落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

みなさん大丈夫ですか?

2011年03月19日 | diary
ぐりは大丈夫です。

この1週間で、すっかり世の中が変わってしまったように感じる。
世界中の人がビックリするくらい日本人は冷静にこの大惨事に対処しているようにみえるけど、一方で妙に疑心暗鬼になってもいるようにも感じる。
東電や政府の発表はいかにも胡散臭くて、常識的な人間なら誰でも「嘘つけよ」とツッコミたくなるようなあやふや発言まみれなのに、真剣に怒るマスコミはまったくいない。というかいても記事にはなってない。なのに心が寒くなるようなデマはうんざりするくらい飛び交いまくっている。
関東では計画停電が始まり、電車など公共交通機関の運行が大幅に減り、コンサートやイベントなどの催事にも中止が相次いでいて、はっきりいってかなり混乱している。さすがに今のところ大きな声で文句をいう人間はいないが、既に死亡事故も起きているし、1週間、2週間後もこのままみんなおとなしく黙っているとはちょっと思えない。
その一方で、食べられもしないくらい食料品を買い占めたり、使いきれないくらい消耗品を買い貯めたりする人もいる。地方はどうかわからないけど、とりあえず都内の、ぐりの生活圏では、お米や飲料水・インスタント食品・缶詰・レトルト・パンの類いからなぜか卵・牛乳は店頭にほとんど残されていない。乾電池・トイレットペーパー・箱ティッシュ・紙オムツ・粉ミルクは地震の翌日から見かけない。原発が爆発した翌朝にはとろろ昆布が消えた。

情けないことだ。悲しいことだと思う。
この同じ国に、雪が降るほど冷えるというのにろくな暖房もなく、あたたかい食事もなく、お風呂にも入れず、家族や親しい人と引き離され、住み慣れた故郷は泥まみれの瓦礫の山、まだ亡くなられた人たちのご遺体もそのままになっている、どこかに行きたくても移動手段すらない、そういう人たちが30万人以上いる。おまけに放射能まで降っている。
被災者の方々に日本中、世界中から支援の手は差し伸べられている。だがこの方々に選り好みする自由はない。ただそこに住んでただけなのに、こんなにひどいめにあわなくてはならない理由はなにひとつないのに、家も仕事も家族も何もかもを奪われて、明日どうなるかもわからない境遇に置かれている、そういう人が30万人以上もいるのだ。
なのになんでそんなみっともない真似ができるのだろう。

こういうときでもどんなときでも、人には自分の利益を守る権利がある。
だから、政府のいうことは信用できない、東電は嘘ばっかりついている、絶対東京は危ない、といって疎開していく人を責めたいとは思わない。とくに小さいお子さんやお年寄り、病気療養中のご家族がいるというご家庭などは致し方ないと思う。いざという時に身軽に動けない場合は大事をとって余裕を持って動くのが当然だし、弱いものは守られるべきだからだ。
外国政府が在日の自国民に日本政府よりも大幅な退避や国外退去を勧告するのも当然だと思う。彼らにだって政府として自国民を守る義務がある。日本人は気づかないかもしれないけど、外国人というのはどこにいても異物・少数者=社会的弱者なのだ。平常時は日本人社会の中でもなんとなくバランスをとって共存できていても、非常時には何が起こるかわかったものではない。多くの朝鮮人がデマの末に市民の暴力の犠牲になった関東大震災からまだ90年も経っていない。現に今回も既に「外国人のせいで避難所が混乱している」(東北地方には多くの外国人が留学生・研修生として滞在している)などといったデマが飛び交い始めている。誰も何も学習していないではないか。恥ずかしいことだ。
だから、君子危うきに近寄らず、安全な場所で自分の身は自分で守りたい、という人には是非そうしてもらいたいと思う。

だけど、ヒステリックに自分の考えをあたかも警告のように無責任に主張するのはいかがなものかと思う。疎開したい人は静かに穏やかに去ればよいだけのことではありませんか?何も他人に強制しなくてもよろしいではありませんか(Uさん、あなたのことではありません。念のため)?
親切心でいってくれているのかもしれない。心配してくれているのかもしれない。それはとてもありがたい。
とはいえ、ほんとうに、マジでガチでヤバくなったとして、まさかそれを政府が国民に黙っているとはさすがにぐりも思っていない。
ぐりはどこの国の政府もあんまし信用してない根性の曲がった人間だけど、今はインターネットとゆー便利なものもあるし、東京電力さんからありがたい広告費をいただいてないマイナーメディアの公平な報道だってちゃんと伝わっているし、自分の考えで自分のとるべき行動は決めたいと思っている。
ただ、これだけははっきりいっておきたいのだが、今、原発事故でいちばん苦しんでいる・これからも苦しまなくてはならないのは福島の人たちだ。そしてこの福島県は今回事故を起こした福島第一原発を所管する東京電力のサービスエリアではない。
つまり、福島の人たちは、自分たちのために電気をつくっているわけでもない、都会に電気を送るためにわざわざ建てられた原発がまき散らしている放射能にさらされているのだ。こんな理不尽な話はない。
そういう人たちがどこへも逃げられずにいるのに、自分はちゃっちゃとどっかに行っちゃおう、というふうにはぐり(@東電サービスエリア在住)はちょっと考えられないです。少なくとも今のところは。
本気で福島原発が爆発したとして、そこから放射性物質が東京に到達するまでに18~24時間はかかるらしいし、そのときになってから考えます。

とかなんとかエラソーなことをいってるぐりですが、実をいうと怖くてしょうがなくて、この1週間ほとんど眠れていない。
TVを観ないぐりにしては珍しく常にTVはつけっぱなし、24時間いつでも出かけられる服装をして、寝る時もそのままの格好でラジオにヘッドホンをつっこんでリビングの床に寝ていた。寝室は窓が多くて危険だからである。そんなの眠れるわけがない。
都内でも余震が多く、毎日のように震度3以上の地震が続いているので、なんだか体がずっと揺れているように感じる。完全に地震酔いである。
ひとり住まいで心細く、地震のあとは仕事も自宅待機になっていたので、昼間はSkypeをつないで友人といつでも話せるようにしていてもらった。ほんとうに長い時間、精神的にそばにいてくれた友人には深く感謝している。

原発の状況はいつ落ち着くのかもわからない。余震もいつまで続くのかもわからない。
いつになれば安心して眠れる日が来るのかもわからない。
なので今日の日記にはオチはないです。
とにかくとっとと、原発とやらいうガラクタをどうにかしてほしい。ちなみにぐりは生涯一度だけ仕事を断ったことがあって、それは原発関係の啓発事業だった。要するにぐりは原発はキライです。最初からキライだったし、これからも好きにはなれそうにない。
あと首相官邸はアホな鎖国はヤメて、ちゃんと全部のメディアを記者会見に入れて下さい。毎日朝から晩までこんな茶番につきあってるのもいい加減飽きました。


ぐりのうちの防災セット。毛布と水とヘルメット、軍手にラジオに懐中電灯。リュックには着替えと洗面用具、非常食が入ってます。ヘルメットは今回買いました。

デマまとめサイト。
地震のどさくさに差別をたれ流す人々
地震のデマ・チェーンメールその1
ず's WiLiKi デマの検証サイト一覧
ホントにヒマってゆーか無責任ってゆーか・・・。
ここにさらされてるアカウントの中に皆様のご友人やご家族がいらっしゃらないことを願います。