『墜落遺体─御巣鷹山の日航機123便』 飯塚訓著
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何年か前、偶然、TVのトーク番組に某ヴィジュアル系ミュージシャンが出演しているのを見ていたら、その人の本名と「1971年8月12日生まれ、兵庫県出身」と云うテロップが画面に映っていました。
ぐりは音楽にはかなり疎いしましてヴィジュアル系なんて全く興味がなかったので、それまでも件のミュージシャンの名前と顔は漠然と知ってはいても、年齢や誕生日や出身地はどうでもよかった。
ところがこの時たまたま、何となく画面を見ていたぐりは、このミュージシャンが中学の同級生だったことを突然思い出しました。兵庫県出身、1971年8月12日生まれ、本名。間違いようがなかったです。自分でも驚きました。
彼の容貌が中学時代からほとんど変わっていなかったせいもありますが、何よりも鮮明に覚えていたのは誕生日。
いわゆる日航ジャンボ機墜落事故が起きたのは1985年8月12日、ぐりが中学2年の時です。つまり、あのヴィジュアル系ミュージシャンの14歳の誕生日にあの事故は起きたのです。しかも事故のニュースが速報で流れたのが夜の7時半頃、ちょうど夕食時のことでした。
ぐりはその誕生日の夜のことを彼が話していたのを、どういう訳かくっきりと覚えていたのです。
この本は、あの未曾有の大惨事の犠牲となった520人の乗員乗客の遺体の検死、身元の確認を監督した刑事が退官後に書いた手記です。
報道のカメラから犠牲者を守るために、真夏だと云うのに全ての窓を閉めきりぴったりと暗幕を張った体育館の中にひしめく幾千の棺、もうもうとたちこめる線香の煙、すさまじい死臭と腐臭が漂い、遺族の悲鳴と怒号と嗚咽の響きわたるなかで実に47日間にも及んだ遺体確認作業の、まさに戦場、地獄さながらの様子が、非常に克明にかつ平易な文章で読みやすく丁寧にまとめられています。
事故から13年経って時間によって整理された部分もあるでしょうし、文章をプロに習って書いたせいもあるでしょうが、それにしても良く書けた本だと思います。
タイトルは衝撃的ですし、内容もとても楽しいとは云えない本ではあります。
こんな感想を述べるのは不謹慎かもしれないけど、でも、読めば読むほど、生きていると云うことはそれだけで美しく素晴しいことなのだ、今日一日を無事に過ごせるだけで幸せなのだと云うことを痛感します。
この事故では、520人の方が家族や愛する人々のもとから一瞬にして奪い去られ、そのほとんどの肉体が原形もとどめない酷い損傷を受けました。ここで引用はしませんが、普通の生活をしている人間にはおそらく想像もつかない状態の遺体についての記述が何度も何度も登場します。そんな遺体をひとつひとつそっと洗い出来る限りの修復を施す看護師、犠牲者の歯を一体一体調べ続けた歯科医、遺族と一緒に号泣しながら遺体を捜す捜査員、彼らをバックアップする地元のボランティア、その場にいた関係者たちの「カケラでも何でもとにかく絶対に全員の遺体を間違いなく家族のもとに帰すべし」と云う断固とした意志が、本のなかにすら満ちあふれています。
その思いは、悼みでもあり、愛でもあり、情でもあり、怒りでも悲しみでもありつつ、何とも言葉には表現しにくいものなのだけれど。
お勧めの本です。
少々うさんくさいくらい感動的な、良い本です。
頑張り方、幸せのあり方について、強く考えさせられる本です。
ぐりは若い子に読んで欲しいなぁ。学生さんとか。
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何年か前、偶然、TVのトーク番組に某ヴィジュアル系ミュージシャンが出演しているのを見ていたら、その人の本名と「1971年8月12日生まれ、兵庫県出身」と云うテロップが画面に映っていました。
ぐりは音楽にはかなり疎いしましてヴィジュアル系なんて全く興味がなかったので、それまでも件のミュージシャンの名前と顔は漠然と知ってはいても、年齢や誕生日や出身地はどうでもよかった。
ところがこの時たまたま、何となく画面を見ていたぐりは、このミュージシャンが中学の同級生だったことを突然思い出しました。兵庫県出身、1971年8月12日生まれ、本名。間違いようがなかったです。自分でも驚きました。
彼の容貌が中学時代からほとんど変わっていなかったせいもありますが、何よりも鮮明に覚えていたのは誕生日。
いわゆる日航ジャンボ機墜落事故が起きたのは1985年8月12日、ぐりが中学2年の時です。つまり、あのヴィジュアル系ミュージシャンの14歳の誕生日にあの事故は起きたのです。しかも事故のニュースが速報で流れたのが夜の7時半頃、ちょうど夕食時のことでした。
ぐりはその誕生日の夜のことを彼が話していたのを、どういう訳かくっきりと覚えていたのです。
この本は、あの未曾有の大惨事の犠牲となった520人の乗員乗客の遺体の検死、身元の確認を監督した刑事が退官後に書いた手記です。
報道のカメラから犠牲者を守るために、真夏だと云うのに全ての窓を閉めきりぴったりと暗幕を張った体育館の中にひしめく幾千の棺、もうもうとたちこめる線香の煙、すさまじい死臭と腐臭が漂い、遺族の悲鳴と怒号と嗚咽の響きわたるなかで実に47日間にも及んだ遺体確認作業の、まさに戦場、地獄さながらの様子が、非常に克明にかつ平易な文章で読みやすく丁寧にまとめられています。
事故から13年経って時間によって整理された部分もあるでしょうし、文章をプロに習って書いたせいもあるでしょうが、それにしても良く書けた本だと思います。
タイトルは衝撃的ですし、内容もとても楽しいとは云えない本ではあります。
こんな感想を述べるのは不謹慎かもしれないけど、でも、読めば読むほど、生きていると云うことはそれだけで美しく素晴しいことなのだ、今日一日を無事に過ごせるだけで幸せなのだと云うことを痛感します。
この事故では、520人の方が家族や愛する人々のもとから一瞬にして奪い去られ、そのほとんどの肉体が原形もとどめない酷い損傷を受けました。ここで引用はしませんが、普通の生活をしている人間にはおそらく想像もつかない状態の遺体についての記述が何度も何度も登場します。そんな遺体をひとつひとつそっと洗い出来る限りの修復を施す看護師、犠牲者の歯を一体一体調べ続けた歯科医、遺族と一緒に号泣しながら遺体を捜す捜査員、彼らをバックアップする地元のボランティア、その場にいた関係者たちの「カケラでも何でもとにかく絶対に全員の遺体を間違いなく家族のもとに帰すべし」と云う断固とした意志が、本のなかにすら満ちあふれています。
その思いは、悼みでもあり、愛でもあり、情でもあり、怒りでも悲しみでもありつつ、何とも言葉には表現しにくいものなのだけれど。
お勧めの本です。
少々うさんくさいくらい感動的な、良い本です。
頑張り方、幸せのあり方について、強く考えさせられる本です。
ぐりは若い子に読んで欲しいなぁ。学生さんとか。