★★★★ 2020年/アメリカ アーロン・シュナイダー
驚異的。ほとんどの台詞が軍艦内の報告と命令。方位091度敵船2隻、方位098度26キロに輝点…。これで映画って成り立つんだなと感動。敵艦情報だけでなく船の故障から船員の体調まで。途切れる事のない報告に即座で指示を出し続ける、その描写が艦長のずば抜けた能力を示す。力作。
艦長が敬虔なクリスチャンであることがわずかなシークエンスで示されるのみ、湿っぽいシーンは皆無で、ほぼ海上での戦闘シーンだけというソリッドな構成。Uボートとの丁々発止の攻防がかなりの迫力。一瞬の気の緩みも許されない艦内の緊張感がすごい。ここまで削ぎ落とされた映画は滅多にない。