遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

習近平政権は、米国の債務騒動を冷笑している場合ではあるまい

2013-11-02 23:58:55 | 中国 全般
 新華社=中国が、米国の債務上限を巡る紛糾に乗じて「新世界秩序を築くために『脱米国化』を進め、ドルに代わる新たな基軸通貨を設けるべき時だ」と世界に呼びかけて、米・メディアや政府が反発しているのだそうですね。
 

米中通貨戦争、敗者は中国 (11/2 産経 【緯度経度】北京・山本勲)

 米中が通貨戦争で火花を散らしている。人民元切り上げを拒む中国に対して米国がドルの大量増刷で元高誘導を仕掛ける一方、中国は「脱米国化」を唱えて戦後のドル基軸通貨体制を崩そうとの動きを強めている。両国の攻防は先鋭化の一途だが、敗者は中国となるだろう。中国の2008年秋からの異常なまでの公共事業拡大と、米国の量的金融緩和政策(QE)で流入した巨額のドル資金がバブル経済を破裂寸前にまで追い込んでいるからだ
。来年から本格化する量的緩和の縮小がその口火を切る可能性が高まっている。

 「米国は超大国の地位を乱用して世界を混乱させている。他国の命運をこの偽善国家に委ねる時代を終わらせ、新世界秩序を築くために『脱米国化』を進め、ドルに代わる新たな基軸通貨を設けるべき時だ」
 米議会が連邦債務上限引き上げ問題で紛糾していた10月半ば、中国国営通信社、新華社はこんな要旨の英文論評を世界に発信した。
 窮地の敵に塩を送った日本の戦国武将とは対照的に、
中国は大店のもめ事を利用して米国に取って代わる野心をのぞかせた


 これには「政府が銀行や企業を操り、企業家精神も育たず、独自開発の製品もない中国が世界経済をリードできるわけがない」(米フォーブス誌ネット版)。「3兆6600億ドル(約358兆円)の外貨準備を持つ中国は米国債を買い続けるしかない」(タイム誌ネット版)などと、米メディアの反発も強い。
 ホワイトハウスのカーニー大統領報道官は「数百年来、債務を正確に返済してきた米国の信用と原則は揺らがない」とコメントしたが、心穏やかであるわけがない。

 だが実は米国がリーマン・ショック後の08年秋から始めた
QEがすでに中国をインフレ・バブルの醸成からその崩壊へと、じりじり追い込んでいる
のである。
 中国政府統計によると、QE開始からこの10月までの5年間に増加した外貨資金は約1兆8千億ドル(約176兆円)にのぼる。
米連邦準備制度理事会(FRB)がQE1~2を通じて増刷したドルの約8割に相当する巨資の流入が、中国全土で不動産バブルを膨張させている

 「全国不動産値の総額は国内総生産(GDP)の4倍を超え」(著名経済評論家の牛刀氏)、「日本のバブル時を上回った」との日本側推計もある。
 その一方「北京、上海の空室マンションはそれぞれ380万戸、400万戸にのぼり、暴落を恐れる地方政府が土地の供給を絞り、開発業者に高値で落札させることでバブル崩壊を防いでいる」(同)という。
 加えて、リーマン・ショック後の経済失速を恐れた胡錦濤前政権の4兆元(約64兆円)景気対策に悪乗りした地方政府の無謀な公共事業が不良債務の山を築き、「総額は20兆元(約320兆円)を超えた」(項懐誠・元財政相)とされる。
 さらに鉄鋼、アルミ、造船などの構造不況産業がひしめく企業部門の総債務は「昨年で65兆元(約1040兆円)」(米金融大手モルガン・スタンレー推計)にのぼる。
 仮に
バブル崩壊が地方財政や国有企業の破綻と相まって、4大国有銀行を直撃する事態になれば国家の重大危機を迎える


 
その引き金となりそうなのが、米国の金融緩和縮小から利上げへのプロセスだ。これを機に巨額のドル資金が一斉に本国に還流し始めるのを誰よりも恐れているのは、習近平政権だろう。米国の債務騒動を冷笑している場合ではあるまい

 元々、米国は元のレートが低く設定されていて、公平な貿易が損なわれていると中国に攻めよっていて、一定の幅制限付きの変動に中国が譲歩しているのが現状ですが、基本は自由相場ではなく中国政府が管理しているレートであることは、諸兄がご承知の通りです。
 米国は、引き続き元のレート設定の自由化ないしは設定変更を求めていますし、外貨準備を誇り、貿易額が世界一の中国は、通貨でもドルから元への主導権交代を目指しています。
 かつては、アジアで円と元で覇権を争うと言ったレベルでしたが、残念ながら東南アジアでは元が主導権を握りつつある現状ですね。

 中国の武力での侵略攻勢に、抑止力を高めて牽制することは重要ですが、護りだけでなく攻撃が必要です。攻撃は最大の武器なのですから。
 ただし、日本は、文化が低レベルの共産党政権ではないのですから、武力ではない方法で攻めることが肝要です。
 その攻め口の一つは、共産党独裁による人権や自由無視の制度であり、もう一つがこの為替レートです。
 多くの国が市場が決める為替レートで貿易を行っているのに、中国だけが管理されたレートというハンディキャプを持って有利な貿易をしているのです。
 この二つは、米国が終始一貫して中国を責めているところでもありますね。

 それが、QE(金融緩和)も攻めの役割を果たしていたとは、初めて知りました。
 米国のQE政策の転換が、中国のバブル崩壊の危険度を増すというのです。二大経済大国の繋がりの大きさは、両刃の剣ともなっているのですね。

 中国から攻められてばかりの日本。倍返しで攻めるには、人権や自由無視の共産党独裁政治の弱点と、元の為替制度自由化で、米国や世界の国々と連携して中国を責めることが、中国からの攻撃に対する最大の武器としたいですね。



# 冒頭の画像は、北京の大気汚染。毛沢東=共産党が霞んで見えなくなっている。


  この花は、菩提樹の花



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