Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

イカロス

2018-11-29 | 外国映画(あ行)
★★★☆ 2017年/アメリカ 監督/ブライアン・フォーゲル

(Netflix)

当初の企画が思いもよらぬ方向に…というスリリングさはあるものの、「ドーピングしているにも関わらず検査をすり抜けられることを見せて、現在の検査の有り様を訴える」当初の企画に、ロシア人のグレゴリーが最初からやたらと協力的なことがちょっと不可解。また、グレゴリーとやり取りしているブライアンに悲壮さが感じられず、とんでもない事態になったという逼迫感が感じられない。実際、番組後半ではグレゴリーの同僚がロシアで謎の死を遂げているわけで、事態はとてつもなく深刻なはず。
この違和感の正体は何だろうと思うに、要は編集が巧過ぎるのではないかと。時折挿入されるイカしたイメージ映像やスタイリッシュに構成された人物相関図がNetflixお得意のフェイクドキュメンタリーを想起させるのだ。このやたらと凝った編集がドキュメンタリーのリアリティを損ねてしまっているような気がした。もっとドキドキ、ヒリヒリしたかったんだけどなあ。