北朝鮮は、ミサイルの発射時間を、米中露には事前に通報していたのだそうです。
それによって、ロシア空軍の電子情報収集機「IL20」が日本海上空で待機し、日米のレーダーが実戦モードで稼働し照射する電波の周波数帯や、MD運用に伴う自衛隊各部隊の役割分担に関する情報を集めたのだそうです。
驚いたのは、中露のみならず、米にも事前通報されていたこと。感心したのは、この機を逃さず軍事利用したロシア空軍の事前準備と作戦。そして日本が無防備(情報収集をなされるがまま、みているしかない作戦力のなさ)であることの再認識をさせられました。
北朝鮮が、ミサイル発射時間を事前に教えることで容易に実現されてしまった情報収集で、北朝鮮はロシアに貸しを作ったことになりますし、NATOによるMD配備網にも備えねばならないロシアにとっては、貴重な実戦状況での情報収集が出来た様です。
LI20の情報収集活動は周到に準備されていたのだそうですが、日本はスクランブルするだけでなすがままをみているしかないという、悔しい状況だったようです。
米軍が保有する最新鋭のミサイル追尾レーダーである「海上配備Xバンドレーダー(SBX)」の使用が北方軍の展開要請にもかかわらず、ゲーツ国防長官に却下されていたのだそうです。
6ヶ国協議への配慮との見方がありますが、米の日本より、中国への配慮を優先させる姿勢とのひがみも無くはありません。
しかし、ロシアのこの作戦を聞くと、補修作業中との理由より真実味のある使用断念理由で、米国の作戦が伺えます。
初めての実戦配備での稼働で、日米も収穫は多かったのだと願っていますし、偵察は想定内であったのでしょうから、その対策(周波数把握対策他)もなされていたあるいは、なされると期待したいのてすが、どうなのでしょう?
↓ よろしかったら、お願いします。
それによって、ロシア空軍の電子情報収集機「IL20」が日本海上空で待機し、日米のレーダーが実戦モードで稼働し照射する電波の周波数帯や、MD運用に伴う自衛隊各部隊の役割分担に関する情報を集めたのだそうです。
驚いたのは、中露のみならず、米にも事前通報されていたこと。感心したのは、この機を逃さず軍事利用したロシア空軍の事前準備と作戦。そして日本が無防備(情報収集をなされるがまま、みているしかない作戦力のなさ)であることの再認識をさせられました。
露軍機、MD網偵察 日米レーダー情報収集 北ミサイル発射時 (4/16 産経)
北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した際、ロシアの情報収集機が日米両国のミサイル防衛(MD)システムの運用を偵察していたことが15日、分かった。北朝鮮からの発射時間帯の事前通報をもとに日本海で待機。日米のレーダー網が実戦モードで照射した電波の周波数帯や、MD運用に伴う自衛隊各部隊の役割分担に関する情報を集めたとみられる。日本海を舞台にした激しい情報戦の一端が浮き彫りになった形だ。
偵察飛行を行っていたのは、ロシア空軍の電子情報収集機「IL20」。防衛省によると、IL20はこれまでにも日本周辺への飛来が確認されている。先月にも2度、日本海を偵察飛行しており、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)している。
北朝鮮のミサイル発射は今月5日午前11時半。IL20はその約30分前に北海道沖から日本海を南下し、北朝鮮が設定したミサイルの1段目ブースター(推進エンジン)の落下危険区域の上空を通過した。発射時には、さらに南下したところで待機していた。
ミサイル発射を受け、探知・追尾のため、海上自衛隊のイージス艦3隻のSPY1、地上に配備した空自の2基のFPS-5、4基のFPS-3改のレーダーが一斉に照射。米軍も日本海と太平洋に2隻ずつ展開していたイージス艦、青森県に配備しているXバンドレーダーを稼働させた。
IL20はMDでの各レーダーの電波の周波数帯、照射方法や探索パターン、レーダー同士の任務分担などを確認したとみられる。周波数帯を把握されると、妨害電波でレーダーが無力化される恐れがある。
MD任務の際、イージス艦はレーダーの機能をミサイル探知にシフトさせ、航空機などを警戒する防空能力が手薄になる。航空機やほかの護衛艦のレーダーで防空能力を補完するとされ、IL20は海・空自の部隊の連携などMDでの「戦い方」を把握。海自のEP3、空自のYS11Eといった電子偵察機の情報収集任務にも注目していた可能性が高い。
情報収集機が飛来した場合、訓練であればレーダーの照射を控える。だが、今回は北朝鮮の発射に対処する実任務だったため、自衛隊はレーダー網をフル稼働させざるを得なかった。
空自戦闘機はスクランブルで警戒し、IL20は領空侵犯はしていない。IL20は2、3時間にわたり、日本近海で偵察を続け、隠岐の島(島根県)付近まで飛行した後、ロシアに戻っていった。
北朝鮮は発射当日、米中露3カ国に発射時間帯を事前に通報したとされ、ロシア空軍は周到にIL20による偵察飛行の計画を立てたとみられている。
北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した際、ロシアの情報収集機が日米両国のミサイル防衛(MD)システムの運用を偵察していたことが15日、分かった。北朝鮮からの発射時間帯の事前通報をもとに日本海で待機。日米のレーダー網が実戦モードで照射した電波の周波数帯や、MD運用に伴う自衛隊各部隊の役割分担に関する情報を集めたとみられる。日本海を舞台にした激しい情報戦の一端が浮き彫りになった形だ。
偵察飛行を行っていたのは、ロシア空軍の電子情報収集機「IL20」。防衛省によると、IL20はこれまでにも日本周辺への飛来が確認されている。先月にも2度、日本海を偵察飛行しており、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)している。
北朝鮮のミサイル発射は今月5日午前11時半。IL20はその約30分前に北海道沖から日本海を南下し、北朝鮮が設定したミサイルの1段目ブースター(推進エンジン)の落下危険区域の上空を通過した。発射時には、さらに南下したところで待機していた。
ミサイル発射を受け、探知・追尾のため、海上自衛隊のイージス艦3隻のSPY1、地上に配備した空自の2基のFPS-5、4基のFPS-3改のレーダーが一斉に照射。米軍も日本海と太平洋に2隻ずつ展開していたイージス艦、青森県に配備しているXバンドレーダーを稼働させた。
IL20はMDでの各レーダーの電波の周波数帯、照射方法や探索パターン、レーダー同士の任務分担などを確認したとみられる。周波数帯を把握されると、妨害電波でレーダーが無力化される恐れがある。
MD任務の際、イージス艦はレーダーの機能をミサイル探知にシフトさせ、航空機などを警戒する防空能力が手薄になる。航空機やほかの護衛艦のレーダーで防空能力を補完するとされ、IL20は海・空自の部隊の連携などMDでの「戦い方」を把握。海自のEP3、空自のYS11Eといった電子偵察機の情報収集任務にも注目していた可能性が高い。
情報収集機が飛来した場合、訓練であればレーダーの照射を控える。だが、今回は北朝鮮の発射に対処する実任務だったため、自衛隊はレーダー網をフル稼働させざるを得なかった。
空自戦闘機はスクランブルで警戒し、IL20は領空侵犯はしていない。IL20は2、3時間にわたり、日本近海で偵察を続け、隠岐の島(島根県)付近まで飛行した後、ロシアに戻っていった。
北朝鮮は発射当日、米中露3カ国に発射時間帯を事前に通報したとされ、ロシア空軍は周到にIL20による偵察飛行の計画を立てたとみられている。
北朝鮮が、ミサイル発射時間を事前に教えることで容易に実現されてしまった情報収集で、北朝鮮はロシアに貸しを作ったことになりますし、NATOによるMD配備網にも備えねばならないロシアにとっては、貴重な実戦状況での情報収集が出来た様です。
LI20の情報収集活動は周到に準備されていたのだそうですが、日本はスクランブルするだけでなすがままをみているしかないという、悔しい状況だったようです。
米軍が保有する最新鋭のミサイル追尾レーダーである「海上配備Xバンドレーダー(SBX)」の使用が北方軍の展開要請にもかかわらず、ゲーツ国防長官に却下されていたのだそうです。
6ヶ国協議への配慮との見方がありますが、米の日本より、中国への配慮を優先させる姿勢とのひがみも無くはありません。
しかし、ロシアのこの作戦を聞くと、補修作業中との理由より真実味のある使用断念理由で、米国の作戦が伺えます。
初めての実戦配備での稼働で、日米も収穫は多かったのだと願っていますし、偵察は想定内であったのでしょうから、その対策(周波数把握対策他)もなされていたあるいは、なされると期待したいのてすが、どうなのでしょう?
【塩爺のよく聞いてください】元財務相・塩川正十郎 国防再考こそ「北の教訓」 (4/16 産経)
<前略>
いざというときに右往左往しなくて済むよう、われわれは今の自衛隊の能力だけで国防の責任を果たさせることができるのかどうかを、真剣に考えておくべきではないか。今回の発射で、生かすべき教訓が得られたと考え、ピンチに対応する能力を向上させることが必要だ。自衛隊の編成、装備を根本的に見直し、人材育成にも真剣に取り組んでもらいたい。
私は現在の防衛予算が多額であるとは思わない。むしろ、必要な出費は惜しむべきではないと考えているが、予算の使い方に反省すべき点があった。
まず、迎撃のための体制整備や情報探知能力にもっと予算を充てるべきだ。日本は、ミサイル発射を探知する早期警戒衛星を持っていないため、米国からの情報に頼った。早期警戒衛星を自前で持つことや、ミサイルの通り道となった東北地方の部隊に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備することも、住民の不安解消のために考えてみてはどうか。
<中略>
わが国の周辺に暴力で国益を得ようとする冒険国家がある以上、もっと国防に力を入れるべきだ。6カ国協議などの場で北朝鮮の暴発を防ぐことは大事だが、外交だけでは安全を確保できない。自衛隊の対処能力を完全なものとし、国論を統一して国家としての意志を明確にすることが肝心だ。
<前略>
いざというときに右往左往しなくて済むよう、われわれは今の自衛隊の能力だけで国防の責任を果たさせることができるのかどうかを、真剣に考えておくべきではないか。今回の発射で、生かすべき教訓が得られたと考え、ピンチに対応する能力を向上させることが必要だ。自衛隊の編成、装備を根本的に見直し、人材育成にも真剣に取り組んでもらいたい。
私は現在の防衛予算が多額であるとは思わない。むしろ、必要な出費は惜しむべきではないと考えているが、予算の使い方に反省すべき点があった。
まず、迎撃のための体制整備や情報探知能力にもっと予算を充てるべきだ。日本は、ミサイル発射を探知する早期警戒衛星を持っていないため、米国からの情報に頼った。早期警戒衛星を自前で持つことや、ミサイルの通り道となった東北地方の部隊に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備することも、住民の不安解消のために考えてみてはどうか。
<中略>
わが国の周辺に暴力で国益を得ようとする冒険国家がある以上、もっと国防に力を入れるべきだ。6カ国協議などの場で北朝鮮の暴発を防ぐことは大事だが、外交だけでは安全を確保できない。自衛隊の対処能力を完全なものとし、国論を統一して国家としての意志を明確にすることが肝心だ。
塩爺は、人材育成も訴えておられます。ロシアでは、士官学校がエリートコースとして志望者が増え狭き門となっているのだそうですが、米露の先端の作戦のやりとりに互して行ける人材と、奥の深い設備や装備の増強が望まれます。
↓ よろしかったら、お願いします。