Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

国家が破産する日

2021-01-29 | 外国映画(か行)
★★★★☆ 2018年/韓国 チェ・グクヒ

1997年韓国で起きた通貨危機を描く。正義を貫く銀行人、腹黒い官僚、一攫千金を狙う金融マン、工場経営の庶民。物語の単なる駒ではなく、それぞれが1人の人間として立ち上る演出がすばらしい。白眉は20年後のエピローグ。最後の1分まで批評性を追求する姿勢に打ちのめされた。傑作。

庶民を切り捨て金持ちを助ける政府。ここで描かれる社会構造は日本とほぼ同じだが、このジャンルの映画では日本と韓国は途轍もない差がついてしまったと思わされる。韓国の政治や金融に詳しくなくても誰でも楽しめる饒舌な語り口、役者陣の力量、政治や社会に対する批評性。何もかも完璧だ。特に若い女性がハン部長の元に不正を訴えに来るという展開が胸熱。