★★★★☆ 2016年/スウェーデン・デンマーク・ノルウェー 監督/アマンダ・ケンネル
少数民族の言われなき差別の話だが鑑賞後落ち込むよりむしろ勇気をもらえる秀作。その理由は主人公エレを演じるレーネ=セシリア・スパルロクの強い意志を伝える「目」だ。反抗でもなく、諦めでもなく自身の存在を肯定的に捉え、前を向いて生きる。無言の目の力に魅了された。
家族との生活から逃れてきた彼女を都会の若い男の子が助けるが、彼が彼女の人生に深入りしないのがいい。説教臭さや差別する側とされる側の対立軸に作品自体があまり踏み込まないことで、エレの生き方が際立っているように思う。