ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

心不全な政治家

2025年02月26日 | 百伝。

昨日は、瀬戸内海の百島にも雪がちらほらと舞い降りていたとのこと。

今日からは春の足音が近づいて聞こえて来るようですが、北陸地方の雪景色、冬が遠ざかると思うと少し寂しくなるという想いもあります。

この頃の世界は、皇帝気取りの国家指導者、政治家が多いようです。

トランプ皇帝、プーチン皇帝、習近平皇帝、あと諸々・・帝国主義にあと戻りするかのような不健康な様相です。

国家か、国民か・・民主主義も人道主義よりも、「朕は国家也が第一主義」なのでしょう。

一昨日、日曜日21時のNHKスペシャル「臨界世界 ウクライナ女性兵士 狂気と絶望の戦争」を観終えたあとに観た23時NHK再放送ドラマ「坂の上の雲」・・何だろうな?

明治維新後、伊予松山出身の軍人秋山兄弟と正岡子規の主人公が颯爽と生きた明治の群像ドラマ。

原作の司馬遼太郎さん・・明治の小国日本が大国ロシア帝国に立ち向かう日露戦争・・大日本帝国への突き進む武士道のような道標、つまり軍備増強と外交交渉を美化し過ぎていない?

僕らの世代までぐらいかな?

1973年(昭和48年)、高校時代修学旅行で栃木県日光の華厳の滝へ、話題となったのは、ちょうど70年昔の1903年(明治36年)あの滝から飛び降り自殺をした当時16歳の学生、飛び級で入学した旧制一高(東大)の藤村操。

彼が飛び降りる前に樹木に書き刻んだの辞世の句「巌頭の感」です。

悠々たる哉天壤、
遼々たる哉古今、
五尺の小躯を以て此大をはからむとす、
ホレーショの哲学竟(つい)に何等のオーソリチィーを價するものぞ、
萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く「不可解」。

我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
既に巌頭に立つに及んで、
胸中何等の不安あるなし。
始めて知る、
大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。

あの修学旅行から50年以上過ぎましたが、16歳という同年代でこんな辞世の句を書けるものか?と感心したものです。

今、読み返すと、大なる幼い感がします。

当時、英語の授業で藤村操を教えていたのが、夏目金之助(のちの漱石)です。

夏目漱石の前任の英語教師が小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)、大人気の授業だったとか、一方その後任となった癇癪持ちの夏目漱石の授業は面白くもなく大変不人気な先生だったとのこと。

藤村操の自殺の原因は、先生であった夏目漱石からの叱責、葛藤、衝突も要因だと言われています。

夏目漱石は、この教え子の自殺事件で精神衰弱が再発、余計に悪化したとの事。

個人主義を深く考えていた漱石、漱石ファンの僕としては、藤村操の自殺の原因は哲学でも人間関係でも何でもない、単純な失恋だと考えます。

1903年は、日露戦争の前年にあたります。

この明治の勇ましき軍国時代風潮の反面として「この世は不可解なり」と自殺するのは未来を悲観した富裕層のインテリ哲学青年が多かったようです。

現代のイジメ、過労、貧困で自殺する若者とは社会感覚が異なっていたのかもしれません。

現在、日本の引きこもり人口は、約160万人・・社会とは? 国家とは? 何ぞや?

無茶苦茶に美人だ。

滅茶苦茶に美国だ。

その中には、どれぐらいの社会主義者、共産主義者、国粋主義者、無政府主義者、宗教信者等々がいるのだろうか?

2400年昔、プラトンが考えていた社会論、国家論、正義論。

「この世は不公平、不平等、不条理なり」故に、理想論が生まれる。

悲観と楽観は一致しません。

皇国日本の未来を担う政治家には、健康的な哲学を備えて欲しいものです。

国家も国民も心不全になりませんように。



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