遊爺雑記帳

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NATO首脳会議 米独の深刻な亀裂が浮き彫りに

2018-07-13 23:58:58 | my notice
 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が11、12日の二日間ブリュッセルの本部で開催され、ロシアの軍事的脅威に対抗するための即応体制の強化などを盛り込んだ共同宣言を採択しました。
 しかし、トランプ米大統領は開幕に先だち、ドイツを痛烈に非難。メルケル首相もすぐに反論、米独の深刻な亀裂が浮き彫りになったのだそうです。

 
米、独を痛烈批判 NATO首脳会議 「露の捕虜になった」 (7/13 読売朝刊)

 【ブリュッセル=井口馨】ブリュッセルで12日に閉幕した北大西洋条約機構(NAT0)首脳会議では、トランプ米大統領によるドイツ批判が目立ち、米独の深刻な亀裂が浮き彫りになった

 トランプ氏とメルケル独首相は11日の会議の途中で、首脳会談を行った。「素晴らしい成功だ」(トランプ氏)、「良いパートナー」(メルケル氏)などとたたえ合ったが、記者団の前ではほとんど目を合わさず、「表面上の演出」との見方が広がった。
 これに先立ち、
トランプ氏はNATOのストルテンベルグ事務総長との開幕前の会談で、「ロシアの脅威からドイツを守っているのに、ドイツはロシアに大金を払っている。不適切だ」と、ドイツを痛烈に批判した。独北部でロシア産の天然ガスを運ぶ海底パイプライン「ノルト・ストリーム2」の建設が進んでいることに言及したうえで、「エネルギーの60%から70%をロシアから購入しようとしている」とまくし立てた。「ドイツはロシアの捕虜になった」ともこき下ろした。ドイツが国内総生産(GDP)の2%を国防費に充てるNATOの共通目標を達成していないことを挙げ、「ドイツは国防費を直ちに増額すべきだ」と強調した。
 これに対し、
メルケル氏もすぐに反論した。NATO首脳会議の会場に入る際、テレビカメラの前で、冷戦下の東ドイツで育った境遇を引き合いに出し、「私はソ連の支配を経験した。自由は素晴らしく、我々は独立した政治を行っている」と説明した。さらに、米軍が駐留しているアフガニスタンでのドイツ軍の貢献を挙げ、「ドイツも米国の国益を守っている」と強調した。
 ただ、
国防費を巡り、ドイツがNATOの共通目標を達成することは容易ではないとの見方が有力だ。メルケル政権は2024年までに国防費をGDP比率で1.5%まで引き上げる方針を示しているが、連立政権に加わる中道左派、社会民主党(SPD)を中心に、政府開発援助(ODA)や人道支援での紛争解決を重視すべきだとの考えが根強いためだ。
 有力紙ツァイトによると、SPDのショルツ財務相は5月、「国防費の支出が多ければよいというものではなく、外交努力が大切だ」と述べ、トランプ氏の要求にドイツが引きずられることへの警戒感を示した。また、
ドイツでは第2次世界大戦でナチスがポーランドなどを侵攻した反省から国防費の増大に対する警戒感が根強く残っており、最新の世論調査では、1.5%を超える国防費の増額には国民の約60%が反対している。

つけ込む露 米欧分断図る 通商 欧と協調
 【モスクワ=畑武尊】
ロシアのプーチン政権は、北大西洋条約機構(NATO)や貿易摩擦で生じた米欧間の亀裂をチャンスととらえる通商では欧州側と歩調を合わせて米国に対抗する一方で、NATO首脳会議後の16日に行われるトランプ米大統領との首脳会談を、米欧分断を深める機会とみている。
 「冷戦時代の産物だ」。ロシアのペスコフ大統領報道官は10日、NATOについてこう評し、「ロシアの国境方面への軍事拡張」との表現でNATOの東方への拡大を批判した。
 プーチン大統領は今年3月の年次教書演説の際、新型ミサイルを次々に披露し、「(NATOによる)東欧のミサイル防衛が無意味になることを願う」と述べ、NATOへの対抗姿勢をあらわにしていた。
 
ロシアは、トランプ米大統領就任後のNATO加盟国内の足並みの乱れを突き、軍事面で着々と布石を打ってきた
 NATO軍が増派されたポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの飛び地・
カリーニングラードには、核兵器を搭載可能な弾道ミサイルの配備を進めた。昨年9月には、NATO加盟国のトルコに最新鋭防空ミサイルシステム「S400」の供与を決定し、くさびを打ち込んだ。
 NATO首脳会議で米国との対立が露呈した
ドイツとは、露産天然ガスを欧州に運ぶ海底パイプライン「ノルト・ストリーム2」の建設を進める。3月のプーチン氏の大統領再選後、メルケル首相は主要国で最初に訪露して会談し、経済協力の拡大で一致した。
 
ロシアは通商問題では欧州勢と共同歩調を取る。今月6日には、米国による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限に対抗し、報復措置を取った。一方で、対露融和姿勢を示すトランプ氏への警戒感を欧州が強める状況も意識する。ヘルシンキでの米露首脳会談は、ロシアにとって欧州をけん制する材料となる。

 トランプ大統領はNATOのストルテンベルグ事務総長との開幕前の会談で、「ロシアの脅威からドイツを守っているのに、ドイツはロシアに大金を払っている。不適切だ」、「エネルギーの60%から70%をロシアから購入しようとしている」、「ドイツはロシアの捕虜になった」とドイツを痛烈に批判、こきおろしたのだそうですね。
 更に、ドイツが国内総生産(GDP)の2%を国防費に充てるNATOの共通目標を達成していないことを挙げ、「ドイツは国防費を直ちに増額すべきだ」と強調したのだそうです。

 メルケル首相も直ぐに反論、米軍が駐留しているアフガニスタンでのドイツ軍の貢献を挙げ、「ドイツも米国の国益を守っている」と強調したのだそうです。

 トランプ大統領が一方的にドイツを責めている論調の報道が多いのですが、GDPの2%を国防費に充てるNATOの共通目標を達成していないのはドイツ。2017年の実績では、1.2%で、仏の2.3%、英の1.8%、伊の1.5%と比べて低い値なのですね。
 メルケル首相は、2024年までに1.5%まで引き上げる方針を示しているのだそうですが、最新の世論調査では、1.5%を超える国防費の増額には国民の約60%が反対しているのだそうで、実現はハードルが高い。

 バルト海の海底にパイプラインを建設してロシア産の天然ガスを輸入する「ノルドストリーム2」計画。
 欧州各国は、ロシアに対し経済制裁をしているのに反しないのでしょうか?
 「ノルドストリーム2」計画に対して反対している国々は、ポーランド、スロバキア、ウクライナに留まり、ドイツ他の国々は承認している様子。
 米国による追加対露制裁と
ノルド・ストリーム2への影響 ; Analysis


 対露依存の安全保障の懸念と、米国のシェールガスの登場で、ロシアの欧州向け天然ガス輸出が大幅に減りロシアの台所が苦しくなったと認識していましたが、いつのまにかロシアからの輸入を増やす計画が実行されていたのですね。

 余談ですが、安倍政権のプーチン大統領への接近は、欧州諸国の対露制裁に反する部分もあるとの懸念がありましたが、全く気にする必要はないと判明しました。

 トランプ氏の独批判の背景には、欧州へのガス輸出を拡大させたいとの思惑もにじむといった報道もあります。
 NATO首脳会議が開幕 トランプ氏、独を痛烈批判 :日本経済新聞

 政治的建前の裏では、経済(貿易)が主導しているという外交の常ですね。

 米中に加えて、米欧(特に独)の経済戦争。世界経済の成り行きが懸念されます。



 # 冒頭の画像は、NATO首脳会議でのトランプ大統領と、メルケル首相




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