遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

英国はお金に眩んで中国に隷属してしまった

2015-10-22 23:58:58 | 中国 全般
 習近平の訪英では、英国は最大級の歓待で応じ、キャメロン首相は英中の黄金時代の到来と絶賛しています。
 キャメロン首相が2012年、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマl4世と会談したことで、中国が対英外交で強行姿勢を示し、交流が疎遠となり、独、仏に後れをとった英国は、対中経済交流挽回の為、信念も恥もかなぐり捨てて隷属外交姿勢に転じているのです。女王陛下に、まるで"たいこもち"の様な役回りをさせています。
 香港での学生らの民主化運動にも静観し、AIIBには、G7の中で率先して加盟し、中国への隷属姿勢を示しました。
 対中経済交流の遅れを取り戻すことと、人民元の台頭を機に、世界の金融の中心の地位を、ニューヨークから護る為なのですね。
 しかし、エネルギー安全保障にかかわる原発や、基幹インフラの鉄道を、中国にゆだねる判断は、リスクが大きく大冒険と言えます。原発も高速鉄道も、フランスが先端を走っていますが、その対抗のためなのでしょうか?鉄道は、日立が英北部に車両工場を完成させているのですが?

 
「英国は中国から高速鉄道車両を買わない」 日立の交通CEO、現地生産に強み - 産経ニュース
 
中国外交 英に照準 習主席 訪問 経済武器に関係を強化 (10/22 読売朝刊)

 【ロンドン=角谷志保美】習近平中国国家主席とキャメロン英首相は21日、ロンドンで会談し、原子力発電所や高速鉄道の建設協力など総額約400億ポンド(約7兆4000億円)にのぼる両国の経済案件について協議した。習政権は対米関係で改善が見込めないなか、「経済外交」を武器に英国との関係を深めようとしている


 習氏は首脳会談後の共同記者会見で「(会談では)重要な成果を得た。特に、
英南西部ヒンクリーポイントの原子力発電所への中国企業の参加は、今後の両国間の一層の協力増加につながる旗艦事業
だ」と語った。
 習氏は9月、米国を公式訪問したが、オバマ大統領との間では南シナ海の領有権問題やサイバー問題などで立場の違いが際立ち、大きな成果を残せなかった。
 中国の指導者が欧州を訪れる場合は、複数の国を歴訪することが多いが、習氏は今回、英国に絞り、英国重視の姿勢を示した。英国は欧州金融の中心で、先進7か国(G7)の一員でもある。
中国には、英国との関係強化を通じて、欧州各国や米国にも影響力を与えようという思惑
もある。
 英メディアによると、今回の首脳会談では、英国が新設する原子力発電所への中国の投資が焦点となった。将来、中国製の原子炉を導入する計画も議題にのぼった可能性がある。
 このほか、
高速鉄道建設など社会基盤事業への中国の投資や事業参画、中国人の訪英ビザ申請費用の値下げ、研究開発協力など、幅広い協力が話し合われた模様だ

 中国企業はすでに、ロンドン全域に水道水を提供する水道事業会社テムズ・ウォーターや、ヒースロー空港の株式などを保有している。ロンドンのテムズ河畔の再開発事業でも大きな役割を果たす。
英国に投資する利点について、劉暁明・駐英中国大使は、「他国なら認めないような分野にも投資を受け入れる
」と指摘した。
 中国メディアは、英王室による歓待を大々的に報じている。習氏にとって、
かつて中国を侵略した英国の王室関係者との華々しい映像は、国内での宣伝効果が高い
。「庶民派」を演出する習氏側の意向で、滞在中にパブに行き、英庶民の味、フィッシュ・アンド・チップスも食べる予定だ。

ロンドンで人民元手形 国外初
 【北東=鎌田秀男】中国人民銀行(中央銀行)は21日、英国との金融協力の一環として、ロンドンで
人民元建ての中央銀行手形50億元(約950億円)を発行したと発表した。人民銀が海外で元建て手形を発行するのは初めて。通貨・人民元をより多く流通させ、米ドルや日本円に並ぶ主要通貨とする「人民元の国際化」戦略を進める布石
だ。
 期間は1年で表面利率は3.1%。英国内で人民元の使い勝手が良くなる効果が見込まれる。人民銀は、
ロンドンで海外初の人民元建て国債も発行する見通しだ。国有の中国銀行も20日、ロンドンに金融商品の取引センターを開設した。

 英国内でも、中国偏重への非難の声があがっているそうです。当然ですね。
 

「黄金時代」英首相は強調 「人権棚上げ」批判の声 (10/22 読売朝刊)

 【ロンドン=角谷志保美】キャメロン英首相は習近平国家主席との共同記者会見で、中国の英原発への投資を「歴史的な取引」と評価し、英中の「黄金時代」を強調した。経済協力だけでなく、中国の人権問題も議論するとの姿勢を示したが、王室ぐるみでの習氏に対する厚遇に、英国内では「人権を棚上げしている」との批判が強い

 中英関係が進展したのはここ数年のことだ。
 
キャメロン首相が2012年、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマl4世と会談すると、中国は猛反発し、1年以上、首脳会談を拒否した。英国はその後、中国に対して人権問題などを強く提起していない
。昨年、香港で学生らの民主化運動が起き、当局と衝突した際も、旧宗主国でありながら関与を控えた。
 今年3月には先進7か国(G7)でいち早く、中国が主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」への参加を表明した。
 今回の習氏の訪英にあたっても、英国は習氏と彭麗媛夫人の宿泊先として、エリザベス女王の住居であるパッキンガム宮殿を提供。華やかな王室外交で歓待し、蜜月を演出している。
 しかし、
英国の軍、安全保障関係者は、原発事業などに中国が参加することに対し、「経済の可能性だけに目を向け、リスクを考慮していない」と批判。英中関係が悪化した際に、中国が原発事業に参画していることが悪用される恐れもある
と指摘している。
 
英主要紙も、人権問題を事実上棚上げするキャメロン政権について、社説などで、「経済関係は大事だが、そのために英国の価値観に背くべきではない」「利益と信念のバランスを欠く中国偏重だ」などと批判している。米国との「特別な関係」に、ひびが入ることを懸念する声
もある。
 オックスフォード大学のローズマリー・ブート教授(国際関係学)は、
「英国は海洋航行の自由や人権などにも関心を示し、もっと広い視野で中国とつきあうべきだ。経済に偏重しすぎると中国に足元を見られることになる」と指摘する。

 「英国による民主主義の講義は受け付けない」と、完全に上から目線の習近平。チャールス皇太子がひとり抵抗姿勢を示し、晩餐会を欠席したのですね。あまり好印象の無いチャールス皇太子でしたが、英国紳士の気骨を示した姿勢には、拍手を贈ります。
 
【習近平訪英】習氏演説の異様 「抗日」「日本の残虐性」晩餐会でも繰り返す チャールズ皇太子は欠席 - 産経ニュース

 人民元のSDR入りを切望している中国。為替の自由化を条件として、保留になり結論が先送りされています。
 この様子では、AIIB同様に、英国が中国のご機嫌とりで、賛成の先鞭をつけ推進役となりそうですね。

 かつて中国を植民地化していた英国が、今日では中国に隷属していいように振り回されて、エネルギー産業までゆだねてしまう。
 街頭インタビューに答える若い女性が「お金が出してもらえるなら、誰がだしたかは関係ない。」と答えていました。
 歴史と伝統を誇る不滅の大英帝国との自信が言わせているのか、面子など気にしない現代っ子堅気なのか。中国の覇権主義の実態を知らないのか。
 他国のことなので、その国の人々が選択することで、放置するしかありませんが、危険な匂いがします。



 # 冒頭の画像は、晩餐会で演説する習近平と、チャールス皇太子の弟のアンドリュー王子




  この花の名前は、フロックス


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