「慶祝中国共産党成立100周年大会」が開かれる天安門の楼台に現れた習近平は、毛主席が愛用していた灰色の人民服を着て登場。
9年前に共産党総書記を習近平に委譲した胡錦濤を従え、楼台に上がった現・元幹部たちが全員、背広にネクタイ姿。
習近平総書記だけ灰色の人民服姿というのは、「自分は毛沢東の後継者である」と、内外に宣布する目的と見えると近藤大介氏。
司会進行役をやらされているのは、党内序列ナンバー2の李克強首相。
習近平総書記の共産党100周年の重要講話のキーワードは「偉大」。46回も「偉大」を連呼し、特に自己の政権のスローガンである「中華民族の偉大なる復興」というフレーズで、20回も繰り返した。
スピーチでこれだけ「お国自慢」を連呼するリーダーというのは、世界広しといえども習近平総書記だけだろうと近藤氏。
スピーチでは、まず、「歴史的な絶対貧困問題を解決し、いままさに意気軒高に全面的な社会主義現代化強国の『第2の100年』の奮闘目標建設に向けて邁進している」とした。
「第1の100年」が毛沢東主席が率いた100年で、今日から始まる「第2の100年」は自分が率いる100年だという意味。
過去のどの王朝も成し遂げられなかった「貧困撲滅」を昨年末に達成したことを、長期政権を目論む自らの政権の正統性にしていると近藤氏。
続いて、「1840年のアヘン戦争以降、中国は次第に半植民地、半封建社会となり、国家・人民・文明は屈辱を受け、中華民族は前代未聞の苦難に遭った。その時から、中華民族の偉大なる復興という最も偉大な夢を実現しようとした」。
中国共産党成立以来100年の歴史、中華人民共和国成立以来70年余りの歴史が、社会主義革命と建設の偉大な成就を創造。
ただ社会主義だけが中国を救ったのであり、ただ中国の特色ある社会主義だけが中国を発展させられた。世界第2の経済大国という歴史的な突破を実現させたと習近平。
「中国共産党がなければ新中国もなく、中華民族の偉大なる復興もないということだ。歴史と人民が中国共産党を選んだのだ。引き続き、現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義を発展させていく!」と。
大躍進や文化大革命などはきれいさっぱり忘れ、鄧小平党軍事委主席の改革開放によって経済発展したことを強調していると近藤氏。
香港と台湾に関しては、最後のところで言及。
『一国二制度』『香港人による香港の自治』『マカオ人によるマカオの自治』の高度な自治の方針を貫徹していく。中央の香港、マカオ特別行政区の管理、統治権を定着させ、香港とマカオの長期繁栄と安定を保持していくと習近平。
台湾問題を解決し、祖国の完全統一を実現することは、中国共産党の意志が変わらぬ歴史的任務。いかなる『台湾独立』のたくらみも決然と粉砕すると。
香港と台湾に関しては、特に真新しい発言は見られなかったが、「発言と行動」が近づいてきていることが、最近の懸念であると近藤氏。
習近平は最後に、「100年前、中国共産党はただ50人ほどの党員で成立させたが、いまでは9500万人を超える党員を擁している。14億人以上の人口大国をリードし、全世界に重大な影響を与える世界第一の執政党となっている。偉大で光栄で正確な中国共産党万歳! 偉大で光栄で英雄的な中国人民万歳!」と結んだのだそうです。
巨竜と化した中国共産党は、どこへ行くのか?習総書記率いる中国共産党は、アジアで尊敬される存在になってほしいものだと近藤氏。
習近平が思い描いている、偉大な復活の夢と、世界が包囲網を築こうとしている乖離が広がりつつあるのが現実で、乖離による危機が高まっていますね。
# 冒頭の画像は、故・毛沢東主席の巨大な肖像画の上で手を振る習近平総書記。
ペンタスの白花
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9年前に共産党総書記を習近平に委譲した胡錦濤を従え、楼台に上がった現・元幹部たちが全員、背広にネクタイ姿。
習近平総書記だけ灰色の人民服姿というのは、「自分は毛沢東の後継者である」と、内外に宣布する目的と見えると近藤大介氏。
中国共産党創立100年、なぜ習近平は人民服姿で登壇したか 東アジア「深層取材ノート」(第93回) | JBpress (ジェイビープレス) 2021.7.1(木) 近藤 大介
その男、習近平総書記(68歳)は、7月1日午前8時57分、さながら故・毛沢東主席の亡霊のように、毛主席が愛用していた灰色の人民服を着て、「慶祝中国共産党成立100周年大会」が開かれる天安門の楼台に現れた。向かって右横には、9年前に共産党総書記を習近平に委譲した胡錦濤を従えている。
楼台に上がった現・元幹部たちが全員、背広にネクタイ姿なのに、習近平総書記だけ灰色の人民服姿というのは、「自分は毛沢東の後継者である」と、内外に宣布する目的と見える。
■党を称える歌を1000人が絶唱
天安門広場には、7万人の幹部や人民解放軍、若者代表たちが、一糸乱れず整列。習総書記は、彼らを満足げに睥睨した。思えば、共産党成立100周年のお祭りなのに、習総書記以下、厳めしい顔つきを崩さず、誰一人ニコリともしない。習近平時代になってから、この種の祝典から「笑顔」というものが消えた。
8時35分から「前座」として、緑に統一された制服姿の1000人の若者代表が、天安門広場で、中国共産党を称える6曲を絶唱した。6曲のタイトルは、『団結はまさにパワーだ』『われわれは大きな道の上を歩く』『社会主義はすばらしい』『われわれは共産主義の後継者』『新たな天地』『共産党がなければまさに新中国もなかった』。1989年にこの場所で血に染まった若者たち(天安門事件)を目撃してきた世代としては、複雑な思いが湧いてくる。その後、29機の空軍機が「100」の字をかたどった飛行を披露した。
9時1分、本日も司会進行役をやらされている党内序列ナンバー2の李克強首相が、「慶祝中国共産党成立100周年大会を現在開始する」と宣言。広場に置かれた56門の砲門から、100発の祝砲が鳴らされた。「56」は中華民族の数、「100」は「100周年」を表している。その間、赤絨毯が敷かれた「奮闘の道路」を、222人の軍人が、一歩一歩、合計100歩行進した。
行進が終わると、全員起立して国歌『義勇軍行進曲』斉唱と、国旗「五星紅旗」の掲揚。続いて全国人民代表大会常務委員会副委員長(国会副議長)で民革中央主席の万卾湘が、「尊敬する習近平総書記と偉大な中国共産党のための祝意」を述べた。習総書記は、ぶんむくれた表情で聞いている。
なぜこの無名の人士が登場したかと言えば、理由は二つだ。一つは、1949年にいまの中華人民共和国を建国した際、共産党の毛沢東主席が中心にはなったけれども、共産党を含めた9会派が民主的に建国したことになっている。そのため、いまだに共産党以外の8会派が盲腸のように存在し、「中国は共産党の独裁国家ではない」ことの根拠にしているのだ。もう一つは、その8会派が「自らの意志として」中国共産党(習近平総書記)の指導を仰いでいることを示すためだ。
■「偉大」を連呼
9時25分、いよいよ主役の習近平総書記の共産党100周年の重要講話が始まった。1時間5分に及ぶ長いスピーチだったが、キーワードは「偉大」である。何と46回も「偉大」を連呼したのだ。特に自己の政権のスローガンである「中華民族の偉大なる復興」というフレーズで、20回も繰り返したのだった。スピーチでこれだけ「お国自慢」を連呼するリーダーというのは、世界広しといえども習近平総書記だけだろう。
以下、スピーチの内容を具体的に見ていこう。まず、「歴史的な絶対貧困問題を解決し、いままさに意気軒高に全面的な社会主義現代化強国の『第2の100年』の奮闘目標建設に向けて邁進している」とした。習近平政権は、過去のどの王朝も成し遂げられなかった「貧困撲滅」を昨年末に達成したことを、長期政権を目論む自らの政権の正統性にしている。「第2の100年」というのは、「第1の100年」が毛沢東主席が率いた100年で、今日から始まる「第2の100年」は自分が率いる100年だという意味だ。つまり「毛沢東から習近平への継承」ということである。
続いて、「1840年のアヘン戦争以降、中国は次第に半植民地、半封建社会となり、国家・人民・文明は屈辱を受け、中華民族は前代未聞の苦難に遭った。その時から、中華民族の偉大なる復興という最も偉大な夢を実現しようとした」。このように、「1840年前の中国に戻す」というのが、「習近平史観」の根幹をなしている。
その後、「北伐戦争、土地革命戦争、抗日戦争、解放戦争を経て、武装した革命が武装した反革命に反対し、帝国主義、封建主義、官僚資本主義の3つの大山を押し倒して、中国人民は立ち上がった」。この「立ち上がった」というのは、1949年に毛沢東主席が天安門の楼台に上がり、中華人民共和国の建国を宣言したことを指している。
「中華民族の偉大なる復興を実現するため、中国共産党が団結して率いた中国人民は、自力更生、発奮強化し、社会主義革命と建設の偉大な成就を創造した。ただ社会主義だけが中国を救ったのであり、ただ中国の特色ある社会主義だけが中国を発展させられたのだ! 生産力が立ち遅れた状況だったのが、世界第2の経済大国という歴史的な突破を実現させた」
大躍進や文化大革命などはきれいさっぱり忘れ、鄧小平党軍事委主席の改革開放によって経済発展したことを強調している。中国が日本を追い越して世界第2位の経済大国になったのは、2010年のことだった。
■「台湾統一は中国共産党の歴史的任務」
再び、中国共産党の偉大性を繰り返す。
「中華民族の近代以降の180年余りの歴史、中国共産党成立以来100年の歴史、中華人民共和国成立以来70年余りの歴史が十分証明しているのは、中国共産党がなければ新中国もなく、中華民族の偉大なる復興もないということだ。歴史と人民が中国共産党を選んだのだ。引き続き、現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義を発展させていく!」
習近平総書記の最大のバックボーンである人民解放軍についても力強く言及した。
「新たな道のりでは、必ずや新時代の党の強軍思想を全面的に貫徹せねばならない。新時代の軍事戦略方針を貫徹し、党の軍隊に対する絶対指導を堅持し、中国の特色ある強軍の道を堅持し、政治建軍、改革強軍、科技強軍、人材強軍、法治軍隊を全面的に推進し、人民の軍隊を世界一流の軍隊に建設し、さらに強大な能力と可能な手段をもって国賀主権、安全、発展の利益を死守するのだ!」
注目していた香港と台湾に関しては、最後のところで言及した。
「われわれは全面的に確実に、『一国二制度』『香港人による香港の自治』『マカオ人によるマカオの自治』の高度な自治の方針を貫徹していく。中央の香港、マカオ特別行政区の管理、統治権を定着させ、特別行政区の国家安全の法律制度と執行体制の維持、保護を定着させていく。国家主権、安全、発展の利益を維持、保護していく。特別行政区の社会大局の安定を維持、保護し、香港とマカオの長期繁栄と安定を保持していく。
台湾問題を解決し、祖国の完全統一を実現することは、中国共産党の意志が変わらぬ歴史的任務であり、中華の子女全体の共同の願望だ。一つの中国の原則と『92コンセンサス』を堅持し、祖国の平和統一の道のりを推進していく。両岸の同胞を含むあらゆる中華の子女は、共に和して団結して前を向き、いかなる『台湾独立』のたくらみも決然と粉砕し、民族復興の美しい未来を共に創っていく必要がある。いかなる者も、中国人民が国家主権と領土の完備を死守していくという堅強な決心、固い意志、強大な能力を低く見るべきではない!」
香港と台湾に関しては、特に真新しい発言は見られなかったが、「発言と行動」が近づいてきていることが、最近の懸念である。
■中国共産党員、数年のうちに1億人に
最後に、こう結んだ。
「100年前、中国共産党はただ50人ほどの党員で成立させたが、いまでは9500万人を超える党員を擁している。14億人以上の人口大国をリードし、全世界に重大な影響を与える世界第一の執政党となっている。
偉大で光栄で正確な中国共産党万歳! 偉大で光栄で英雄的な中国人民万歳!」
最後の二言は、習総書記が右手の拳を振り上げて叫んだ。習総書記が述べたように、今年6月5日現在、中国共産党の党員数は9514万8000人で、あと2年か3年で1億人を超える。
巨竜と化した中国共産党は、どこへ行くのか? 前世紀のソ連共産党は、「理想はこの上なく高邁で、行動はこの上なくえげつない」と揶揄されたものだが、習総書記率いる中国共産党は、アジアで尊敬される存在になってほしいものだ。
その男、習近平総書記(68歳)は、7月1日午前8時57分、さながら故・毛沢東主席の亡霊のように、毛主席が愛用していた灰色の人民服を着て、「慶祝中国共産党成立100周年大会」が開かれる天安門の楼台に現れた。向かって右横には、9年前に共産党総書記を習近平に委譲した胡錦濤を従えている。
楼台に上がった現・元幹部たちが全員、背広にネクタイ姿なのに、習近平総書記だけ灰色の人民服姿というのは、「自分は毛沢東の後継者である」と、内外に宣布する目的と見える。
■党を称える歌を1000人が絶唱
天安門広場には、7万人の幹部や人民解放軍、若者代表たちが、一糸乱れず整列。習総書記は、彼らを満足げに睥睨した。思えば、共産党成立100周年のお祭りなのに、習総書記以下、厳めしい顔つきを崩さず、誰一人ニコリともしない。習近平時代になってから、この種の祝典から「笑顔」というものが消えた。
8時35分から「前座」として、緑に統一された制服姿の1000人の若者代表が、天安門広場で、中国共産党を称える6曲を絶唱した。6曲のタイトルは、『団結はまさにパワーだ』『われわれは大きな道の上を歩く』『社会主義はすばらしい』『われわれは共産主義の後継者』『新たな天地』『共産党がなければまさに新中国もなかった』。1989年にこの場所で血に染まった若者たち(天安門事件)を目撃してきた世代としては、複雑な思いが湧いてくる。その後、29機の空軍機が「100」の字をかたどった飛行を披露した。
9時1分、本日も司会進行役をやらされている党内序列ナンバー2の李克強首相が、「慶祝中国共産党成立100周年大会を現在開始する」と宣言。広場に置かれた56門の砲門から、100発の祝砲が鳴らされた。「56」は中華民族の数、「100」は「100周年」を表している。その間、赤絨毯が敷かれた「奮闘の道路」を、222人の軍人が、一歩一歩、合計100歩行進した。
行進が終わると、全員起立して国歌『義勇軍行進曲』斉唱と、国旗「五星紅旗」の掲揚。続いて全国人民代表大会常務委員会副委員長(国会副議長)で民革中央主席の万卾湘が、「尊敬する習近平総書記と偉大な中国共産党のための祝意」を述べた。習総書記は、ぶんむくれた表情で聞いている。
なぜこの無名の人士が登場したかと言えば、理由は二つだ。一つは、1949年にいまの中華人民共和国を建国した際、共産党の毛沢東主席が中心にはなったけれども、共産党を含めた9会派が民主的に建国したことになっている。そのため、いまだに共産党以外の8会派が盲腸のように存在し、「中国は共産党の独裁国家ではない」ことの根拠にしているのだ。もう一つは、その8会派が「自らの意志として」中国共産党(習近平総書記)の指導を仰いでいることを示すためだ。
■「偉大」を連呼
9時25分、いよいよ主役の習近平総書記の共産党100周年の重要講話が始まった。1時間5分に及ぶ長いスピーチだったが、キーワードは「偉大」である。何と46回も「偉大」を連呼したのだ。特に自己の政権のスローガンである「中華民族の偉大なる復興」というフレーズで、20回も繰り返したのだった。スピーチでこれだけ「お国自慢」を連呼するリーダーというのは、世界広しといえども習近平総書記だけだろう。
以下、スピーチの内容を具体的に見ていこう。まず、「歴史的な絶対貧困問題を解決し、いままさに意気軒高に全面的な社会主義現代化強国の『第2の100年』の奮闘目標建設に向けて邁進している」とした。習近平政権は、過去のどの王朝も成し遂げられなかった「貧困撲滅」を昨年末に達成したことを、長期政権を目論む自らの政権の正統性にしている。「第2の100年」というのは、「第1の100年」が毛沢東主席が率いた100年で、今日から始まる「第2の100年」は自分が率いる100年だという意味だ。つまり「毛沢東から習近平への継承」ということである。
続いて、「1840年のアヘン戦争以降、中国は次第に半植民地、半封建社会となり、国家・人民・文明は屈辱を受け、中華民族は前代未聞の苦難に遭った。その時から、中華民族の偉大なる復興という最も偉大な夢を実現しようとした」。このように、「1840年前の中国に戻す」というのが、「習近平史観」の根幹をなしている。
その後、「北伐戦争、土地革命戦争、抗日戦争、解放戦争を経て、武装した革命が武装した反革命に反対し、帝国主義、封建主義、官僚資本主義の3つの大山を押し倒して、中国人民は立ち上がった」。この「立ち上がった」というのは、1949年に毛沢東主席が天安門の楼台に上がり、中華人民共和国の建国を宣言したことを指している。
「中華民族の偉大なる復興を実現するため、中国共産党が団結して率いた中国人民は、自力更生、発奮強化し、社会主義革命と建設の偉大な成就を創造した。ただ社会主義だけが中国を救ったのであり、ただ中国の特色ある社会主義だけが中国を発展させられたのだ! 生産力が立ち遅れた状況だったのが、世界第2の経済大国という歴史的な突破を実現させた」
大躍進や文化大革命などはきれいさっぱり忘れ、鄧小平党軍事委主席の改革開放によって経済発展したことを強調している。中国が日本を追い越して世界第2位の経済大国になったのは、2010年のことだった。
■「台湾統一は中国共産党の歴史的任務」
再び、中国共産党の偉大性を繰り返す。
「中華民族の近代以降の180年余りの歴史、中国共産党成立以来100年の歴史、中華人民共和国成立以来70年余りの歴史が十分証明しているのは、中国共産党がなければ新中国もなく、中華民族の偉大なる復興もないということだ。歴史と人民が中国共産党を選んだのだ。引き続き、現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義を発展させていく!」
習近平総書記の最大のバックボーンである人民解放軍についても力強く言及した。
「新たな道のりでは、必ずや新時代の党の強軍思想を全面的に貫徹せねばならない。新時代の軍事戦略方針を貫徹し、党の軍隊に対する絶対指導を堅持し、中国の特色ある強軍の道を堅持し、政治建軍、改革強軍、科技強軍、人材強軍、法治軍隊を全面的に推進し、人民の軍隊を世界一流の軍隊に建設し、さらに強大な能力と可能な手段をもって国賀主権、安全、発展の利益を死守するのだ!」
注目していた香港と台湾に関しては、最後のところで言及した。
「われわれは全面的に確実に、『一国二制度』『香港人による香港の自治』『マカオ人によるマカオの自治』の高度な自治の方針を貫徹していく。中央の香港、マカオ特別行政区の管理、統治権を定着させ、特別行政区の国家安全の法律制度と執行体制の維持、保護を定着させていく。国家主権、安全、発展の利益を維持、保護していく。特別行政区の社会大局の安定を維持、保護し、香港とマカオの長期繁栄と安定を保持していく。
台湾問題を解決し、祖国の完全統一を実現することは、中国共産党の意志が変わらぬ歴史的任務であり、中華の子女全体の共同の願望だ。一つの中国の原則と『92コンセンサス』を堅持し、祖国の平和統一の道のりを推進していく。両岸の同胞を含むあらゆる中華の子女は、共に和して団結して前を向き、いかなる『台湾独立』のたくらみも決然と粉砕し、民族復興の美しい未来を共に創っていく必要がある。いかなる者も、中国人民が国家主権と領土の完備を死守していくという堅強な決心、固い意志、強大な能力を低く見るべきではない!」
香港と台湾に関しては、特に真新しい発言は見られなかったが、「発言と行動」が近づいてきていることが、最近の懸念である。
■中国共産党員、数年のうちに1億人に
最後に、こう結んだ。
「100年前、中国共産党はただ50人ほどの党員で成立させたが、いまでは9500万人を超える党員を擁している。14億人以上の人口大国をリードし、全世界に重大な影響を与える世界第一の執政党となっている。
偉大で光栄で正確な中国共産党万歳! 偉大で光栄で英雄的な中国人民万歳!」
最後の二言は、習総書記が右手の拳を振り上げて叫んだ。習総書記が述べたように、今年6月5日現在、中国共産党の党員数は9514万8000人で、あと2年か3年で1億人を超える。
巨竜と化した中国共産党は、どこへ行くのか? 前世紀のソ連共産党は、「理想はこの上なく高邁で、行動はこの上なくえげつない」と揶揄されたものだが、習総書記率いる中国共産党は、アジアで尊敬される存在になってほしいものだ。
司会進行役をやらされているのは、党内序列ナンバー2の李克強首相。
習近平総書記の共産党100周年の重要講話のキーワードは「偉大」。46回も「偉大」を連呼し、特に自己の政権のスローガンである「中華民族の偉大なる復興」というフレーズで、20回も繰り返した。
スピーチでこれだけ「お国自慢」を連呼するリーダーというのは、世界広しといえども習近平総書記だけだろうと近藤氏。
スピーチでは、まず、「歴史的な絶対貧困問題を解決し、いままさに意気軒高に全面的な社会主義現代化強国の『第2の100年』の奮闘目標建設に向けて邁進している」とした。
「第1の100年」が毛沢東主席が率いた100年で、今日から始まる「第2の100年」は自分が率いる100年だという意味。
過去のどの王朝も成し遂げられなかった「貧困撲滅」を昨年末に達成したことを、長期政権を目論む自らの政権の正統性にしていると近藤氏。
続いて、「1840年のアヘン戦争以降、中国は次第に半植民地、半封建社会となり、国家・人民・文明は屈辱を受け、中華民族は前代未聞の苦難に遭った。その時から、中華民族の偉大なる復興という最も偉大な夢を実現しようとした」。
中国共産党成立以来100年の歴史、中華人民共和国成立以来70年余りの歴史が、社会主義革命と建設の偉大な成就を創造。
ただ社会主義だけが中国を救ったのであり、ただ中国の特色ある社会主義だけが中国を発展させられた。世界第2の経済大国という歴史的な突破を実現させたと習近平。
「中国共産党がなければ新中国もなく、中華民族の偉大なる復興もないということだ。歴史と人民が中国共産党を選んだのだ。引き続き、現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義を発展させていく!」と。
大躍進や文化大革命などはきれいさっぱり忘れ、鄧小平党軍事委主席の改革開放によって経済発展したことを強調していると近藤氏。
香港と台湾に関しては、最後のところで言及。
『一国二制度』『香港人による香港の自治』『マカオ人によるマカオの自治』の高度な自治の方針を貫徹していく。中央の香港、マカオ特別行政区の管理、統治権を定着させ、香港とマカオの長期繁栄と安定を保持していくと習近平。
台湾問題を解決し、祖国の完全統一を実現することは、中国共産党の意志が変わらぬ歴史的任務。いかなる『台湾独立』のたくらみも決然と粉砕すると。
香港と台湾に関しては、特に真新しい発言は見られなかったが、「発言と行動」が近づいてきていることが、最近の懸念であると近藤氏。
習近平は最後に、「100年前、中国共産党はただ50人ほどの党員で成立させたが、いまでは9500万人を超える党員を擁している。14億人以上の人口大国をリードし、全世界に重大な影響を与える世界第一の執政党となっている。偉大で光栄で正確な中国共産党万歳! 偉大で光栄で英雄的な中国人民万歳!」と結んだのだそうです。
巨竜と化した中国共産党は、どこへ行くのか?習総書記率いる中国共産党は、アジアで尊敬される存在になってほしいものだと近藤氏。
習近平が思い描いている、偉大な復活の夢と、世界が包囲網を築こうとしている乖離が広がりつつあるのが現実で、乖離による危機が高まっていますね。
# 冒頭の画像は、故・毛沢東主席の巨大な肖像画の上で手を振る習近平総書記。
ペンタスの白花
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