遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ホンダがホンダでなくなっている

2014-11-26 23:58:58 | my notice
 ホンダは、08年以降タカタ製エアバッグを搭載したクルマ、約660万台をリコールし、11月6日、さらに9車種の追加リコールが公表され、米上院で開かれる公聴会にタカタは出席しホンダも出席する見通しです。
 これだけでも北米進出を揺るがすとともにホンダのブランドイメージを失墜する出来事でしたが、ホンダは、死傷事故の米当局への報告漏れが1,729件あったと発表した(24日)のだそうです。
 タカタ製の欠陥エアバッグ問題をめぐる調査の過程で見つかったとのことですが、一段と厳しい追及をされることになりました。
 日本の製造業の躍進を担ってきた企業の1社といっても過言ではないホンダが、地に堕ちてしまいました。
 

死傷事故1729件未報告 米、ホンダ不信高まる (11/26 読売朝刊)

 自動車部品大手タカタ製の欠陥エアバッグ問題をめぐる調査の過程で、ホンダは24日、死傷事故の米当局への報告漏れが1729件あったと発表した。ホンダ車で2003年7月から今年6月末まで11年間に起きた計2873件の死傷事故の6割に当たる。欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で、タカタとホンダの対応は後手に回っており、一段と厳しい追及を受けるのは必至だ
。(ニューヨーク 越前谷知子、経済部 寺島真弓)

巨額制裁の可能性
■エアバッグ事故も

 ホンダの
伊東孝紳(たかのぶ)社長は25日、熊本県内で記者団に「色々な不手際が重なり申し訳ない」と陳謝した。そのうえで、「我々の考えることと米当局が求めることに違いがあった。現場の管理ミスが多かった」と述べ、隠蔽ではなく、単なるミスであると釈明した。
 米高速道路交通安全局(NHTSA)は、自動車メーカーに対し、車の構造的な欠陥などが原因と疑われる死傷事故について、情報を四半期ごとに速やかに報告する「早期警戒報告」を法律で義務付けている。事故を分析し、問題の芽を早くつもうという米国独自の仕組みだ。
 ホンダは、タカタ製エアバッグの8件の破裂事故(うち1件は死亡事故)を含む大規模な報告漏れを起こした。調査も後手に回った。ホンダによると、報告漏れの可能性については11年に把握していた。ホンダは「別の手段で当局に連絡していた」と言うが、外部の監査機関に調査を依頼したのは、タカタのリコール問題が深刻化した今年9月になってからだった。
 ブルームバーグ通信など米メディアによると、米国のリコール関連法で報告遅れは1件につき1日当たり7000ドル(約83万円)の制裁金を科される。米消費者団体は同法に基づき、法律上の上限となる3500万ドル(約41億円)の民事制裁金を科すようNHTSAに求めている。

■対応遅れ批判
 ホンダは
20日に開かれた米上院の公聴会でも、対応の遅れを厳しく追及されたばかりだ。米下院のエネルギー・商業委員会が12月3日に開く公聴会では、タカタだけでなく、ホンダにも批判の厳しい矛先が向かうことになりそうだ。
 米国のリコール問題に詳しいスカイライトコンサルティングの梅田昌寛氏は「米国では問題のある事象が発生した場合、原因の特定が完全でなくても届け出る。日本は原因を分析して特定し、対策がある程度まとまってから届け出る」と違いを指摘する。その上で、「米当局の不信を買っており、巨額の制裁金を科せられる可能性は高い」と厳しい先行きを予測する。

国交省、早期改修を指示…エアバッグ欠陥 10社の100万台
 タカタ製エアバッグの欠陥問題で、国土交通省は25日、情報収集や早期改修の促進のための対策推進本部を設置し、同社製エアバッグの欠陥を理由にリコールを届け出ている自動車メーカー10社に対し、改修が行われていない対象車約100万台の早期改修を指示したことを明らかにした。
 国交省によると、タカタ製エアバッグの欠陥による国内のリコール対象車は約254万台。このうち未改修は今年9月末で99万台余。国内では助手席のエアバッグが異常破裂する事故が4件報告されているが、負傷者は出ていない。
 同省は24日、自動車メーカー10社に対し、改修実施状況を毎月報告することなどを文書で指示した。


 車の構造的な欠陥などが原因と疑われる死傷事故について、情報を四半期ごとに速やかに報告することが法制化されているのに出来ておらず、我々の考えることと米当局が求めることに違いがあった。現場の管理ミスが多かった」と述べ、隠蔽ではなく、単なるミスであると釈明していると言うのですが?

 報告漏れが出る前の時点でさえ、ホンダがホンダらしさを失い、大企業化してきたと悪弊を指摘されていました。
 

ホンダ、「5度目のリコール」より深刻な問題  :日本経済新聞

<前略>
■失われる個性とチャレンジ精神

 軽自動車「Nシリーズ」をヒットさせて国内シェアを高め、構造改革を加速化させたほか、新興国でのホンダにとって初めて競争力ある小型車の投入など、「脱北米一本足」に向けて大きな成果をあげたのは確か。ハロー効果(後光効果)が期待される「NSX」が15年にはいよいよ発売され、さらにはF1での活躍も予感されます。リコール問題でかすんでしまった観がありますが、過去5年間の伊東改革はもっと評価されてもいいはずです。

 
リコールよりも、600万台未達よりも、もっと問題なのは、世界的に競争が激化する自動車市場のなかで「ホンダとは必要とされているブランドなのか」という根本的なものです。
脱米国一本足への改革は、生き残りをかけた戦略転換としてその妥当性を否定するものではありません。ただし、アジアでは小型車、日本では軽自動車と、最近のホンダのクルマは小型化・箱形状となり、個性を失っている印象があります。
 画期的な低公害エンジン「CVCC」、クーペ「プレリュード」、ミニバン「オデッセイ」など
ホンダは自他共に認める「ホンダしかできないこと」を次々に実現し、独特のホンダブランドを築いてきました。ところが、今では、「ホンダが我々を驚かせてくれる」というような期待感があまり持てません。商品的にとんがりが影を潜め、良く言えば「トヨタ」的、悪く言えば「大企業」的に傾いている
感が否めません。これではホンダブランドの希薄化につながります。
 リーマン・ショックは、先進国での成長力を喪失し新興国の自動車事業で決定的に出遅れるという、ホンダの基本戦略を揺るがせた大事でした。そこからの戦略転換とここまでの快進撃は、「さすがはホンダ」と評価できます。しかし、
規模拡大が結果としてホンダのチャレンジ精神を失う契機となるのでは、600万台から先の視界は不良と言わざるを得ません。今こそ求められるのは、ホンダのチャレンジ精神なのです

 ホンダが大企業病に犯されて、ホンダらしさを失っている。
 一部の例外を除いて、日本の大手製造業全体に言えることかもしれません。
 リコール問題まででさえ重大事でしたが、米高速道路交通安全局(NHTSA)が定める報告がなされていないのは、隠蔽する意思はなく単なるミスとのことですが、どこまで信じてもらえるか。
 日本の製造業の技術だけでなくコンプライアンスも問われる事態です。
 今後の成り行きに注目です。



 # 冒頭の画像は、米議会の公聴会で謝罪するタカタの清水博・品質保証本部シニアバイスプレジデント




  この花は、牡丹・天衣


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Fotolia


日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略




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