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落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

ナプキンの手紙

2011年03月25日 | 復興支援レポート
都庁に行って来ました。

つーても救援物資の寄付ではなくて(お金がないからです)、仕分けのボランティアで。
ちょうど今日仕事も休みだったし、都庁ならすぐ行けるし、仕分けくらいならできるし。こんなことが被災者の方々の役に立つなんて思わないけど、今日すぐできることがあるならしたいなと思って。
Twitterで希望者が殺到してるみたいな情報もあったので早めに出て、着いたのは8時半くらいだったかな?既にけっこうな行列になってて、最終的に今日のボランティアはなんと250人。すげえ。なんでも福島県双葉町からの避難民を受け入れているさいたまスーパーアリーナにもボランティア希望者が殺到していて、そこで登録を打ちきられた人が都庁に流れてるそーな。

無事受付を済ませて、案内された荷物置き場に荷物を置いて戻って来たら、なんか勝手にオリエンが始まっちゃってまして。
これがまたさっぱり聞こえない。拡声器が手のひらサイズのオモチャだから。周りの騒音もひどいし、あれじゃ一列目の人くらいしか聞こえないです。何いってるのか一言も聞き取れなかった。
オマケに配布されたマニュアルも人によっててんでバラバラ。意味がわかりません。仕切る気ゼロでしょう東京都福祉保健局よ・・・。
んで結局そばにいた「今日で三日目」の先輩ボランティアさんの指示に従って、生理用品の仕分けをすることに。

手順としては、赤ちゃん用品・高齢者用品・生活用品・飲料水と、物資の種類別にボランティアがグループになって空箱を用意しておいて、宅配便や持ち込みで届いた物資を開梱したボランティアが各グループのところへ中身を配って歩く。グループでは配られた物資をさらに細かく仕分けして、品目ごとに箱に詰め直して数量をカウント、品目名と数量と日付をラベルに書いて貼付。
ぐりは生活用品の中の生理用品のグループにいて、ひたすら生理用品を分けては詰めまくってました。偶然だったけど、たぶんこれがいちばんラクチンな品目だったと思う。軽くて柔らかくて壊れる危険がない。ただただガンガン詰めればいい。楽勝。
しかしあんなに大量の生理用品を目にするのは後にも先にもこれきりだろう。見たことないブランドの生理用品もいっぱい見たし、生理用品と尿もれパッドの違いもなんとなく見分けられるようになった。中にはぐりが初潮のころに使ったような年季ものもあったりして、ちょっとどうなの?とか思ったり。アレ、たぶん使えないよねえ。さすがにさ。

とにかく送られてくる物資の量はハンパなく大量だったけど、250人もいたらアッという間に片付いてしまう。
9時に始まった作業も昼過ぎには終わってしまった。なんかあまりにもあっさり終わって拍子抜けしました。人海戦術とはまさにこのことです。
そこで福祉保健局の人からあいさつがあって。
またまるっきり聞こえないので同じグループの女子学生が「聞こえません!」と発言してやっと、聞こえるように喋ってくれた。そしてまたがっかり。
物資の受付は今日まで。都のサイトやボランティアセンターの HPには27日〆切と書いてあるけど、土日は受付しません。だからボランティアは来なくてよろしい。週明けに受付もれのぶんがいくらか届くけど、それでボランティアが必要ならまた募集します。

東京都は被災地の自治体からの要請で物資を募集したけど、岩手県と福島県から受け入れを中止したいという要請があった。だから都でも寄付の受付を中止するらしい。
けどさ、どんなに膨大な量でもぜんぜん足りないんだよ。だって30万人以上いるんだよ。なのに中止するのにはわけがある。足がないからだ。
運搬する車両も人員も燃料も足りないから、いくらたくさん物資があっても被災者の手元にはなかなか行き渡らない。自治体には各地から集まった物資がどんどんたまってパンク状態になる。だから受け入れを中止せざるを得ない。けど絶対にすぐに足りなくなるのは目に見えている。
なのにハイそうですか、と中止してしまうのはすごく危険だと思う。そんなの災害支援なんかじゃない。災害支援は頼まれたことだけやるだけじゃ済まない。もっと計画的に物資を募集するとか、被災地で手が回らないところをフォローすることはできないのだろうか。被災者にほんとうに求められていることに応えるのが支援なのに、都はそんなもの自分たちの仕事じゃないと思っているのだろうか。

福祉保健局の皆さんは通常業務でさぞお忙しいのだろう。よその土地の災害支援なんかとてもやってられないくらいてんてこまいだから、頼まれたことだけやって済ませておきたいのかもしれない。
でもさ、この温度差はさみしすぎるよ。支援物資を寄付した人たちや、朝もはよから(一番乗りの人は7時?に来たといっていた)並んでボランティアに参加した人たちの、せめて少しでも被災者の役に立ちたいという気持ちなんて、都にとってはどうでもいいことみたいに思えてしまった。
確かに、こんな程度の支援行為はただの自己満足かもしれない。何を犠牲にするわけでもない、安全なところからできる範囲での、誰にでもできる簡単な、ごくごくささやかな行為だ。ぐりだってこんなことがほんとうに被災地の誰かの役に立っているなんてさらさら思ってない。自己満足といいたい人がいるならそういってもらって全然かまわない。ぐり自身そう思ってるし。

だけどやっぱり、都にはもっと主体的に支援する方法がいくらでもあるはず。
この非常時にそれをなんでやらないのかが、ぐりはよくわからない。
ただなんとなくせつないだけ。


都庁に集められた支援物資の山。ごく一部。
ときどきパッケージに「東北頑張れ」なんてメッセージが小さく書き込まれていたり、かわいらしいオリジナルシールが貼ってあったり、寄付した人たちの心が伝わるものもあった。
そういうものに触れられただけでも、今日参加してよかったなと思う。