『少年A 矯正2500日全記録』草薙厚子著
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4163658602&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
先頃仮退院した少年Aが収容されていた関東医療少年院や東北少年院で受けた矯正教育や社会復帰のための訓練で、具体的にどんなことが行われていたかを詳しくレポートした一冊。
おそらく少年Aを特定されないように配慮して書かれたせいだと思いますが、少年A本人に関する記述がびっくりするほど少ないです。彼に対して行われたテストやらカリキュラムやらその意義、効果については読みやすく丁寧に書かれているのに対して、少年Aにはその成果が上がったかどうかくらいのことしか書いていない。
これを書くにあたって同じ施設に収容されていた元院生や職員にもインタビューは行われたろうに、主人公である筈のAの姿がさっぱり見えて来ない、そんな不思議な本です。
作中には、施設職員の強い使命感と院生たちへの深い愛情が溢れています。彼らは院生たちを我が子のように愛し、心から更生を願って挑戦し続けます。その姿は感動的でもあります。
本来ならばその使命感と愛情は院生の親にあって然るべきもので、たとえばAの両親にもそれはあった筈なのです。不幸にもAにはそれが届かなかった。届かないままAは現実の世界を離れ、事件を起こすまでの“怪物”に変化してしまったし、両親が事件前にその変化に気づくことはなかった。
愛の不条理と恐ろしさを改めて感じる本でした。
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先頃仮退院した少年Aが収容されていた関東医療少年院や東北少年院で受けた矯正教育や社会復帰のための訓練で、具体的にどんなことが行われていたかを詳しくレポートした一冊。
おそらく少年Aを特定されないように配慮して書かれたせいだと思いますが、少年A本人に関する記述がびっくりするほど少ないです。彼に対して行われたテストやらカリキュラムやらその意義、効果については読みやすく丁寧に書かれているのに対して、少年Aにはその成果が上がったかどうかくらいのことしか書いていない。
これを書くにあたって同じ施設に収容されていた元院生や職員にもインタビューは行われたろうに、主人公である筈のAの姿がさっぱり見えて来ない、そんな不思議な本です。
作中には、施設職員の強い使命感と院生たちへの深い愛情が溢れています。彼らは院生たちを我が子のように愛し、心から更生を願って挑戦し続けます。その姿は感動的でもあります。
本来ならばその使命感と愛情は院生の親にあって然るべきもので、たとえばAの両親にもそれはあった筈なのです。不幸にもAにはそれが届かなかった。届かないままAは現実の世界を離れ、事件を起こすまでの“怪物”に変化してしまったし、両親が事件前にその変化に気づくことはなかった。
愛の不条理と恐ろしさを改めて感じる本でした。