毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

「アナと雪の女王」 その後 ~ 「Let it go」 の解放感をぬか喜びで終らせないために

2018年04月01日 05時38分08秒 | 貴秋の視点、すなわち偏見


久々の 「インセプション」 の次は、久々の 「アナと雪の女王」 。

最近体験したり氣づいたりしたことから ふと連想したのですが、そういえば去年の3月に地上波放送されたこの映画を 初めて全編通して観たんだっけ。

以前の記事のときは かの有名な 「Let it go」 のあの場面しか知らなかったので エルサのことしか書けませんでしたが、じゃあ今回はどうかといえば やはりエルサにフォーカスしたお話になりそうです (*^▽^*)ゞ




さすがに一年前に一度観ただけなので 多少筋のあやふやなところがあって、確認しようと検索していたら こんな記事を見つけました。

う~ん、たしかにいくらありのままの自分でいいと高らかに歌い上げたところで 相変わらずの孤独な境遇に変わりはなく、歌詞のかもし出す雰囲気とはうらはらに 何の解決にも至ってはいないのですが、ならばこれは思い違いか自己欺瞞かといえば 決してそうではないと思うのです。




愛娘の特殊な能力を心配した両親から魔法を使うことを禁じられたエルサは、妹アナに怪我をさせてしまった後悔もあり 懸命にいいつけを守るうち、それが自らはめた枷となって 心に重くのしかかるようになります。

「インセプション」 のロバートもそうでしたが、苦しみのもとは 他者から与えられているように見えて (最初はたしかにそうだったんですが) 、実は自分で自分に課しているんですね。

で 恐れていたように ついに魔法がばれてしまったエルサは、その反動というか 半ば開き直って 「もうこのままの自分でいい、人に知られたって構わない」 という氣持ちになりますが、この 「Let it go」 を高らかに歌い上げる場面のエルサの晴れやかな表情からは ひょんなことで長年の枷が外れた解放感がうかがえます。

この心にぱぁっと光が差し込み春風が吹き抜けるような爽快感、ふわりと全身が浮き立つような軽やかさは、貴秋にも覚えがありますが まさに日本語歌詞の 「これでもう自由よ、なんでもできる」 というあの氣分です。




が、この喜びも長くは続きません。

生まれ変わって新しい人生を生きていく氣でいたエルサですが、現実は相変わらずの引きこもりで しかも今度は雪と氷に閉ざされた山でひとりぼっち、おまけに当人は知らないことながら 正面きって解き放った彼女の魔法は 夏であるはずの王国を氷の世界に変えてしまい、人々の疑念や不信を招くことになります。




内的探究に励んでいると、心の奥の引き出しが不意に開いて 答えが飛び出してくるようなことが ちょくちょく起こります。

このときの 「これですべてが変わる、よくなる」 という期待やわくわく感は まさにあの 「Let it go」 のエルサの氣分ですが、なぜか毎回そのまま進むことは叶わず、元の重たい波動域に引き戻されて 相変わらずの不快な出来事や記憶の再来となります。

ここでどれほど落ち込み、また疑念にさいなまれたことか。

せっかくひとつ先に進めたと思ったのに元のもくあみ、これは私のやりかたがまずかったということ? それともそもそもの仮説から全部間違いだったの?

何年にも及ぶこの繰り返しを経て、これが失敗でも間違いでもなかったとわかったのは つい最近のことです。




そもそもうれしくない出来事とは、自身の否定的な観念が形になったものです。

この観念は 潜在意識に潜んでいて、そのままでは触れることも変えることもできません。

書き替えのチャンスが訪れるのは、それが具体的な形をとって表面化したときです。

あの氣づきのあとのぐいっと引き戻されるような流れは、実は引き戻されたのではなく 前進していたのです。

「またひとつ賢くなったねよかったね~、じゃあその調子で残ってる思い込みもどんどん解放していきましょー (^o^)/」 ということで、力がついたからこそ 解放を待つ新たな課題が次々手渡されていたのです。

もしエルサが魔法の力を隠しおおせたまま城に留まり おおぜいの家臣に守られながら引きこもっていたら、自身が抱える問題に氣づく機会すらなかったわけで、ありのままの自分を認めた結果 さらなる問題が表面化したのは むしろ大きなチャンスだったのです。

というのは、エルサの “ありのまま” は 長年の抑圧から生じた歪みで 真のありのままからかけ離れたものになってしまっていたからです。

そのズレに氣づいて 次々起こってくる問題やトラブルを生み出している 心の中の思い込みやわだかまりと向き合い 味わって解放してやることこそ、真のありのままの自分で生きることにつながるのです。

その意味で あの名曲 「Let it go」 の場面は 真の解放ではなかったけれど、そのための重要な第一歩であったことはたしかです。




映画のエルサは 妹アナの愛に助けられて めでたくハッピーエンドを迎えることができましたが、そんなおとぎ話的展開は期待できずとも 現実世界の私たちにも ほんとうのありのままの姿を取り戻し 幸せに生きていくチャンスは 無限にあるのです。