この絵を描いたときには角にある植木がなんの木か分かりませんでしたが、
後日場所を確認に行った時には山吹の黄色い花が咲いていました。
「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」
太田道灌が狩りの途中、突然の雨に会い、近くの農家に
雨具の蓑を借りに訪れたときに、その農家の娘が、
蓑の代わりにこの歌を差し出したという有名な話があります。
八重の山吹には実がなりません。「実の」と「蓑」を言い換えた短歌の意味を
太田道灌は理解しかねて、自分の無知を悟り、
以後、狩りや武道だけではなく短歌の道にも励んだということですが、
どうもこの話は胡散臭いです。
太田道灌が狩りに赴くのに家臣が雨具を用意しないというのは切腹ものだし、
即座にサラサラと当意即妙の短歌をしたためられるほどの娘がいる農家に
蓑の用意がないというのも不自然です。なんて推量をするというのも
無粋なことで、花も実もある話として、素直に受け入れる方が良いでしょうね。
この山吹が植えられている家に傘やレインコートはあっても、
蓑が無いことだけは確かですが・・・
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