遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

集団的自衛権に麻生首相が動いた。

2009-04-26 23:22:45 | EEZ 全般

 今朝のサンデーモーニングでは、海賊対処法案の衆議院通過について、関口宏はもとより、全コメンテータが異論を唱えていました。民主党大好き(社民・共産にも近い)メンバーで占められている番組ですから当然ですが、日本は普通の国になろうとしていると非難しているのです。武力を行使しない理想を追求する国になるべきと...。
 売国政治家や団体・政党が唱えていることそのままです。主要局の長寿番組ですが、政府の批判で一色のコメンテータ陣という傾向が強まってきていて、異様です。長寿なのですから、それだけの視聴率(=支持かは?)はあるのでしょう。


 そんな戦後後遺症から脱しきれない日本を変えようとして撃沈された安倍総理の遺産を、麻生総理が藏から出してみました。十八番の悪癖で終わらなければ、歴史に名を残す総理になれますが...?
 

集団的自衛権 首相、呪縛断つか 現行解釈は現場と乖離 (4/24 産経)

 集団的自衛権を「持っているが行使できない」とする奇妙な政府解釈は、歴代政権の懸案だったが、内閣法制局や野党の激しい抵抗により棚上げされてきた。だが、国連の平和維持活動(PKO)に加え、「テロとの戦い」や海賊対策などにより、自衛隊が海外で活動する場が増えるにつれ、避けては通れない喫緊の課題となっている。「国民の生命と安全を守ることが国家最大の責務だ」と断じてきた麻生太郎首相は、戦後民主主義の呪縛(じゅばく)を断ち切ることができるのか-。

 憲法が禁じる「海外での武力行使」の解釈が国会の争点となったのは、1990年の湾岸戦争がきっかけだった。多額の資金援助をしながら国際社会の批判を浴び、政府・自民党はPKO参加に向け、方針を転換。野党との攻防の末、平成4年6月にPKO協力法を成立させた。

 だが、国連の活動でも「武力行使にあたる場合がある」とする政府解釈により、現在でも他国の部隊が攻撃された場合に助けに向かう「駆け付け警護」や任務の妨害を排除するための武器使用は認められない。同じ議論がインド洋での給油活動やソマリア沖の海賊対策でも繰り返され、「国際水準」での他国との連携ができない状況にある。

 集団的自衛権では、94年の朝鮮半島危機と96年の台湾海峡危機を受けて見直された「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」とその後の有事法制の整備過程で対米支援の限界が明らかになった。政府は戦闘が行われていない「後方地域」という概念を生み出して補給や避難民の輸送を行うとしているが、実効性がどの程度あるかは疑問だ。

 弾道ミサイル防衛(MD)でも、政府は米国を狙ったミサイルの迎撃は「集団的自衛権の行使で憲法上の問題を生じる」(内閣法制局)としている。だが、仮に日本が迎撃しなかった場合、日米同盟が重大な危機を迎えるのは明らかだ。

 米オバマ政権は国際社会の秩序維持に対する同盟国の役割増加を求めており、今後、自衛隊への海外派遣や対米協力の圧力はますます高まるとみられる。このまま、政府が集団的自衛権や国連など集団安全保障への参加をめぐる現行解釈を維持し続ければ、法解釈とのギャップを埋めるため、現場の自衛官に「違憲」な行動を強要することにもなりかねない。(田中靖人)


 安倍総理(当時)の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で座長を務めた柳井俊二元駐米大使と麻生首相が首相官邸で会談し、柳井氏は、現行の政府解釈の変更が喫緊のテーマであることを説明されたのだそうです。
 安保法制懇の報告書は、集団的自衛権の行使を認めるよう政府解釈を変更するよう答申していたのですが、福田首相(当時)に封印されお蔵入りになっていたのでした。

 麻生首相も就任当初は解釈変更に前向きな考えを表明していたのですが、慎重姿勢に転じ今日に至っていたのですが、ソマリアの海自覇権の他に、北朝鮮のミサイル、中国の海軍力増強による尖閣領有への覇権拡大圧力(領海侵犯)などでの日米安全保障条約履行での困難さなどから、集団的自衛権を行使できるように解釈変更が必要な状況が差し迫っていると判断したとのみかたがあります。

 遊爺は、ここ数回のアップで、米国の新民主党政権の日米安保への姿勢変換について触れていましたが、同時に日本の制約についても書きました。
 米国に向けて発射されたミサイルは、日本を標的にしていないので迎撃しないという日本。米国に限らず、そんな国と同盟を結んで、自国の若者が命を落としながら護ろうとする国がどこにあるでしょうか!
 海賊に襲われる日本の船は護って下さい。私たちは危険な処には出かけません。お金でお支払いします。そのやりかたは、既に国際的に通用しなくなったのです。海賊退治は海上保安庁の仕事だし、テロと自衛隊が戦うことになったらどうするのかと反対を唱え、自分はぬくぬくと安全で豊かな生活を続けている。
 経費削減のご時世に、この現場感覚が抜けていて平和ボケしている高給とり解説者を何人も同じ事を言う輩を揃える無駄遣いをするTBS。
 派遣切りもさることながら、多くのサラリーマンも残業カット、給与・ボーナスカットされているのです。
 話が横道にそれてしまいました。

 普通の国になって友達の輪を増やすことが、まず世界への発信が出来話を聞いて貰える始まりです。その中で、核兵器の削減・排除、紛争地域での平和の元となる国民の暮らしの安定への働きかけをすればいいのです。
 その前の基本として、我が国の国民と国の安全保障、近隣の武力による覇権拡大指向の国から護ること、エネルギーや食の安全保障がなければ、飢え死にすることになります。
 日本と後世の日本人に、そんな道を残してはいけません。
 麻生さんが、思いつきの気まぐれで開いた藏かもしれませんが、是非実行に移して頂きたい、へんちくりんで、見直すことで普通で当たり前な国に日本が変われる政府見解の変更です。





↓ よろしかったら、お願いします。


中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日―一極主義 vs 多極主義 中国の戦略的海洋進出

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロシアの電子偵察機が、日米... | トップ | 北方領土の話題が頻繁にとり... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

EEZ 全般」カテゴリの最新記事