遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米国の台湾を護る姿勢が注目される、台湾の戦闘機更新

2011-07-14 01:05:16 | EEZ 全般
 中国の台湾併合目標期限が、2012年とされるなか、台湾海峡への米・空母接近を阻止する中国の海軍力増強が進んでいますが、台湾海峡の空でも、第五世代のステルス機の試験飛行がなされるなど新鋭化が進んでいます。台湾では2005年以来新型戦闘機の導入計画が膠着状態にあり、悲願達成に向け米議会と連携した新型機の売却を米国に働きかけているのだそうですね。
 
新型戦闘機「売却を」 台湾・米議会 政府に要望再燃 (7/13 朝日朝刊)

 台湾への武器売却を求める大合唱がワシントンで起きている。台湾や米議会は中国の軍拡に懸念を強めるが、売却に踏み切れば米中関係の冷却化は避けられない。いつ、何を売るか。米政府は慎重に落としどころを探っている。

 「台湾海峡における軍事的不均衡は日ごとに強まっており、中国と渡り合うには防衛力強化が不可欠だ」
 台湾で対中政策を担う閣僚、頼幸媛・大陸委員会主任委員は7日、ワシントンでの講演で売却への切迫感を訴えた。超党派の立法委員4人も10日にワシントン入りし、陳情を展開。米議会では5月末、上院の半数近い45人の超党派議員が売却を求める書簡をオバマ大統領に送った。
 台湾や米議員らがそろって求め、焦点となっているのが、F16戦闘機の新型C/Dの供与だ。
 台湾にとって、新型機の導入は2005年以来の悲願だ。06年から予算も手当てしている。中国は高性能の戦闘機配備を進め、今年1月にはステルス機の試験飛行を実施。一方、初期型のF16A/Bなどを主力とする台湾軍は更新が進まず、5年ほど前から空軍力で逆転したとされる。
 半年後の選挙で再選を目指す
馬英九総統はこれまで対中関係の改善を進めたが、中国寄りすぎるとの批判も強い。新型導入が決まれば対米関係の良好さと台湾防衛の意思を同時にアピールできることになる。

中国に配慮 米政府慎重
 米側では雇用問題の側面もある。「新型」とはいえ、米軍は調達を終え、テキサス州の生産ラインは数年内に閉鎖の可能性が出ている。台湾向けに生産が続けば「延命」が可能だ。
 南シナ海などで中国の圧力を受ける
アジア各国にとって、米国が武器を売却することで台湾を守ろうとする姿勢を示すかどうかが「米国の信頼の問題になった」(戦略国際問題研究所のポニー・グレイサー上級研究員)との指摘もある。
 ただ、米政府は「いかなる決定も下していない」(ヌーランド国務省報道官)と多くを語らない。
 昨年1月に台湾への武器売却を決めた際には、中国が猛反発した。8月にバイデン副大統領の初訪中、11月に米ハワイで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)、さらに胡錦濤国家主席の後継者に内定した習近平国家副主席の訪米と重要日程が続く。対中関係悪化は避けたい事情がある。
 このため、関係者の間では、副大統領訪中とAPECの間に、新型の売却は認めず、既存の初期型の性能を上げる改造で妥協を図る━━との観測が主流だ。「総統選での馬総統再選を望む中国は強くは反対しないはずだ」(馬政権関係者)との読みもある。 (ワシントン=村山祐介、台北=村上太輝夫)

 最近の米国は、ASEAN諸国との連携で中国包囲網を形成しようと動いたり、日米豪の艦船合同演習を南シナ海で実施したり、尖閣は日米同盟の対象範囲と数度にわたり公言、日米 2+2 でも、中国の覇権拡大姿勢に言及するなどしています。
 一方では、内容は平行線に終わったとはいえ、軍首脳会談も実施し、米中双方とも関係の悪化は避ける努力もしています。

 しかし、台湾とすれば、中国による世界各国の台湾接触への締め付けに加え、頼みの米国も中国の圧力で、じわりじわりと支援の後退がすすんでいる今日、抑止力の武器調達の道を閉ざされてしまえば、見捨てられ孤立無援状態に近くなったとみなされる様になってしまうでしょう。
 台湾は、南沙諸島最大の島である大平島に軍用空港を持ち実効支配していることは諸兄がご承知の通りです。今、アジアで中国包囲網を築こうとしている動きの行方も、米国がどこまで本気で中国の覇権拡大を防ごうとしているかが示されるこの戦闘機売買の決着が、無関係とは言えないでしょう。
 東シナ海、南シナ海の要所にある自由・民主主義を標榜する橋頭保ともいえる台湾をどこまで支えるか、結果が注目されます。明日はわが身の日本なのですから。




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