ああ無情、レ・ミゼラブル。
ほぼ半世紀近く毎年毎年、日本の自殺者は2万人を超えているという統計数字。
つまりは、この50年間で100万人以上が自殺している日本社会なのです。
教育の根本は、よき人生観に培う感化を与えて、その究極は生き延びる力を育むとの事。
昭和40年代後半の中学生、高校生の頃、大日本帝国の亡霊を見たような事件。
約30年近くグアム島のジャングルやフィリピンの密林に潜伏していた元日本兵の横井庄一さん、そして小野田寛郎さんが発見されて帰国したニュースは、衝撃的な事件でした。
全く別の意味での潜伏逃亡劇。
今から27年ほど昔、福井市内で逮捕された殺人逃亡犯、福田和子の事件も衝撃的でした。
愛媛県松山ホステス殺人犯福田和子、15年間に及ぶ偽名詐欺めいた逃亡人生、時効寸前のあと21日前に逮捕。
福田和子が、福井から四国松山へ護送される当日は、ヘリコプターが飛ぶ、福井駅周辺は騒然、取材陣、大音響でごった返していました。
そして今、死に際に約50年もの間の潜伏した半世紀逃亡者桐島聡を名乗った人物。
50年も生きていない若い世代には、衝撃的な事件に映るようです。
職場の若い世代にも話題になっていました。
つい各々の人生と比較してしまうのでしょう。
コンクリート・ジャングルの都会、自然豊かな田舎、現代社会で携帯電話も銀行口座も免許証も健康保険証も年金手帳も無し、選挙権も無し、社会保険福祉の受給権利放棄、自らを証明できるモノが無い生活が、半世紀、50年もの間、生活が可能だったのか?という特異な生存能力です。
息子からも、「この桐島聡、尾道の高校出身なんだ?」と聞かれました。
「叔父さんのバレー部の1学年先輩がクラスメートだったみたいだよ」と答えました。
「桐島、部活(逃亡生活)やめたよ」ではないけど、「逃げ切った、逃げ通した、勝利宣言」というマスコミ・メディアのコメントがありました。
最後の最後、本名を名乗ったというのは、多分、きっとです。
「逃げてはいけなかった」
福山、尾道間、毎日の往復通学途中に眺めていた尾道水道。