Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

スパイの妻

2020-10-28 | 日本映画(さ行)
★★★★ 2020年/日本 監督/黒沢清

人間のおぞましさ、そして狂気と裏腹の愛。そこに、気味の悪い死体や不気味なフィルムという黒沢らしさが加わり、今まで見たことのない夫婦愛映画に。私こそ夫と運命を共にするのにふさわしい。退屈な日常を捨て、狂気に走る妻を演じる蒼井優が「お見事!」でした。

恐怖描写が少ないだけに本作で監督賞はファンとしては残念…と思っていたが、いま考えるに、これ「寝ても覚めても」の濱口監督らしい脚本で、人の脚本をいかに黒沢的に演出・撮影したかというのが見て取れる。なので監督賞がふさわしいんだなと納得。でもやっぱりもっと怖い黒沢が好きです。