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今回の全人代は、「中国の夢(中華への復古)」や反日の威勢のいい話があったわりには、明るい未来の展望が観られず、経済や社会の不安が隠せない大会であったと感じましたが、皆さまはいかがでしたでしょうか。
「格差社会(貧富、都市と農村、民族)」や「汚職」「一党独裁政治弾圧」「バブル崩壊」といったこれまでの国家の基盤を揺るがす課題に、新たに「環境汚染」という大きな課題が加わえられた大会でもありました。
新たに定義された「環境貧困層」の人々を救うための環境対策を「人民を動員し、人民に頼る、人民戦争」だと報じる人民日報の姿勢は、汚染の被害を受ける日韓のみならず地球全体が望む姿勢で、大きな課題意識と対策が取り上げられたことは、これまでの消極姿勢に比べれば、一応歓迎は出来ます。問題は、口先だけでなく効果のある対策の実行ですが、どうなるのでしょう。人民の為に、治安費や国防費の拡大より、「環境貧困層」救済を優先させ、地球環境を守るのが普通の国だと考えますが。。
中国全人代で見えた共産党体制の「綻び」と「おびえ」 :日本経済新聞
人民日報の他に、韓国・中央日報、米国・WSJの記事も併せて産経が紹介しています。
福島の原発事故で、科学的根拠もなく東北地方8県の産物の輸入規制をした韓国。中国のPM2.5には無関心。
国民の民度が低いのか、メディアの姿勢が国民を制御しているのか、韓国はお話になりませんね。
おもしろいのは、WSJ。「(習近平は)次の視察ではマスクをつけたくなるかもしれない」とのおちも最高ですが、環境汚染の原因が共産党の一党独裁にあると言う説は説得力があります。
ひとつは、独裁政治のトップへの点数稼ぎから、経済目標達成が最優先され、環境汚染対策が後回しにされること。
もうひとつは、法秩序の欠如で、住民の告発が抑え込まれ、国内の改善活動家の弾圧やネットでの発言規制が挙げられています。
全人代で「環境貧困層」の救済を大きく取り上げたのは、まさにこの二つの旧態からの脱出を考えてのこととの意気込みは感じられます。
しかし、既得権益保持層との戦いとなる改革。夢見る習近平がどこまで実行できるか、お手並み拝見です。
# 冒頭の画像は、マスク無しで北京市内を視察する習近平
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この花の名前は、サラシナショウマ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)
↓よろしかったら、お願いします。
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「格差社会(貧富、都市と農村、民族)」や「汚職」「一党独裁政治弾圧」「バブル崩壊」といったこれまでの国家の基盤を揺るがす課題に、新たに「環境汚染」という大きな課題が加わえられた大会でもありました。
新たに定義された「環境貧困層」の人々を救うための環境対策を「人民を動員し、人民に頼る、人民戦争」だと報じる人民日報の姿勢は、汚染の被害を受ける日韓のみならず地球全体が望む姿勢で、大きな課題意識と対策が取り上げられたことは、これまでの消極姿勢に比べれば、一応歓迎は出来ます。問題は、口先だけでなく効果のある対策の実行ですが、どうなるのでしょう。人民の為に、治安費や国防費の拡大より、「環境貧困層」救済を優先させ、地球環境を守るのが普通の国だと考えますが。。
中国全人代で見えた共産党体制の「綻び」と「おびえ」 :日本経済新聞
人民日報の他に、韓国・中央日報、米国・WSJの記事も併せて産経が紹介しています。
中国の大気汚染 (3/17 産経 【環球異見】)
PM2.5(微小粒子状物質)に象徴される中国の大気汚染は、13日に閉幕した全国人民代表大会(全人代=国会)でも取り上げられ、習近平指導部が解決に取り組む意思を示した。日本よりも被害が深刻だとみられる韓国では先月、汚染物質の飛散経路を独自に分析すべきだといった意見が出た。米国では、中国が大気汚染を根絶できない原因は一党独裁体制にあると断じる論評もあった。
□人民日報海外版(中国)
■「環境貧困層」抱える中国
全人代では、経済政策や腐敗撲滅と並び、環境汚染対策がキーワードの一つとなった。中国共産党機関紙、人民日報(海外版)も大会期間中、繰り返し大気汚染に関するコラムを掲載した。7日付のコラムは、習近平国家主席が地方政府の審議でPM2・5について尋ねたことや、李克強首相が全人代の政府活動報告で「貧困に宣戦布告をしたように、汚染にも断固として宣戦布告をする」と述べたことを強調した。
李首相の言葉は、習近平指導部にとって「環境汚染」が、社会の不安定化の元凶になりかねない「貧富の格差」や「官僚腐敗」と同列の懸案であることを示している。コラムは「環境汚染は今や、単なる一地域や一部門の問題ではなく、多方面のパワーを結集して解決しなければならない総合的な問題になっている」と主張。汚染から逃げようにも逃げられない無力感が、国民の間に広がっているとしている。
中国政府は過去20年、貧困層の減少に取り組んできた。「1日1ドル未満での生活」という国際基準に当てはめても、1990年に4億9900万人だった貧困層が、2010年には8640万人まで減少した。人民日報(同)は11日付のコラムでは政府の施策を評価しつつ、貧困の本質を「人の基本的な発展の権利が剥奪されること」と定義し、「中国は大量の環境貧困層も抱えている」と、これまでにない見方を提起した。
「環境貧困層」とは、「自然条件が非常に悪い地区に生活する人々」「きれいな空気を吸う権利を剥奪されている人々」を指す。これらの人々を救済するための環境対策を「人民を動員し、人民に頼る、人民戦争」だと呼ぶコラムは、「多くの犠牲がなければ、新しい時代はやってこない」とし、国民一人一人に対し、「グリーン社会」の実現に向けた小さな貢献を求めている。(北京 川越一)
□中央日報(韓国)
■経路解明など独自調査を
黄海を隔ててはいるものの、中国に近い韓国ではPM2・5の濃度は日本より高く、大気汚染は深刻だ。特に昨秋以降はしばしば「注意報」が出されている。2月25日にはソウルの金浦空港に「低視程警報」が出され、航空機53便が欠航、仁川空港でも18便の到着が遅れた。ソウルでは24日に続きPM2・5の大気中濃度が基準値を超え、連日の注意報発令となった。
中国から飛んでくる汚染物質の被害をもろに受けている韓国なのだが、PM2・5に関しては中国より政府への注文が多い。中央日報(2月27日付)は社説で、国立環境科学院の昨年8月の予報開始以来、2月21日までの的中率が33・3%に過ぎなかったと指摘した。同院は24日の濃度を当初、「やや悪い」と予報したが、その後、高齢者らが外出を控えるべき「悪い」段階に修正されたとし、「これでは『予報ではなく中継だ』という不満が出る」と批判した。
社説はさらに、「予報経験の短さや、米国の気象データに基づく予報が韓国の状況に合わないことが“予想外れ”の原因だ」とする専門家の見方を紹介し、「韓国気象庁が分析した気象予報結果を活用した韓国型予報の開発が急務だ」と訴えた。さらに「PM2・5の流入経路をより詳細に把握し、生成・消滅の過程と仕組みも、より精密に研究する必要がある」とした。
また、「外交や科学交流を通じた中国の大気汚染物質の排出に関するデータの確保」の必要性を強調。「気象、環境観測のための人工衛星打ち上げや、外国衛星の関連資料の確保」も提案した。
韓国では、春に中国から飛来する黄砂に見舞われ、間もなく、PM2・5とのダブルパンチを受けることが懸念される。「相当な費用がかかろうが、その程度の投資が必要なほど、国民が最近、感じている大気状況は深刻だ」と社説は結んだが、黄砂に慣れているせいか、日本に比べマスク姿の人は少なく、一般市民の間では不安感や警戒感は意外に希薄だ。(ソウル 名村隆寛)
□米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)
■原因は一党独裁にある
米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)は4日付で、中国の大気汚染問題について、原因は一党独裁を維持する「中国の政治体制」にあるとする社説を掲載した。
社説は中国北部では大気汚染によって平均寿命が5年半も短くなっているとする米国の調査結果や、北京の空気は「人類に適さない」と酷評した中国の上海市社会科学院の報告書を紹介。さらに農家が化学肥料を過剰に使うため、土壌汚染が進んでいるなどの実態にも触れた。
社説はこうした環境汚染は中国の政治体制によってもたらされたと主張する。政府が経済活動に深く関与する中国の企業にとっては、環境汚染で受ける処罰よりも経済目標を達成できないことの方が大きな問題であり、環境汚染に配慮させる動機付けが弱いためだ。ソ連や東ドイツの環境汚染の背景にも同様の事情があったという。
さらに社説は、「法の秩序が欠けている」ことも環境汚染の一因だとする。環境汚染で健康被害を受けたと考える住民が汚染の原因となった企業を訴えても、相手が地方政府や中央政府とのつながりが深い場合などは特に勝訴は難しいとしている。
また環境汚染に焦点をあてようとする中国国内の活動家は、当局による厳しい検閲にさらされるとも指摘。当局が上海市社会科学院の報告書に言及したインターネット上の書き込みを削除しようとしたとの事例を挙げて、中国を批判した。
社説は中国政府が環境対策の予算を増額したり、大気汚染を改善した地方政府に特別補助金を交付したりして、取り組みを強化していることも指摘した。しかし、汚染を続ける政治的な動機がこうした施策により一掃されるかには「懐疑的だ」とした。
社説は、2月にマスクなしで北京市内を視察した習近平国家主席について、「次の視察ではマスクをつけたくなるかもしれない」という皮肉で結んでいる。 (ワシントン 小雲規生)
PM2.5(微小粒子状物質)に象徴される中国の大気汚染は、13日に閉幕した全国人民代表大会(全人代=国会)でも取り上げられ、習近平指導部が解決に取り組む意思を示した。日本よりも被害が深刻だとみられる韓国では先月、汚染物質の飛散経路を独自に分析すべきだといった意見が出た。米国では、中国が大気汚染を根絶できない原因は一党独裁体制にあると断じる論評もあった。
□人民日報海外版(中国)
■「環境貧困層」抱える中国
全人代では、経済政策や腐敗撲滅と並び、環境汚染対策がキーワードの一つとなった。中国共産党機関紙、人民日報(海外版)も大会期間中、繰り返し大気汚染に関するコラムを掲載した。7日付のコラムは、習近平国家主席が地方政府の審議でPM2・5について尋ねたことや、李克強首相が全人代の政府活動報告で「貧困に宣戦布告をしたように、汚染にも断固として宣戦布告をする」と述べたことを強調した。
李首相の言葉は、習近平指導部にとって「環境汚染」が、社会の不安定化の元凶になりかねない「貧富の格差」や「官僚腐敗」と同列の懸案であることを示している。コラムは「環境汚染は今や、単なる一地域や一部門の問題ではなく、多方面のパワーを結集して解決しなければならない総合的な問題になっている」と主張。汚染から逃げようにも逃げられない無力感が、国民の間に広がっているとしている。
中国政府は過去20年、貧困層の減少に取り組んできた。「1日1ドル未満での生活」という国際基準に当てはめても、1990年に4億9900万人だった貧困層が、2010年には8640万人まで減少した。人民日報(同)は11日付のコラムでは政府の施策を評価しつつ、貧困の本質を「人の基本的な発展の権利が剥奪されること」と定義し、「中国は大量の環境貧困層も抱えている」と、これまでにない見方を提起した。
「環境貧困層」とは、「自然条件が非常に悪い地区に生活する人々」「きれいな空気を吸う権利を剥奪されている人々」を指す。これらの人々を救済するための環境対策を「人民を動員し、人民に頼る、人民戦争」だと呼ぶコラムは、「多くの犠牲がなければ、新しい時代はやってこない」とし、国民一人一人に対し、「グリーン社会」の実現に向けた小さな貢献を求めている。(北京 川越一)
□中央日報(韓国)
■経路解明など独自調査を
黄海を隔ててはいるものの、中国に近い韓国ではPM2・5の濃度は日本より高く、大気汚染は深刻だ。特に昨秋以降はしばしば「注意報」が出されている。2月25日にはソウルの金浦空港に「低視程警報」が出され、航空機53便が欠航、仁川空港でも18便の到着が遅れた。ソウルでは24日に続きPM2・5の大気中濃度が基準値を超え、連日の注意報発令となった。
中国から飛んでくる汚染物質の被害をもろに受けている韓国なのだが、PM2・5に関しては中国より政府への注文が多い。中央日報(2月27日付)は社説で、国立環境科学院の昨年8月の予報開始以来、2月21日までの的中率が33・3%に過ぎなかったと指摘した。同院は24日の濃度を当初、「やや悪い」と予報したが、その後、高齢者らが外出を控えるべき「悪い」段階に修正されたとし、「これでは『予報ではなく中継だ』という不満が出る」と批判した。
社説はさらに、「予報経験の短さや、米国の気象データに基づく予報が韓国の状況に合わないことが“予想外れ”の原因だ」とする専門家の見方を紹介し、「韓国気象庁が分析した気象予報結果を活用した韓国型予報の開発が急務だ」と訴えた。さらに「PM2・5の流入経路をより詳細に把握し、生成・消滅の過程と仕組みも、より精密に研究する必要がある」とした。
また、「外交や科学交流を通じた中国の大気汚染物質の排出に関するデータの確保」の必要性を強調。「気象、環境観測のための人工衛星打ち上げや、外国衛星の関連資料の確保」も提案した。
韓国では、春に中国から飛来する黄砂に見舞われ、間もなく、PM2・5とのダブルパンチを受けることが懸念される。「相当な費用がかかろうが、その程度の投資が必要なほど、国民が最近、感じている大気状況は深刻だ」と社説は結んだが、黄砂に慣れているせいか、日本に比べマスク姿の人は少なく、一般市民の間では不安感や警戒感は意外に希薄だ。(ソウル 名村隆寛)
□米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)
■原因は一党独裁にある
米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)は4日付で、中国の大気汚染問題について、原因は一党独裁を維持する「中国の政治体制」にあるとする社説を掲載した。
社説は中国北部では大気汚染によって平均寿命が5年半も短くなっているとする米国の調査結果や、北京の空気は「人類に適さない」と酷評した中国の上海市社会科学院の報告書を紹介。さらに農家が化学肥料を過剰に使うため、土壌汚染が進んでいるなどの実態にも触れた。
社説はこうした環境汚染は中国の政治体制によってもたらされたと主張する。政府が経済活動に深く関与する中国の企業にとっては、環境汚染で受ける処罰よりも経済目標を達成できないことの方が大きな問題であり、環境汚染に配慮させる動機付けが弱いためだ。ソ連や東ドイツの環境汚染の背景にも同様の事情があったという。
さらに社説は、「法の秩序が欠けている」ことも環境汚染の一因だとする。環境汚染で健康被害を受けたと考える住民が汚染の原因となった企業を訴えても、相手が地方政府や中央政府とのつながりが深い場合などは特に勝訴は難しいとしている。
また環境汚染に焦点をあてようとする中国国内の活動家は、当局による厳しい検閲にさらされるとも指摘。当局が上海市社会科学院の報告書に言及したインターネット上の書き込みを削除しようとしたとの事例を挙げて、中国を批判した。
社説は中国政府が環境対策の予算を増額したり、大気汚染を改善した地方政府に特別補助金を交付したりして、取り組みを強化していることも指摘した。しかし、汚染を続ける政治的な動機がこうした施策により一掃されるかには「懐疑的だ」とした。
社説は、2月にマスクなしで北京市内を視察した習近平国家主席について、「次の視察ではマスクをつけたくなるかもしれない」という皮肉で結んでいる。 (ワシントン 小雲規生)
福島の原発事故で、科学的根拠もなく東北地方8県の産物の輸入規制をした韓国。中国のPM2.5には無関心。
国民の民度が低いのか、メディアの姿勢が国民を制御しているのか、韓国はお話になりませんね。
おもしろいのは、WSJ。「(習近平は)次の視察ではマスクをつけたくなるかもしれない」とのおちも最高ですが、環境汚染の原因が共産党の一党独裁にあると言う説は説得力があります。
ひとつは、独裁政治のトップへの点数稼ぎから、経済目標達成が最優先され、環境汚染対策が後回しにされること。
もうひとつは、法秩序の欠如で、住民の告発が抑え込まれ、国内の改善活動家の弾圧やネットでの発言規制が挙げられています。
全人代で「環境貧困層」の救済を大きく取り上げたのは、まさにこの二つの旧態からの脱出を考えてのこととの意気込みは感じられます。
しかし、既得権益保持層との戦いとなる改革。夢見る習近平がどこまで実行できるか、お手並み拝見です。
# 冒頭の画像は、マスク無しで北京市内を視察する習近平
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この花の名前は、サラシナショウマ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)
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