筋)との見方も浮かんでいる。

 為替報告書は「日本は金融政策だけでは均衡ある成長が実現しない」と指摘し、労働市場などの構造改革を求めた。日本はTPPの議会承認やカジノを含む統合型リゾート(IR)の実現なども遅れており、米当局は安倍政権の懸案先送りにいらだちを強めている。



 麻生財務大臣は、円相場の急変動に対して実施する円売り介入などの対応は「20カ国・地域(G20)の合意内容に沿う」と指摘し、「(投機的な動きに)必要に応じて対応する」と、円売り介入も辞さない姿勢を強調したのだそうです。
 
麻生財務相「円高、必要に応じ対応」 米報告書に制限されず  :日本経済新聞

 円相場の動きが注目されますが、休み明けの今日(5/2)のマーケットでは、一時1ドル=106円14銭近辺と、2014年10月以来約1年半ぶりの円高・ドル安水準を付けました。引き続き、注目が必要ですね。
 
外為17時 円、大幅続伸 106円台前半、日銀緩和観測の後退で:日本経済新聞

 「監視リスト」を新たに設け、日本が円売り介入に動くのをけん制した理由を、記事では、為替操作への強硬姿勢をアピールすることでTPP反対論を抑え込み、議会の早期承認を求める考えで、オバマ大統領のレガシー造りを進めたい意向の様で、安倍政権の懸案先送りにいらだちを強めていると指摘しています。
 日本が先に批准し、米議会での遅れをけん制する予定が、安倍政権が参院選以降に先延ばしせざるを得なくなった点を突いているのですね。
  しかし、それでは報告書のタイミングと近すぎるような?複数の国を指名したことからは、「日本や中国は為替操作国だ」とのトランプ旋風に迎合する姿勢を見せることでの、トランプ潰の大統領選対策も見え隠れしますね。

 今回の円安けん制原因について、ラジオNIKKEI他で聞こえてきた声に、マイナス金利を導入した事への米国の怒りだとの指摘がありましたね。
 日本が旧民主党政権時代に、米国ほかの各国が通貨安競争に走った時、旧民主党政権は無策のまま対応せず、大幅な円高に追い込まれ日本が独り犠牲になり、日本企業や国家経済を沈没させかけました。
 麻生財務大臣による、日本の政策の国益に沿った運用の主張発言がありましたが、米国の脅しで惑わされて、再び旧民主党の失政の轍を踏んで国を沈没させてはなりません。
 記事では、是正措置のない監視リストは「米議会のガス抜きが狙い」で、実際に制裁が発動される可能性は小さいと指摘しています。かと言って、油断は禁物です。しかし、オバマ政権の対国内政策とも、互いに協調する部分もあってしかるべきで、両政府の選挙戦や、経済対策、国内世論対策を乗り越えていただきたい。

 外交対策カードとして、日本にも同様の「為替操作国」への対抗措置が可能な法律が必要ですね。世界各国が内向きで自国の国益を護る時代になってきた今年。日本も自国を護る法整備が、防衛以外にも必要ですね。



 # 冒頭の画像は、「投機的な動きには、必要に応じて対応する」と会見で語る麻生財務大臣。




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