鉢石宿は日光東照宮の門前町、観光客相手の店が並んでいます。
東武・JRの日光駅から東照宮に向かう道の両側に軒を連ねています。
日光には私の勤務してた役所の林間施設があったので良く写生に行っていました。
施設は子供たちが使わないときには大人も利用できるのです。料金は安いし園長は同僚ですから居心地も良かったのです。
最初にご覧戴く建物は「ひしや」という羊羹屋です。
今はもう亡くなりましたが、ここの親父さんは偏屈な人で、それを売りにしていた節があります。羊羹は一日300本しか作りません。小豆を吟味し、全て手作りです。包装は竹の皮を使っています。一人に二本しか売ってくれません。予約も出来ないし、昼前には売り切れてしまうから、知る人ぞ知る貴重品で私も頑張って行く度に必ず二本確保したものです。
日光は羊羹屋さんが数軒有りますが、ひしやの羊羹は別格でした。値段も他の店より高かったのですが、偏屈親父のお小言と羊羹自慢を聞きたくて行く度に立ち寄ったものです。
偏屈親父さんが亡くなってからは、販売数量制限もなくなりましたが、同時に手に入りにくい貴重品というイメージも消え失せ、息子の嫁さんの愛想の良い接客ぶりも親父さんの毒舌の魅力には勝てませんでしたから、最近私はひしやの羊羹を買う習慣は無くなってしまいました。
今では夕方行っても欲しい数だけ買えるようになっています。
こうして絵を描いていると、冥土から不甲斐ない息子夫婦の商売下手を嘆く親父さんの声が聞こえて来たような気がしました。
東武・JRの日光駅から東照宮に向かう道の両側に軒を連ねています。
日光には私の勤務してた役所の林間施設があったので良く写生に行っていました。
施設は子供たちが使わないときには大人も利用できるのです。料金は安いし園長は同僚ですから居心地も良かったのです。
最初にご覧戴く建物は「ひしや」という羊羹屋です。
今はもう亡くなりましたが、ここの親父さんは偏屈な人で、それを売りにしていた節があります。羊羹は一日300本しか作りません。小豆を吟味し、全て手作りです。包装は竹の皮を使っています。一人に二本しか売ってくれません。予約も出来ないし、昼前には売り切れてしまうから、知る人ぞ知る貴重品で私も頑張って行く度に必ず二本確保したものです。
日光は羊羹屋さんが数軒有りますが、ひしやの羊羹は別格でした。値段も他の店より高かったのですが、偏屈親父のお小言と羊羹自慢を聞きたくて行く度に立ち寄ったものです。
偏屈親父さんが亡くなってからは、販売数量制限もなくなりましたが、同時に手に入りにくい貴重品というイメージも消え失せ、息子の嫁さんの愛想の良い接客ぶりも親父さんの毒舌の魅力には勝てませんでしたから、最近私はひしやの羊羹を買う習慣は無くなってしまいました。
今では夕方行っても欲しい数だけ買えるようになっています。
こうして絵を描いていると、冥土から不甲斐ない息子夫婦の商売下手を嘆く親父さんの声が聞こえて来たような気がしました。