Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

AKIRA

2020-04-11 | 日本映画(あ行)
★★★★★ 1988年/日本 監督/大友克洋

感動の映画鑑賞の必須条件はタイミングと同時代性。 オリンピック延期、コロナウィルス蔓延の2020年のこの時に見たことは一生の思い出になるだろう。 とめどない破壊描写に脳天ぐわんぐわんされ、 爆音&超クリアの音楽に酔いしれた。

昨今IMAXの楽しみは映像よりも音響。なので新規で録音されたという今作、本当にすばらしい音響体験だった。冒頭の太鼓のドーン!って音からしてシャキーン!社会状況はさまざまに符合するところがあり感慨深いが今の飼いならされた日本人にこれだけの熱量はないよな…と別の意味で思いを巡らせた。

鉄雄がモンスター化するくだりで今敏監督の「パプリカ」を思い出したが、今敏さんはアシスタントで入っていたのですね。映像へのこだわりが凄まじく、なるほど多くの熱狂者やフォロワーを生んだ作品と納得させられた。破壊が続く映画は退屈になってしまうタチですが、これはもう終始前のめり。圧倒な作品だった。