落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

祭り其の三

2010年06月16日 | TV
『Summer Snow』
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2000年7月期にTBS系列で金曜9時に放送された連続ドラマ。全11話。
両親で事故を失い、家業の自転車店をきりもりしながら高校生の弟・純(小栗旬)と妹・知佳(池脇千鶴)を育てている夏生(堂本剛)と、近所の信用金庫に勤め始めたばかりのOL・ユキ(広末涼子)。偶然知りあい、夏生の趣味であるスキューバダイビングを通じて心を通いあわせるふたりだが、重い心臓疾患を抱えるユキにとってそれは無謀な挑戦だった。

『セカチュー』とか『いまあい』で泣ける悲恋映画やドラマが大ブームになったのは2004年。今から思えば先取りしてますね。定番ですけどね。難病とか、親のいない家庭とか。視聴率も平均18.1%で同クールトップだったよーですが、ぐりはこのドラマの存在自体知らなんだよ。なんでやろ?10年前、何やってたっけ?あたし?
それはさておき。
題材は親のいない家庭、非行、十代の妊娠、難病、臓器移植などやや重めながらも基本はほのぼのしたホームドラマ&淡いラブストーリーで、真面目一徹な好青年だがやや過保護で独善的な長男・夏生の非モテキャラからも、大人気ドラマ『ひとつ屋根の下』の影響がかなり濃く感じる作品。しかし見た目は別として堂本剛にこの役は無理があったように感じる。本人は頑張ってるんだろうけど、そもそもキャパオーバーだったのだろう。弟妹の小栗旬と池脇千鶴が演技派なだけに、アクセントも直せていない堂本剛や今井翼(知佳の彼氏で居候)や広末涼子のスキル不足がどうしても目立ってしまう。

とゆーワケで目がいくのは自然と小栗旬と池脇千鶴となる。
池脇千鶴演じる末娘はダメ彼氏の子どもを妊娠してしまい、兄たちに相談もできず悩む健気な17歳だが、家事の要を務めるしっかり者の主婦ぶりも発揮する。恋する乙女らしいところも持ちながら自立した強さもあり、あくまでも自己中で許されるヒロイン広末涼子の対極にあるキャラクターだけど、おそらく女性視聴者に支持されるのは彼女の方ではないかと思う。
小栗旬はこの番組当時役柄と同じ17歳(妹役の池脇千鶴の方が1歳年上)。難聴という障害を負いながらも素直で心優しく勉強熱心な優等生の次男坊という設定が見事にハマっている。ただし熱演のわりにはストーリー上で純が重要な回は少ないし、言語障害という設定のせいでセリフも多くなくて、なんかもったいなかったです。
10年も前なので外見的には今の小栗旬とはまったく別人です。背はもう既に今(184cm)くらいの長身だけど、一見すると同一人物とは思えないくらい印象が違う。ヘアメイクでつくった演出の部分もかなりあるにせよ、顔立ちも声音も幼くて17歳にも見えないくらい。このドラマには無名時代の塚本高史と玉山鉄二が今井翼に絡む非行少年役で登場するんだけど、彼らに比べても小栗旬のあどけなさは可憐といっていいくらいです。

ドラマとしては、やっぱり物語そのものにリアリティが弱くて、終盤かなり食傷しました。テレビだからファンタジーなのは当り前だけど、たとえば広末涼子の入院先の院長の息子(中村俊介)が心臓外科医で、広末涼子に移植手術を受けさせて一生面倒をみたい=結婚したいと思いこんでるなんて設定はまだいいとして、だからといって広末涼子が助かる=堂本剛と別れなきゃいけないなんつう構図ばっかり強調されてもついてけませんて。演じてるふたりもほとんどヤケ?みたいなゴネ方が微妙にサムい。
アイドル番組とはいえ、命を題材にしてる番組としてもうちょっと真面目にそこを追及してほしかったです。

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