国内の感染拡大終息宣言をした中国。強い感染拡大防止策で国内経済は、ほぼ完全にストップし、足元で発表されている主要統計は軒並み史上最低を更新。
感染拡大が止まれば、短期に回復が見込めるとの声がありますが、世界に拡大する感染は未だ勢いを強めていて、公表されている感染者の数値では、米国が中国を上回ってきており、欧州でも米国でも強い感染拡大が進行中です。
これが新たなリスクとして中国経済の先行きを脅かしているのだと。
1年前は、過剰債務などの構造問題である「灰色のサイ」に注意を促す発言していた習近平氏。当時は予想できなかった、新型コロナウイルスの「黒い白鳥」の出現、1月下旬から2月にかけて中国経済は停止状態に陥ったのでした。
しかし、新型コロナの流行が落ち着けば企業活動が順調に再開して、中国経済が2020年後半にかけて急速に回復するという見方が強かったのですが、そのような楽観的なシナリオに狂いが生じつつあるのです。
新たなリスクとして懸念されているのが世界での感染拡大。世界経済の先行き懸念が強まっており、それにより需要が悪化して中国経済の回復の足を引っ張ることが懸念されているのですね。
更に、世界での感染拡大に伴い、中国政府は感染者の「逆流」に警戒を強める必要が生じています。中国政府が背中を押している企業活動の再開の新たな障害になっているのだと。
そして肝心の経済復興政策。世界の各国が打ち出しているのは、財政投資出動。
しかし中国は、過去の景気対策の“後遺症”である過剰債務をはじめとした構造問題が重荷となっていて、取り得る景気対策の手段は限られている。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「足元の急激な景気悪化を止めるためには財政措置や金融緩和を進めなければならないが、中国ではそもそも潜在成長率そのものが低下している」と分析。「そういった中で既存の分野に資金を入れれば、再び金融の問題を膨らませることになりかねない」と。
米国の感染の急拡大で「新冷戦」の米中の対立は休戦モードとなっていますが、リーマンショックを上回る世界経済不況が懸念されています。
勿論、日本経済も例外ではない。
米中首脳、新型コロナ対策で電話会談 「緊密連携」を強調 - 産経ニュース
# 冒頭の画像は、上海の金融街に設置された、株式相場を示す電光掲示板
蜜を吸う蜂
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感染拡大が止まれば、短期に回復が見込めるとの声がありますが、世界に拡大する感染は未だ勢いを強めていて、公表されている感染者の数値では、米国が中国を上回ってきており、欧州でも米国でも強い感染拡大が進行中です。
これが新たなリスクとして中国経済の先行きを脅かしているのだと。
【中国観察】「黒い白鳥」が舞い降りた中国経済を脅かす新たなリスク - 産経ニュース
肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの流行が中国経済に衝撃を与えている。感染対策のため一時的に経済活動がほぼ完全にストップし、足元で発表されている主要統計は軒並み史上最低を更新。中国政府は経済的な影響について「短期的だ」という強気の姿勢を崩していないものの、新たなリスクが中国経済の先行きを脅かしていると指摘される。(中国総局 三塚聖平)
中国経済は停止状態に
「『黒い白鳥』への警戒だけでなく『灰色のサイ』も防がなければならない」
中国の習近平国家主席は昨年1月、北京で開いた会議で全国の幹部にこのように強調していた。
「灰色のサイ」とは、将来大きな問題となる可能性が高いのに軽視されがちな潜在リスクを示す。それに対して「黒い白鳥(ブラックスワン)」はリーマン・ショックのような事前に予測できない異常事態を指す。かつて白鳥は全てが白色だと考えられていたが、後にオーストラリアで黒い白鳥が発見されたことで常識が覆されたことに由来する金融用語だ。
習氏が発言した1年前は、過剰債務などの構造問題である「灰色のサイ」に注意を促す発言だと受け止められていたが、実際に現れたのは「黒い白鳥」だった。1年前には習氏自身もまったく予測できなかったであろう新型コロナという「黒い白鳥」が中国経済を襲っている。
新型コロナの深刻化を受け、1月下旬から2月にかけて中国経済は停止状態に陥った。1月下旬に始まった春節(旧正月)休暇が延長され、その後も地方政府の厳しい移動制限などにより企業の動きは停滞。国際的な物流は寸断され、サプライチェーン(供給網)も打撃を受けている。
そういった惨状を受けて、最近発表された中国経済に関する統計は文字通り壊滅的なものとなっている。
主要統計は初のマイナスが並ぶ
中国国家統計局が3月16日に発表した今年1~2月の主要統計では、小売売上高、工業生産、固定資産投資はいずれも伸びが初のマイナスとなった。例えば、消費動向を示す小売売上高は前年同期比20・5%減で、昨年12月(8・0%増)から急激に悪化。中国当局による感染防止策により、店舗や飲食店が長期間にわたって営業停止を余儀なくされたことが直撃した形だ。
ただ、中国政府は経済が急回復するとの見通しを折に触れて強調している。統計局の毛盛勇報道官は3月16日の記者会見で「総合的に見て、疾病の影響は短期的かつ外在的で、コントロール可能だ」との見方を強調している。しばらく前までは北京のエコノミストの間でも、新型コロナの流行が落ち着けば企業活動が順調に再開して、中国経済が2020年後半にかけて急速に回復するという見方が強かった。
海外からの新たなリスク
しかし、そのような楽観的なシナリオに狂いが生じつつあると指摘される。
新たなリスクとして懸念されているのが世界での感染拡大だ。欧米などで感染者が急拡大する中で世界経済の先行き懸念が強まっており、それにより需要が悪化して中国経済の回復の足を引っ張ることが懸念される。中国のエコノミストは「世界でサプライチェーンや貿易が影響を受けることにより、中国経済の回復が遅れる可能性がある」との見方を示す。
また、世界での感染拡大に伴い、中国政府は感染者の「逆流」に警戒を強めるようになっている。現在、中国における新たな感染者は中国本土外で感染したケースが中心となっており、それを受けて北京では全ての入国者を原則として一律に隔離施設のホテルに移送し、14日間の医学的観察を義務付ける措置を3月16日に開始。同様の措置は各地で広がっており、中国政府が背中を押している企業活動の再開の新たな障害になっている。
このリスクは習氏自身も認識している。18日に開かれた中国共産党中央政治局常務委員会で、習氏は「特に国外では感染が拡散・蔓延(まんえん)して、それが世界経済に不利な影響を生じさせており、わが国の感染の予防・抑制と経済発展にも新たな試練をもたらしている」と強調した。
“後遺症”で動けぬ中国経済
ただ、中国政府が取り得る景気対策の手段は限られているという見方もある。過去の景気対策の“後遺症”である過剰債務をはじめとした構造問題が中国経済の重荷となっているためだ。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「足元の急激な景気悪化を止めるためには財政措置や金融緩和を進めなければならないが、中国ではそもそも潜在成長率そのものが低下している」と分析。「そういった中で既存の分野に資金を入れれば、誰も使わない工場や誰も住まないゴーストタウンをまた作ることになる。それでは再び金融の問題を膨らませることになりかねない」と指摘する。
肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの流行が中国経済に衝撃を与えている。感染対策のため一時的に経済活動がほぼ完全にストップし、足元で発表されている主要統計は軒並み史上最低を更新。中国政府は経済的な影響について「短期的だ」という強気の姿勢を崩していないものの、新たなリスクが中国経済の先行きを脅かしていると指摘される。(中国総局 三塚聖平)
中国経済は停止状態に
「『黒い白鳥』への警戒だけでなく『灰色のサイ』も防がなければならない」
中国の習近平国家主席は昨年1月、北京で開いた会議で全国の幹部にこのように強調していた。
「灰色のサイ」とは、将来大きな問題となる可能性が高いのに軽視されがちな潜在リスクを示す。それに対して「黒い白鳥(ブラックスワン)」はリーマン・ショックのような事前に予測できない異常事態を指す。かつて白鳥は全てが白色だと考えられていたが、後にオーストラリアで黒い白鳥が発見されたことで常識が覆されたことに由来する金融用語だ。
習氏が発言した1年前は、過剰債務などの構造問題である「灰色のサイ」に注意を促す発言だと受け止められていたが、実際に現れたのは「黒い白鳥」だった。1年前には習氏自身もまったく予測できなかったであろう新型コロナという「黒い白鳥」が中国経済を襲っている。
新型コロナの深刻化を受け、1月下旬から2月にかけて中国経済は停止状態に陥った。1月下旬に始まった春節(旧正月)休暇が延長され、その後も地方政府の厳しい移動制限などにより企業の動きは停滞。国際的な物流は寸断され、サプライチェーン(供給網)も打撃を受けている。
そういった惨状を受けて、最近発表された中国経済に関する統計は文字通り壊滅的なものとなっている。
主要統計は初のマイナスが並ぶ
中国国家統計局が3月16日に発表した今年1~2月の主要統計では、小売売上高、工業生産、固定資産投資はいずれも伸びが初のマイナスとなった。例えば、消費動向を示す小売売上高は前年同期比20・5%減で、昨年12月(8・0%増)から急激に悪化。中国当局による感染防止策により、店舗や飲食店が長期間にわたって営業停止を余儀なくされたことが直撃した形だ。
ただ、中国政府は経済が急回復するとの見通しを折に触れて強調している。統計局の毛盛勇報道官は3月16日の記者会見で「総合的に見て、疾病の影響は短期的かつ外在的で、コントロール可能だ」との見方を強調している。しばらく前までは北京のエコノミストの間でも、新型コロナの流行が落ち着けば企業活動が順調に再開して、中国経済が2020年後半にかけて急速に回復するという見方が強かった。
海外からの新たなリスク
しかし、そのような楽観的なシナリオに狂いが生じつつあると指摘される。
新たなリスクとして懸念されているのが世界での感染拡大だ。欧米などで感染者が急拡大する中で世界経済の先行き懸念が強まっており、それにより需要が悪化して中国経済の回復の足を引っ張ることが懸念される。中国のエコノミストは「世界でサプライチェーンや貿易が影響を受けることにより、中国経済の回復が遅れる可能性がある」との見方を示す。
また、世界での感染拡大に伴い、中国政府は感染者の「逆流」に警戒を強めるようになっている。現在、中国における新たな感染者は中国本土外で感染したケースが中心となっており、それを受けて北京では全ての入国者を原則として一律に隔離施設のホテルに移送し、14日間の医学的観察を義務付ける措置を3月16日に開始。同様の措置は各地で広がっており、中国政府が背中を押している企業活動の再開の新たな障害になっている。
このリスクは習氏自身も認識している。18日に開かれた中国共産党中央政治局常務委員会で、習氏は「特に国外では感染が拡散・蔓延(まんえん)して、それが世界経済に不利な影響を生じさせており、わが国の感染の予防・抑制と経済発展にも新たな試練をもたらしている」と強調した。
“後遺症”で動けぬ中国経済
ただ、中国政府が取り得る景気対策の手段は限られているという見方もある。過去の景気対策の“後遺症”である過剰債務をはじめとした構造問題が中国経済の重荷となっているためだ。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「足元の急激な景気悪化を止めるためには財政措置や金融緩和を進めなければならないが、中国ではそもそも潜在成長率そのものが低下している」と分析。「そういった中で既存の分野に資金を入れれば、誰も使わない工場や誰も住まないゴーストタウンをまた作ることになる。それでは再び金融の問題を膨らませることになりかねない」と指摘する。
1年前は、過剰債務などの構造問題である「灰色のサイ」に注意を促す発言していた習近平氏。当時は予想できなかった、新型コロナウイルスの「黒い白鳥」の出現、1月下旬から2月にかけて中国経済は停止状態に陥ったのでした。
しかし、新型コロナの流行が落ち着けば企業活動が順調に再開して、中国経済が2020年後半にかけて急速に回復するという見方が強かったのですが、そのような楽観的なシナリオに狂いが生じつつあるのです。
新たなリスクとして懸念されているのが世界での感染拡大。世界経済の先行き懸念が強まっており、それにより需要が悪化して中国経済の回復の足を引っ張ることが懸念されているのですね。
更に、世界での感染拡大に伴い、中国政府は感染者の「逆流」に警戒を強める必要が生じています。中国政府が背中を押している企業活動の再開の新たな障害になっているのだと。
そして肝心の経済復興政策。世界の各国が打ち出しているのは、財政投資出動。
しかし中国は、過去の景気対策の“後遺症”である過剰債務をはじめとした構造問題が重荷となっていて、取り得る景気対策の手段は限られている。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「足元の急激な景気悪化を止めるためには財政措置や金融緩和を進めなければならないが、中国ではそもそも潜在成長率そのものが低下している」と分析。「そういった中で既存の分野に資金を入れれば、再び金融の問題を膨らませることになりかねない」と。
米国の感染の急拡大で「新冷戦」の米中の対立は休戦モードとなっていますが、リーマンショックを上回る世界経済不況が懸念されています。
勿論、日本経済も例外ではない。
米中首脳、新型コロナ対策で電話会談 「緊密連携」を強調 - 産経ニュース
# 冒頭の画像は、上海の金融街に設置された、株式相場を示す電光掲示板
蜜を吸う蜂
↓よろしかったら、お願いします。