Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ドリームガールズ

2020-03-27 | 外国映画(た行)
★★★★★ 2006年/アメリカ 監督/ビル・コンドン

気分がへこんだときはこれ。もう何度見たかわからない。冒頭ドリームズが舞台に上がった瞬間にもう涙。そして終了までに少なくとも5回は号泣。 なんでこんなに泣けるのか。 これは女性が男性中心のエンタメ業界に搾取され、どん底から再び自尊心を取り戻す話だからだ。

モータウンとシュープリームスがモデルの本作。 カーティスが違法行為も厭わず自社レーベルを大きくするのには白人による黒人音楽の搾取への怒りがある。 ところが成功すると彼は搾取する側へ変貌する。才能あふれるエフィーをリードボーカルから外し、ディーナの意見には耳をかさず人形のように扱う。

白人による黒人文化の搾取の物語が、いつのまにか男性による女性搾取の話へと転換する。そしてカーティス自身がそのことに全く無自覚であるというのがリアルで恐ろしい。自身のアイデンティティーを取り戻そうとするディーナを演じるビヨンセ、何回見てもまぶしいほどに美しくて感動する。

それにしてもエディマーフィは本作でアカデミー取ってほしかった。