はい、きのうの続き
また「ONE」にまつわるお話をさせてくださいね♪
私よく「三次元世界」とか「三次元視点」っていう言葉を使うけど。
つまり、今私たちが五感で感じ取って生きている この世界のこと。
ここでは あらゆる体験があまりにも自分そのもの、人生そのもので、自分はあくまでも すべての体験の当事者、そのことに疑問の余地はない。
体験した事がらひとつひとつに喜怒哀楽さまざまな感情で反応し、他の自分(視点)があるなんて夢にも思わない。
が、もしぐっと引いたところからその全体を眺め渡すことができれば、そんな自分の姿は、舞台またはセットで迫真の演技をする役者のように見えるかもしれません。
あまりにも真剣に芝居に入り込んでいるから、演じていることを忘れてなり切っちゃってるだけで。
自分が劇中人物であることを思い出せば、今いる世界だけがすべてじゃないこともうなずけるし、あらゆる物事がまるっきり違って見えてくるはず。
これを「客観的視点」、または「高次の視点」「魂の視点」などと呼ばせていただきましょう。
ここで「ONE」なんだけど。
リチャードとレスリーのバック夫妻は、飛行艇でロサンゼルス上空を飛行中に ひょんなことから異次元に飛び込み、眼下一面の大海原に色とりどりに浮かび上がる網目状の模様のあちこちに着水することで、さまざまなパラレルワールドを体験する。
「時空に見えるあらゆるものは、ほんとうは実在していないのよ。(中略)あの模様はあなたがつくりあげた視覚的補助よ。つまり、同時に存在するほかの人生を理解する、あなたなりの手段なの。(中略)着水すると飛行艇が模様の上に浮かび、あなたがたはオブザーバー、別の世界に迷い込んだゴーストになるの。その環境を現実ととりちがえることもなく、自分の別な面から教訓を得ることができるってわけね。必要な教訓を得たら、飛行艇のことを思い出して、スロットルを前に倒すこと。そうすれば空に舞い上がって、また果てしない視界がひらけるのよ」(by パイ)
やがてガイドのパイは、二人が自分たちだけでやれると見て取って姿を消し、二人はさまざまな分身から多くを学んで、それらを実践すべく 元の世界へ帰ろうとするが、帰り方がわからない。
どうやらこの「帰る方法を見つける」というのが、二人のこの世界での最後の課題らしい。
二人は、墜落事故のときの体験を手がかりに、飛行艇での着水ではなく 直接網目の中に飛び降りるのがカギだと考え、ここというポイントで飛行艇を飛び出して、無事元の世界に帰り着く。
今回読み返して一番注目したのがこの場面だったんだけど、ゲストではなく当事者として すっぽりその世界に入り込む、っていうの、これってさっきの逆で、引きの視点から お芝居の世界の住人に戻って それを自分の現実とする、っていうことと重なるんですね。
三次元の「現実」、これこそ魂がわざわざ制限された不自由な身になってまで体験したかった世界。
自分について 身をもって生々しく知るために、望んでこの世に生まれてきたのだから。
でも、いったん中に入り込むと、その世界が分かちがたく自分と結びついて、魂である自分を忘れてしまう。
三次元視点オンリーで生きるのももちろんありなんだけど、魂本来の目的からはどうしても離れてしまう。
魂である私たちは、三次元世界の住人になり切りたかったわけではなくて、「体験」という新たな視点から より深く自分を知るのが望みだったんだものね。
三次元世界での体験が楽しいことばかりならいいけど、苦しいこと・いやなことも当然ついて回るわけで。
その苦しさは、「本来の自分を忘れてるよ」という合図なのかもしれません。
そんなとき、ひたすら苦しい思いをするのがいいか、それともそこから学んで成長するのがいいか。
どちらでも自由に選べるけれど、前者を望む人は このブログにはまずお見えにならないでしょうから。
想像の中で飛行艇のスロットルを倒して。。。というのは物語の中のこと、でも 意識や視点の問題なら、私たちだって 自分なりのやり方を会得できるはず。
私は、「魂である自分」が存在することを受け入れることで、その視点に立てるようになりました。
ここから眺めると、あらゆる体験の意味ががらりと変ります。
三次元視点だけでは理不尽としか思えないようなことも、この世を味わい楽しむために 生まれる前に魂が仕掛けておいたことと思えば、障害からチャレンジに大変身。
もはや無力感に苛まれる必要も 度重なる妨害にいら立つこともありません。
私の場合、母の死なんていうインパクトの強い体験も、悲しみという以上に 自分を大きく成長させてくれたありがたい贈り物のように思えます。
目の前の世界がすべてと決めつけず、ときには三次元視点から抜け出し、高次の視点との間を自在に行き来できるようになる、というのもいいんじゃないでしょうか。
せっかく生まれてきたこの世界、その豊穣さを思いっきり味わえるように、ね(^^)