遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

資源価格下落で大手商社が損失拡大

2015-01-27 23:58:58 | 日本を復活させる
 安倍政権の金融政策で円高解消が進み、日本経済が好転するということで株価が上昇し好評価を得たアベノミクスでしたが、円安の弊害が出始めていることは諸兄がご承知の通りです。
 そこへ、神風となる破格の原油安が勃発し、救いの神と思われていますが、その資源安で大手商社の利益が減っているのだそうです。
 アベノミクスの三本目の矢の不透明さが議論され始めた今日ですが、一本目の金融政策による円安誘導での効果も、そろそろターニングポイントに差し掛かっているのでしょうか。
 

丸紅、1600億損失計上へ…3月期 原油・資源下落が影響 (1/27 読売朝刊)

 丸紅は26日、原油など資源価格の下落や穀物事業の見直しで、2015年3月期連結決算に1600億円の損失を計上すると発表した。住友商事も資源事業で多額の損失を計上する。大手商社は海外の資源ビジネスへの投資で収益を増やしてきたが、原油や資源の価格が下落に転じたことで経営に打撃を受け始めている


大手商社、経営に打撃
 丸紅は15年3月期連結決算の税引き後利益の見通しを、これまでの2200億円から1100億円に半減させた。
 
丸紅が損失を計上するのは、13年に約2700億円で買収した米穀物メジャー(巨大商社)ガビロンに絡む事業計画の見直し(損失額は500億円)と、北海のガス・油田事業や米シェールオイル事業など原油関連事業(同950億円)、チリの銅事業
の収益悪化(同100億円)などだ。
 
ガビロンの損失は、買収時の計画ほど利益が出ていないため会計上、計上するものだ。原油や銅事業は市場価格が下落して採算が悪化
した。
 損失の責任をとり、国分文也社長と朝田照男会長が今年2、3月分の報酬を5割削減し、15年度は社長を含む執行役員以上約40人が報酬を約3割削減する。
 
丸紅はガビロンの買収により、穀物ビジネスを国際化して収益を増やす計画だったが、国分社長は記者会見で「協業がうまくいかなかった。穀物戦略を根本的に見直す」と釈明。原油価格も「ここまで下がると思わなかった」と見通しの甘さ
を認めた。

 住友商事も15年3月期連結決算に原油などの事業で約2700億円の損失を計上する。原油価格の下落が続けば、米国を中心としたシェールガス・オイル事業に取り組む他の商社にも影響が及ぶ可能性がある。


 資源への投資は、資源の乏しい日本には是非活発に行っていただきたいと願っていることですが、慎重な商社が多い様に感じています。
 世界の農地は限られた資源であり、中東やアラブのオイルマネーの他、中国などが競って買占めに走っている話は注目されて久しくなりました。
 
農地争奪に出遅れる日本 自給率UPだけで大丈夫? WEDGE Infinity(ウェッジ)
 「海外農地投資」を後押しする農水省 商社は及び腰 WEDGE Infinity(ウェッジ)

 及び腰だった海外穀物への投資がようやくなされても、実らないのは、やはりノウハウ不足が原因なのでしょうか。
 原油、シェールガス、銅は市場価格の想定外の大幅下落が原因とのことで、これらの資源価格の大幅下落は、行き過ぎたアベノミクスの円安への救いの神風となっているものですが、図らずも海外投資した商社にはダメージを与えているのですね。
 一方で利益を産み出しているということは、他方で利益を奪われているということになります。

 貿易赤字は、経済成長を損ねるものではないと言われますが、2014年の貿易収支は1979年以降で最大となったのだそうです。
 アベノミクスの大胆な金融緩和で円安が進んだのに輸出額が伸びず、原子力発電所の稼働停止に伴う火力発電向けLNGや、中国から太陽光発電などに使う「半導体等電子部品」が増えたこと、日本メーカーが強かった電子機器も、スマートフォンやパソコンなどは、国内でも「中国製」が伸びていることが原因とされ、アベノミクスの狙った第三の矢の効果の誤算が生じていることも衆知のことですね。
 

貿易赤字最大 円安でも輸出伸びず 「貿易立国」復権遠く (1/27 読売朝刊)

 
日本の輸出額から輸入額を差し引いた2014年の貿易収支は12兆7813億円の赤字となり、赤字幅は比較できる1979年以降で最も大きかった。赤字は4年連続で、アベノミクスの大胆な金融緩和で円安が進んだのに輸出額は伸びず、国内でモノを作って海外に売る「貿易立国」の復権には程遠い。(瀬川大介、庄野和道)

■膨らむ輸入
 財務省が26日発表した貿易統計によると、輸出額は73兆1052億円と前年より4・8%増えた。一方、輸入額は5・7%増の85兆8865億円と最大を記録した。輸出の伸びが鈍く、貿易赤字が拡大した形だ。
 14年の円相場は年平均で1ドル=105・3円と、13年から約8円の円安となった。円安は輸出に有利になる反面、輸入品の価格上昇も招く。
 輸入の増加は、原子力発電所の稼働停止に伴う火力発電向けLNG(液化天然ガス)や、中国から太陽光発電などに使う「半導体等電子部品」が増えたことが主因だ。東日本大震災のあった11年以降は、原油やLNGの輸入が増えて貿易赤字が続いている。
 地域別でも、対中国が5兆7862億円と最大の貿易赤字になった。対米国は6兆1077億円の黒字だったが、前年よりも減った。円安をテコに輸出を促す政府の成長シナリオが狙い通りに進んでいるとは言い難い。

■海外に拠点
 円安でも輸出が期待ほど伸びないのは、大手企業が円高のときに、相次いで生産拠点を海外に移しているためだ。日産自動車のカルロス・ゴーン社長は「海外で現地生産する戦略は変わらない。海外の生産余力がない場合のみ、日本からの輸出でカバーする」と強調する。自動車の輸出はかつての勢いはなく、14年1~11月の国産車の輸出台数は前年同期比で約5%減となった。
 魅力的な海外製品が増え、日本勢が押されている側面もある。日本メーカーが強かった電子機器も、スマートフォンやパソコンなどは、国内でも「中国製」が伸びている。
 輸出増につながる動きも出ている。14年12月の貿易赤字は、原油安を背景に前年同月より縮小しているため、市場では「今後は貿易黒字に転じる可能性もある」(SMBC日興証券の宮前耕也氏)との見方もある。メーカーの一部には、海外の生産拠点を再び日本に戻す「国内回帰」の動きもある。
 ただ、原油価格は投資家の動向などに左右され、赤字縮小に日本経済の力が直接、反映されているわけではない。貿易赤字が抜本的に解消される道筋は不透明な状況だ。

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[Q]日本の貿易収支は…かつては30年連続黒字
 Q 貿易収支とは。
 A 日本から輸出したモノの総額から輸入の総額を引いたもので、プラスなら貿易黒字、マイナスなら貿易赤字となる。日本の輸出と輸入のバランスを示す指標の一つだ。日本はかつて、国内で生産されたモノを積極的に海外に売っていたことで、1981年から30年間も黒字が続いた。対米国の黒字が広がったことで、米国の自動車業界などから強い反発を招き、国際問題になったこともある。

 Q 経常収支との違いは。
 A 経常収支は貿易収支のほか、旅行などモノ以外のサービス、海外支店から日本への送金や、海外への投資で得た配当金なども含んでおり、貿易収支よりも日本の「稼ぐ力」を示す指標と言える。日本経済が成長すれば、海外からの輸入や投資が増える側面もあり、黒字額の減少や赤字が必ずしも悪いとは言えない。
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 国会の来年度予算審議が開始されます。消費税アップへ退路を断った経済成長の必達を背負った、アベノミクスの真価が問われる予算です。第三の矢の実態経済の具現化が必須です。
 しかし、当初に失望した「薬販売のネット化」の類の、「賭博誘致」の様なものとか、看板だけで中身が見えない「地方創生」といったものばかりで、これといった、経済成長の基盤創りにつながるものはいまだに見えません。
 円安による海外生産の国内回帰、海外からの観光客の地方誘引、海外富裕層(日本の総人口より多い)への高品質農産物輸出振興等、雇用増を伴う具体策への予算配分が望まれます。

 日本株式会社の営業部門の商社の頑張りと、ものづくりの製造業・農水産業、観光他のサービス業の創意とで、日本復活が進む今年にしたいものですね。



 冒頭の画像は、業績の下方修正について会見する丸紅の国分文也社長






  この花の名前は、キクイモ




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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)




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