★★★★★ 1971年/日本 監督/岡本喜八
とめどなく続く爆発と炎上にそれを裏打ちするデータがかぶさる。容赦ない残酷描写と演者たちから漂う悲壮感。鑑賞者も沖縄の火の中に放り込まれる。戦争の惨さや軍人の無力さに気持ちも沈むが、キレのいい編集で一気に見せる岡本喜八の手腕。戦争大作の大傑作。
その場を生きているかのような俳優陣もすばらしいし、時折インサートされる兵士たちの遺書に胸が締め付けられる。それらはあまりに生々しい。戦時期を生き抜いた人間だからこそできる演出ではないだろうか。沖縄戦終結が6月末。それでも原爆投下を抑えられなかったのはなぜかと考えずにはいられない。