百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

平和の鍵穴。

2019年06月30日 | 空木宝剣

会津八一 (1881~1956)

おほてらの ましろきはしらの つきかげを 

つちにふみつつ ものをこそおもへ


 
法隆寺や唐招提寺の白い柱も、遠くパルテノン神殿と同じくエンタシスの膨らみを持つことを詠嘆した歌。

(号 秋草道人)

ヘンリームーア (1898~1986)

ヒロシマ比治山公園のブロンズ像

原爆によって亡くなった先人の骨が、地中から生えてきて、平和の鍵の如くに存在する。

杭谷一東 1942年生まれ 世羅出身。

大理石の彫像は、ムーアのそれより、なお一層、ヒトの骨が、天に貫く鍵穴を覗かせているようである。

平和の鍵穴。

建築も彫刻も、洋の東西を問わず、繋がっている。


水無月の大祓。

2019年06月30日 | 千伝。

毎月二十八日は、お不動さん参り。

自営業、個人事業主・・・そういった方々が、多く参拝されます。

商売繁盛のスポットです。

そして、今日は、茅の輪くぐりへ。

福井いちばんのパワースポットとして、県外からも多くの参拝者が目立ちます。

今日は、六月水無月晦日、大雨です。

蓮の花、その根は、レンコン。

明日から、七月ふみづき。

神さま、仏さまを参拝することは、より良い明日を求めるからでしょう。

「幸いある日には楽しめ、禍いある日は考えよ。神は、この二つを相交えて下し給ふ」(旧約聖書)


ひばり忌 (1937/5/29~1989/6/24)

2019年06月26日 | 空木宝剣

殿山の 寝そべる丘に ひばり鳴く

今日は、美空ひばりさんの命日。

亡くなって30年。

ご健在なら82歳。

人生百年時代に52歳とは、薄命のようだが、その中身は濃厚。

夜空に輝く、数多のスターの中の一等星。

戦後のドサクサの土壌に咲いた、希望の大輪の花。

先週から、ラジオ深夜便で、村田英雄さん、鶴田浩二さん。

それに、昨夜は、吉田正さんの「異国の丘」等の昭和オンパレード。

若い時は、オールナイトニッポンやらジェットストリーム。

高齢者の今は、ラジオ深夜便。

往年の大スターの歌声が、若く感じるのは、団塊が年齢を追い越したせいかも知れないが、美空ひばりさんは、例外。

亡くなっても、未だ現役なのかも知れない。


ちゃんちゃんこ。

2019年06月23日 | 百伝。

お年寄りと話していると、こんな昔話を聞きました。

「子供の頃、袖なしのちゃんちゃんこ(綿入り)を着ているとイジメられた。袖なしのちゃんちゃんこは、布切れが無い貧乏の子供が着ていたからね」

成程・・・「袖無し」という言葉が、ある意味で「ちゃんちゃんこ」を指すというのは、そういうことなのかと思いました。

ちゃんちゃんこ・・・思い出したこと。

そういえば、夏の期間中でも、百島では「ちゃんちゃんこ(袖付き)」を着ている同級生がいます。

彼は、若い頃にはやく結婚して、大阪に新居を建てて、コンピューター技術者として暮らしていました。

ただ、大きな交通事故に遭って、それから人生観が変わったのかな?

寒暖の感覚が鈍くなって、暑い夏の期間でも、あの綿入れのちゃんちゃこを着ているのかな?

・・・と考え込んでしまいます。

服装には無頓着だし、今は携帯電話もパソコンも持っていないと言ってました。

百島と大阪の二拠点生活というよりも、妻子を大阪に残して、ほとんど百島暮らしを、独りで極めているようです。

畑仕事、百姓仕事の基本の基本イロハを、母親から習ったとのこと。

多分、大きな災害が遭って、水道も電気も止まっても、彼は、平気かもしれません。

既に、彼は、生き延びるサバイバル術を身につけたかのような風情すらあります。

巨大な天災やら戦争が起こったとして、自給自足の生活を自衛手段として備えているような気もします。

水道、電気、物流、お金の流れも止まってしまえば、都市生活者は、生きていけません。

ましてや、都市生活高齢者は、政府機能や金融市場が崩壊ストップして、年金受給が止まれば、人生アウトとなります。

賢い人間は、そういう状況を想定して生きているのだろうか?

生き延びる力は、先見の明というのかもしれません。

この日本という国は、北から南まで、震災列島、火山帯列島とも呼ばれています。

唯一、瀬戸内海の地域だけが、安全地帯のような不思議さ。

「わかめ」と「いりこ」と「きな粉」をミキサーでまぶして飲めば、虫歯は出来ないと言っていた同級生。

僕も、ちょっとだけ、土いじりの花団(花より団子)作りを学びはじめました。

百島の同級生からは、「いくらでも畑を貸してやるから、好きなように使えばよい」と言われています。

彼らから生き延びるためのサバイバル術を教えてもらうと、もっと楽しい人生になるかな?

百島で「ちゃんちゃんこ」を着た彼が、百島のヒーローに成り得る可能性は大きいと考えます。


ものもらい。

2019年06月20日 | 千伝。

昨日、仕事場でテレビニュースを観ていました。

一昨晩の山形新潟での地震被害状況、それと老後資金の「2000万円不足問題」を中心としたニュースが流れていました。

政治家も官僚も、そして、それを伝えるメディアの方も、きっと裕福層なのでしょう。

・・・何か勘違いしています。

現在、厚生労働省が示しているモデル年金(夫婦二人の世帯で、夫が厚生年金に加入し、生涯平均年収が約500万円の専業主婦世帯)は月額21万8000円。

生活に必要とされる月額支出は、約26万円。

その不足差額が毎月5万5千円x12x30年で約2000万円とのこと。

国民年金だけならば、もっともっと足りません。

それならば、かつての平均年金支給額28万円まで底上げできないのか?

それならば、貧困層全員、生活保護を受給して貰うことはできないのか?

どこに、その財源があるのかと言う指摘?

令和となった今の時代は、バブル時代と匹敵するぐらい人手不足ぐらいに景気が良いのでは?

しかし、5年前(2014年6月)の年金財政検証(五年毎)では、最悪のケースとして14万6000円まで減額されるケースが提示されたとのこと。

今年は、まだ年金財政検証は、未提出とのこと。

だから、一般庶民は、「年金払えないならば、政治家の議員の給与を減らせ、戦闘機を買うな!」と怒っているのです。

さらに、「還暦60代の4人の1人が、貯蓄100万円以下」という日本社会のアンケート結果もあるのです。(共同通信)

退職金がいくらだとか、投資はこれがいい方法だとか、メディアも馬鹿のように喧伝しますが、地方生活者にとっては、ほとんど無縁なのものです。

地方の中小零細企業の退職金やボーナスが、どれほど少額のものか、全く理解していないのでは?

介護業界を例にして、もっと分かりやすく説明すると、今回の山形新潟地震。

一日も早い復興を希望します。

もしも、明日、ここで地震が起きて、家の方に被害が出たら、我々の世代は、おそらく出勤しません。

昨年の大雪被害がそうでした・・・通勤距離の遠い方は、ほぼ出勤できない。

現場責任者、管理者が、歩いてでも遠くから出勤するしかなかったのです。

我が家を守るので、手一杯、精一杯となります。

ほとんどの施設内の厨房、介護現場で働く皆さんも高齢世代ばかりで、同意見です。

明日、地震が来ても、自らの職場を守り、出勤できるるのは、若い世代パワーなのです。

しかし、介護の業界全体では、若い世代が少なく働いていないのです。

そうなると、介護施設自体も、そこに暮らす裕福な高齢者も、死活問題に直面します。

これは、日本全国共通の高齢化社会「まだ見えざる未来の日本人の不安材料のひとつ」かもしれません。

非正規社員にも、介護職員にも、公務員並みの給与を与えて貰わないと!

引きこもり100万人の皆さんにも、仕事の担い手になって貰わないと!

日本の未来が「国、官富み、民貧しく」であるならば、どこかの国と同じで、世界中が羨むはずがありません。

国も、民も、貧しくなるのは、必然となります。

「やりがい搾取」ではないのです。

昨日のニュースを観ていると、目がチカチカと痛いので、今朝、眼科に行くと「ものもらい」でした。


宇宙の店。

2019年06月19日 | 千伝。

残念乍ら、夕方行くと、この宇宙の店は、既に閉まっていました。

何を売っていたのかな?

宇宙食?・・・大喰いの人間には、好いかもしれません。

大喰いでなければ、宇宙飛行士にも、金持ちでも、何でもなれた人間は、この世には多くいるはずです。

日本最大の宇宙技術および科学の国際シンポジウム(第32回 ISTS International Space  Exhibition)が、今年は、福井で先週末から開催されていました。

宇宙をキーワードに、大手企業、外国企業、自治体、そして、宇宙機関などの数多くの団体が参加していました。

天文学者、ロケット打ち上げ技術者、宇宙飛行士・・・こういう宇宙を目指した職業を夢見て実現したことを、ほんとうの天職というのかな?

未来を目指すプロジェクトに繋がる何かであってほしいですね。

夢見ることは、いい事です。

引きこもって、百万の夢を見るのもよいのです。

僕も還暦すぎた60代の高齢者になりましたが、若い頃に夢見たものに挑戦しようという想いに駆られました。

夢見ても、天が、万人に平等な知能を与えていないのは理解できるけど、その采配(分配)に不満を言いたくなる時間の余裕もありません。

大喰いをやめて、まずは宇宙食のようなものから食べ始めないとね!


ポツンと。

2019年06月17日 | 百伝。

NHKの大河ドラマ「いだてん」の視聴率が低迷しているとのこと。

僕の気持ちも、同じく走り去ったかなぁ?

来年の大河ドラマが、楽しみではあります。

いつの頃か、大河ドラマよりも、裏番組の日本テレビ系の「世界の果てまでイッテQ」の方が、高視聴率だとのこと。

その要因・・・理解できます。

さらに、その「イッテQ」の視聴率が、これまた裏番組のテレビ朝日系の「ポツンと一軒家」に追い抜かれたとのこと。

視聴率20%超え・・・そう、「ポツンと一軒家」は、とても興味が湧く番組です。

どんな方が、不便な山の中にある一軒家で、どういう事情で、どういう生活をしているのか?

その生き方、人生を考えさせられるのです。

「経済的に成り立たなければ」・・・その土地で暮らせないのが現実です。

それが・・・どうして、山の中の一軒家で成り立つのかという不思議さが魅力でもあります。

今日のNHKの「鶴瓶の家族の乾杯!」

舞台は、山口県の離島、めでたい地名の「祝島」でした。

この祝島・・・前々から、どんな島なのか興味があったのですが、いいなぁ。

祝島・・・凄く好い島ですね。

大抵、島生まれ島育ちの人間は、他の島のことを褒めないのですが、この祝島は、百島ぐらい好いです。

何が好いかというと、ポツンと離島なのです。

多勢と繋がらず、ポツンと孤立性を保っている人間同様、孤高な地域的なアイデンティティーの魅力があります。

今の日本では、船大工という職業は、僅かだとのこと。

子供の頃、百島でも伝馬船が一杯係留していて、昔は、其々が船大工だったと聞いた憶えがあります。

そういう技術の伝承、継承が、どんどん消えてゆく島の文化が、物哀しいかな。

ポツンとは、原点のことです。

誰でも、夢や目標があれば、そこに辿り着くまで、方向を見失い、迷い、身の危険までさらして、心も疲弊することもあります。

迷わない人間は、いません。

知り尽くしている山道、潮の流れでさえも、突然状況に変化があれば、その判断、方向に迷います。

その時は、初心に戻りましょう。

原点に立ちましょう。

プラス、マイナスの両界に、「ゼロ 0」の概念を考えたのが、インド人だと聞きました。

10x10 より、百 x 百 までを、暗記させるのもインドの教育方針だとか。

インドで生まれた仏教の教えに、彼岸(あの世)と此岸(この世)があって、その間を「三途の川」が流れているとのこと。

その三途の川が、もしも何も水が流れていなかったら、彼岸も此岸も同じひとつの世界に繋がるとのこと。

三途の川とは、煩悩だとのこと。

先日、ポツンと腑に落ちた法話の原点から。

今日は、インドカレー店で、昼食を頂戴しました。

大変美味でした。

感謝。


デッサン (dessin)

2019年06月16日 | 空木宝剣

父の日や 今日のデザイン 雨上がり

(雨上がりの広島)

(雨雲の下に宮島)

(夕暮れのデザイナー)

10年程も前だったろうか?

日経新聞の「私の履歴書」に、栄久庵憲司さん(1929~2015)の履歴が掲載されていた。

キッコーマン醤油の卓上瓶から新幹線のデザインまで、ありとあらゆる工業製品のデザインを手がけるとあった。

それに実家が、広島は平和通り沿いの戒善寺との事だったので、興味深く「履歴書」を読ませて頂いた記憶がある。

既に、亡くなられて4年の歳月。

Design Thinking (デザイン思考)は、イノベーションを導く。

(デザイン)

形態は機能に従う(ルイス・サリバン)

昨日、「デザインの役割とは」の演題で、現在のインダストリアル・デザイナー 戸谷毅史さんのゼミナールに参加。

世界のデザインは、日本のデザインは、令和のデザインは、政治のデザインは、経済のデザインは、文化のデザインは、教育のデザインは、社会のデザインは、草臥れてないか?

そんな事まで、想像を巡らさせる講演だった。


麒麟。

2019年06月13日 | 百伝。

今日6月13日は、明智光秀公の命日。

今日は、福井市郊外にある東大味町という田園地帯まで出かけて参りました。

そう、今日は、明智神社で行われた法要に参加させていただきました。

ひょっとすると、日本一小さな神社かもしれません。

実際は神社と言えども、「祠(ほこら)」という方が正しいのかもしれません。

ただ、この明智神社、今、とても注目を浴びています。

来年のNHK大河ドラマは、織田信長を討ち果たした明智光秀を主人公とする「麒麟がくる」とのこと。

光秀は、美濃の国(岐阜)から家族連れて、越前の国(福井)に逃れ、朝倉家に仕えました。

この明智神社が、かつての光秀の居住跡とされる場所で、ここで約10年ほど暮らしたと言われています。

娘、のちの細川ガラシャも、ここで生まれたようです。

その後の明智家の波乱の生涯は、歴史上、周知の通りです。

室町幕府最後の将軍となる足利義昭が、越前朝倉義景を頼り上洛を期待するものの朝倉は動かない、そこで明智光秀の存在、動きが大きくなります。

足利義昭と上洛を助ける織田信長の両家の家臣となります。

光秀一家がこの地を去ったあと、織田信長勢の一向一揆の討伐で越前武生界隈の焼き討ちを知り、この地域の安全を保障する安堵状を柴田勝家に頼んで出したというのです。

だから、織田信長が一乗谷の朝倉を攻め滅ぼした時にも、この地域は安全を保たれたとのこと。

信長の直臣となった明智光秀は、その後、本能寺の変で、織田信長を討ち果たして、三日天下とも、天下の裏切り者、謀反人とも呼ばれてしまいます。

ただ、この地域の農家は、助けてくれた恩を「あけったぁま」として、光秀の小さな木像をご本尊として400年以上秘かに守ったとのこと。

これが明らかになったのは、武家支配の江戸時代が終わったあと、明治19年とのことでした。

おそらく、日本一小さく幸せな神社のひとつかもしれません

・・・個人的な感想です。

明智光秀一家が、いちばん幸せに暮らした時期は、この越前の田園生活だったのではないかと思い耽ってしまいました。

付け加えると、明智光秀と柴田勝家は、友好的な友情のような関係があり、だから本能寺の変のあと、柴田勝家は意図的に動かなったのでは? と考えてしまいます。

因みに、日本一小さな寺は、近江の大津にある同じく三日天下と呼ばれた木曽源義仲、その隣りに松尾芭蕉が眠る「義仲寺」かもしれません。

源義仲が旗を挙げた地、木曽の百島を思い浮かべました。

空想上の獣である麒麟。

優しく殺生を嫌う霊獣とされています。


法要での和尚さんの説法にも感謝。

地元、東大味の皆さんのおもてなしに感激しました。


月光仮面。

2019年06月12日 | 空木宝剣

水芭蕉 埋蔵金は 無尽蔵

田辺聖子さん91才で死去とのこと。

いよいよ人生100才時代到来か?

ところが、「95才まで生きるには、2000万円の蓄えが必要」との金融審議会の発表が、物議をかもしている。

年金の安心感は、繰り越しが必要でないところにある。

死ぬまで生きて、死ぬまで使いっ放し、死んでお仕舞の安心感がある。

それが、不足するともなると、投資でもして補うかという考えは、目出度い人で、元も子も失う場合が多い。

誰かが儲かった分は、誰かが損をしたからである。

老後資金2000万円を、誰が損して下さるか?

早や、6人に1人が高齢者。

その200万人に2000万円を給付すると40兆円が必要。

どんな足長おじさんでも、40兆円ともなると足たらず。

40兆円の埋蔵金をひねり出せるのは、一体誰でしょう。

それが、問題です。


桃島之蘇民将来子孫也。

2019年06月11日 | 百伝。

先週のNHK「歴史秘話ヒストリア 三十三間堂 国宝大移動」を観ていて、ふと三十三間堂を参拝したくなりました。

一昨日の日曜日、京都まで日帰りで出かけて参りました。

昭和の20代の頃に参拝して以来の三十三間堂、一千一体の千手観音立像は、やはり圧巻でした。

内部は、撮影禁止。

風神・雷神の逆の位置までは、まったく憶えていません。

ましてや、「自分が会いたい顔のある千手観音」も全く興味の無かった20代の若さでした。

全長が120メートルもある本堂の長い廊下だけは憶えていました。

庭園の側で、中国の「気功」を披露する外国人がいました。

ヨーロッパでは有名な気功先生だとのこと。

カメラマンから教えていただきました。

ふ~ん、と思いながら、「祈り」とか「念」というものを考えさせられた一日です。

朝に感謝。

八坂神社にも参拝しました。

これまた、昭和の時代以来ですから、30年以上ぶりの参拝です。

平成時代には通り過ぎるだけで、参拝しなかった三十三間堂、八坂神社。

令和元年、早朝に参拝しました。

 

阿闍梨のような白装束姿の外国人も・・・大勢居られました。

京都大廻りの話を思い出す光景でした。

さて、八坂神社と言えば、牛頭天王信仰。

日本三大祭りの京都の八坂神社の祇園祭の祭神(牛頭天王・・お天王さま)の起源(疫病退治)が、牛頭天王信仰になっています。

天王祭り、天王洲アイル等々の祭り、地名の起源は、牛頭天王信仰から始まっています。

そして、30年以上前に出会ったのが、、京都の八坂神社の「蘇民将来子孫」のお守りだったのです。

「蘇民将来子孫」というお守りがあるのは、スサノオノミコト(神仏習合して牛頭天王)が流浪していた時に、「蘇民将来」という人がスサノオ(牛頭天王)を助けたので、蘇民将来の子孫をスサノオが守ってくれるという神話伝説が起源となります。

ところが、今回、八坂神社のお守りお札の売り場に行くと、「蘇民将来子孫也のお守り」が無い!

そんな馬鹿なと思いながらも、巫女さん、神官さんのような出で立ちをした販売員の方々に訊いてみても「蘇民将来」なんてという名前さえ全く存じてない気配、様子でした。

「茅の輪くぐり」の神事を知っていても、「蘇民将来子孫也」を知らないというのは、極めて残念でした。

備後国風土記逸文に日本でもっとも古い「蘇民将来」の名が残されているのです。

出雲から、備後の桃島へ飛んで参るのが、スサノオミコトという神話です。

右から左まで、全部のお守り。お札をもう一度眺めてみました。

恋愛成就やら今はやりの人生の勝運のような、そんな「お守り」ばかりでした。

仕方ないので、社務所のお偉方さんにも事情を聞こうかなと思いながら、諦めていた瞬間、目に飛び込んできたのが、たった一種類の「蘇民将来子孫也」のお守りです。

有り難く頂戴致しました。

参拝も終えて、「蘇民将来子孫也」のお守りを懐に、厠(はばかり)へ。

用を足して、気が付けば、手紙(トイレットペーパー)がないのです。

昔、トルコへ旅行した際、公衆便所に入った時と同じような状況を体験をしたことを思い出しました。

あの時は、まだ若くて、手元の文庫本をバリバリと破いて、拭いたことを憶えています。

イスラム教では、左手が不浄の手で、手を使って後始末をしたあと、チョロチョロと流れる水で指を濡らして、それを面前の壁に拭い去るのです。

しかし、ここは、京都の八坂神社の厠の密室です。

しばらく、目を閉じて考えました。

今回は、手元に文庫本も雑誌も無い、有るのは財布の中のお札と、お守りを入れた小さな紙袋。

「蘇民将来子孫也」と呟いてしまいました。

すると、ナント・・・目を開けて吃驚しました。

さっきまで存在しなかったトイレの片隅にポケットティシュ、ひと袋が置かれていたのです。

非現実、その世界観が、祈り、念となり、宗教となり、文化となり、観光となるのだと痛感しました。

蘇民将来子孫也の原点は、備後国の瀬戸内海に浮かぶ桃島であると確信しました。

現在は、百島と書き記すようです。


ダイムラー (1834~1900)

2019年06月09日 | 空木宝剣

梅雨空や 天が動くか 地走るか

齢と書いて、強いと呼ばず、よわいと言う。

歳には勝てないという謙虚さの表れかも知れない。

昨今、高齢者ドライバーの交通事故が目立っている。

ブレーキとアクセルの踏み間違いのような、暴走事故は悲惨である。

何故、アクセルも、ブレーキも、足に任せるのか。

人体に於いて、手先のほうが足先よりも、機敏な筈である。

ましてや、老化による衰えは、足や目から始まるにもかかわらずである。

アクセルをフットにすれば、ブレーキはハンドにて、アクセルとブレーキは分離すべきである。

車椅子の運転免許者によると「我々は改造された自動車を、手だけで操縦するから、健常者より事故は少ない」との弁。

高齢化社会。

目や運動能力の衰えによって、錯覚や勘違いを起こし、ブレーキとアクセルを迷って踏んだり、2車線を咄嗟に3車線と勘違いし、反対車線に侵入したりの間違いを起こす。

間違いはあっても、相対するものがなければ事故にならないが、過密社会では、違反や間違いは即、事故につながる。

オートマチック。

いつだったか、折衝事故を起こした車を運転していたのは、小学生だったという報道があった。

クラッチもなく簡単に運転できる自動車は、反対に、事故を起こさない複雑なセンサーを備えた鎧をまとうべきである。

盾と矛、天動説と地動説。

老人と自動車。

相対する課題は同角である。

 


尾道 朱華園。

2019年06月08日 | 百伝。

今日の中国新聞によると、朱華園が休業との事。

その昔、檀一雄(1912~1976)が、ここのラーメンは、日本の三本指に入ると言ったことで、有名になった。

檀一雄さんは、「律子その愛その死」など九州を舞台にしたイメージだったが、出身は、なにかと広島県と縁のある山梨県とのこと。

己斐と甲斐、毛利と武田、白樺と尾道、林真理子と林芙美子等々。

朱華園の社長は、百島対岸の浦崎界隈に多い檀上さんとの事。

これまた、檀繋がりのご縁だったかも知れない。


百島桃源郷。

2019年06月06日 | 百伝。

百島アートベース発信のニュースより。

香港の大手新聞紙「South China Morning Post」の記事、「一回訪れるべき日本の隠れスポット5選」の一つとして、百島とアートベースのことが掲載されました。
https://www.scmp.com/…/japans-hidden-gems-5-magical-places-…

早速、記事を読んでみました。

Japan’s hidden gems: 5 magical places you’ve probably never visited

Visit the castle town of Gujo-Hachiman, meet famous island-dwelling artists, or just relax in a tucked-away onsen. Even diehard Japanophiles will be impressed

Without exaggeration we can say that Hongkongers have extensively explored the land northeast. However, there are still some hidden gems that diehard Japanophiles may yet have to discover.

・・・嬉しいですね。

僕も個人的には大好きな岐阜県の郡上八幡を筆頭に、静岡県の下田、大分県と島根県の温泉地。

そして、瀬戸内海の桃源郷「百島」。

「百」とか「桃」とか、”MOMO”は、世界的に縁起のよいワードかもしれません。

新しい百島人による発信力の賜物かもしれません。

久保田さんの百島ラクオリ SAPボードも紹介されていました。

キャプテンの百島カヤックも好いですよ。

写真提供:百島カヤッククラブ



命の声。

2019年06月04日 | 千伝。

中高年の引きこもりが、大きな社会問題となりつつあります。

今朝の新聞のトップ記事に驚かされたこと。

金融庁が老後資金で「自助」呼び掛け、年金の不足分補填を呼びかけているとの記事。

全くふざけた政府機関のコメントです。

老後を安心させるのが、政治、役所の役割、国民幸福への国家指針でしょう。

日本の政治体制、役所、公務員は、こんなにレベルが低いのかな?

こんな日本に住みたくないという気持ちになります。

あえて言うのであれば、「高齢者はすべて引きこもり予備軍」なのです。

今年から、療養型病院から高齢者居住施設に転職して、最近ふと思うこと。

最低限、自分で歩いてトイレで用を足して、食べれる身体機能があるまでが、健康寿命です。

施設内の個室生活は、自由度が高いようでも、かなり孤独感を強いられます。

「認知症」「身体機能レベル」との終わりない不安の日々が延々に続く個室生活を想像してください。

東北地方、中国地方から来られて生活されている高齢者がいますが、自宅での在宅介護ができないのが日本の家庭現状なのです。

数か月前から手足がむくんで入院せず、通院治療していた方が、当日の朝まで施設内で食事して、その夕方に亡くなった方がいました。

病院で延命治療をされるよりも、施設での生活の継続の中で、あっという間に逝く方がいいのかな?

・・・幸せかな?

病院も施設も、空きベッド、空き部屋があると、すぐさま新しい高齢者が入って来ます。

昭和のヒトケタ生まれの方から昭和10年代生まれの方が増えて、まもなく昭和20年代生まれの方が主流となる高齢者の世代交代の時代に入りました。

端的に言えば、「終の住処」は、「高齢者の引きこもり」となり、早かれ遅かれ誰もがいつか行く場所への準備期間なのです。

一昨晩のNHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」

51歳の女性が、スイスで「安楽死」を選択するまでのご本人と家族の葛藤を描いていました。

その一方で、同じく50歳の女性が同様な病いによる「延命治療」を選択する対峙が、とても印象的でした。

50歳という思考意識はあるのに、身体は終末期の高齢者のように寝たきりで、胃瘻による栄養摂取、人工呼吸器を使用しての延命治療の是非の問いかけ以上に、生きがい、もしくは、生きやすさ、その「生きる意味合い」を提示されたような面持ちでした。

点滴による安楽死、注入後30秒ほどで「命の終わり」をテレビ画像で見終えたあとに、「みんな、ありがとう」の最後の言葉が耳に残りました。

まさしく、「命の声」でした。

「命の声」が、殺人、自殺になってはならないのです。