乗りはぐれ 師走の瀬戸の 阿伏兎まで
常石の3時便に乗り遅れたついでに、久しぶりに阿伏兎の観音さんまで、足をのばす。
宮城道雄 (1894~1956)
団塊が6歳の頃、宮城道雄は、盲目の為トイレのドアと勘違いして、走行中の汽車から転落死したニュースが、昭和31年の世の中を駆け巡った事を子供ながらに記憶している。
おそらく、琴の産地、福山を訪ね、阿伏兎の瀬戸の潮騒が、名曲 春の海を生ませた事だろう。
阿伏兎観音は、子授かりの観音さまでもあるのだから。
それから、100年も前の江戸後期。
あの、東海道中膝栗毛の十返舎一九(1765~1831)も、鞆の浦まで膝を伸ばしていたとは。
宮城道雄さんは、神戸の生まれ、十返舎一九は、静岡(駿府)の生まれ。
内海大橋を渡り、横島から眺める百島泊港。
反対側から見る正面と裏面。
そんな、二元論を覆す、阿伏兎の海。
船便に遅れて良かった。