百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

神風になった老人

2016年11月30日 | 空木宝剣
白樺の 皮に書かれし 年賀状

「古くからの友人のようでした。ありがとう」
そう書かれた年賀状の送り主は、「神風特別攻撃隊河和隊」の生き残りだった。
源義朝(頼朝の父)終焉(1160年)の地でもある愛知県知多郡美浜町に「河和海軍航空隊」があった。
1944年、練習機にて訓練中、知多湾に墜落。
右足を負傷。
故郷広島の母親が、大怪我をした息子を案じて名古屋まで。
すし詰めの汽車の中での事だった。
立ちっぱなしの長旅で、つい、うとうとした隙に息子の為にと詰め込んだバックが消えていた。
我にかえった母親は叫んだ。
「私の息子は今、河和特攻隊にいます。訓練中大怪我をして見舞いに行く途中です。他の物はいりません。ただ白いマフラーだけは、息子に届けさせてください。お願いです」
そう言うと、足元に失われたバックが戻ってきたという。
ところが、その母は翌年8月6日広島にて被爆死。
親より早く死ぬ筈の特攻隊の自分が生き残り、原爆で家族全滅の運命を、呪うより他はなかったという。
戦時中の話を、静かに語っていた老人からの便りは、
8年前に途絶えた。
存命であれば、元特攻隊の藤城清治氏と同い年の92歳。
影絵世界の平和な空を、風になって飛んでいる事だろう。

桜と楓。

2016年11月26日 | 百伝。
紅葉の時季には、桜は、まったく目立ちません。

楓が、主人公となるようです。



今朝の新聞のトップ記事には、年金抑制法案採決という文字が躍っていました。

日本政府は、近い将来に備えて、年金受給年齢を67歳、68歳へと引き上げる算段なのでしょう。

先日、某金融機関が主催する「年金セミナー」なるものに参加させていただきました。

還暦となる同年代の方が多く参加されていました。



現在は、月20万円貰える年金受給者は、ほとんどいないとのことでした。

・・記憶が過ぎる思い出があります。



30数年前のお正月、父が、家族、身内親類に囲まれて自分の「還暦祝い」を我が家で催したこと。

当時は、僕の給料よりも少ない父の年金金額を知り、両親の年金生活に同情が入り混じったものです。

ところが、あれから30数年・・当時の父の年金受給額よりも少ないのが、現在働いている還暦年代の給与水準です。

・・分かり易い例を挙げるならばです。

介護職の給料の二倍ほど、寝たきりの高齢者が年金を得ているという日本の現実です。

勿論、日本の高齢者の収入格差は、拡がるばかりです。

何だか・・不可解な面持ちです。



日本は、一体全体・・どれぐらいの金庫、宝が、地下に眠っているのやら?

先日、来日したノーベル平和賞を受賞されたナントカ女史の国ミャンマーに数千億円の金を援助。

フィリッピンの大統領が来日した際にも、数百億円の援助金をポンと差し出す安倍政権。

この件・・誰も批判しないのは、何故?

桜のような美しい日本を海外へアピールするための特別会計からの支出だからでしょうか?

それに比べて、国内へのバラマキは、野党から猛反対・・冬まじかの楓のような一般会計の支出だから?

・・分かりません。



博多駅前の道路陥没のように、日本の地の底には何があるのか?・・さっぱり分かりません。

一週間で元通りにしたと世界は称賛したけど、二度、三度も同じように道路陥没したあとの、またの事故。

あの福岡の街は歩いてみれば分かりますが、とりわけタワーマンションも建つ百道エリア界隈の道路は、凸凹だらけです。

勿論・・人間誰だって、自分の寿命なんて分かりもしない。



どうして、広島県で生まれて、福井県で暮らしているのかも・・分かっているようで、何も分かりません。



ただ、上の立場の人間がしっかり把握するならば、都市機能の寿命、限界集落の寿命やら、それに伴う日本の金の動きも予測がつくのでは?

日本には、桜前線やら紅葉前線を予報する能力が備わっています。

海外へのアピール(桜)も大事でしょうが、今、国内へのショウアップ(楓)をしっかりと今、行わないと・・日本の未来は、明るいとは言えないでしょう。

ちなみに、カナダの国旗は、メープル(楓)模様です。

憂国忌

2016年11月25日 | 空木宝剣
潮騒や 神島めぐり 阿漕まで

♪ 物の名も 所によりて
変わりけり〜
難波の蘆の浦風も
此処には伊勢の濱荻の
音を変えて聞き給え〜
藻塩焼く 煙も今は絶えにけり
月見んとての 海士の仕業にと
許され申す
海士衣 敷島により来る人なみに
いかで洩るべき〜 (謡曲 阿漕より)

あの日も青天だった。
力道山より一つ若い三島由紀夫 (1925〜1970)の切腹も、青天の霹靂だった。

力道山 (1924~1963)

2016年11月24日 | 空木宝剣
八四五段 力道山の 寒気団

団塊が子供の頃、金曜日のゴールデンアワープロレス中継が人気番組だった。
空手チョップで、外人レスラーをなぎ倒す力道山はヒーローだった。
今年は、54年ぶりの寒気団という。
54年前の昭和37年には、まだ力道山は生きていた。
その翌年の昭和38年、リング外の乱闘で倒れてしまった。
享年39才、青天の霹靂だった。
記憶が正しければ、確かこの年も三八豪雪の大雪だったと思う。
よって、来年も大雪に違いない。

メーテルリンク (1862~1949)  

2016年11月20日 | 空木宝剣
瑞風や 瑞泉飲んで 瑞穂まで

来年の事を言うと鬼が笑うというが、「瑞風」という列車が来春登場するという。
18世紀イギリス発の産業革命は、青い鳥を求めて太陽を二百周以上した。
その結果、地球は地球儀となり、世界は画一化しつつある。
今までの乗物は、風に乗り時間に乗り、人を遠くへ運んだ。
これからの乗物は、向こうの物ををこちらに運ぶ、 所謂バーチャルリアリティーに包まれるだろう。
いやはや既に、地球という乗物の全てのクルー達は、その脳ミソに目という覗き窓をつけられて、バーチャル世界を生かされているのかも知れない。

ノーベル (1833~1896)

2016年11月17日 | 空木宝剣
ボブディラン スーパームーンも 雲隠れ

辻政信(1902~1968)の雲隠れほどではないが、
ボブディラン ノーベル賞欠席とのニュース。
ベトナム反戦時代に育ったフォークソング。
ガロの「学生街の喫茶店」にも歌われたボブディラン。
亀井勝一郎を読みながら、「風にふかれて」を口ずさんだ青春。
ダイナマイトの発明者からの受賞に一抹の躊躇があるのかも知れない。
それにしても、ノーベル賞より大事な先約とは何ぞや?

ジャン ジャック ルソー (1712~1778)

2016年11月17日 | 空木宝剣
月を食い 日を食う時の 空に柿 (火 木)

ラジオ深夜便で、土佐自然塾をやっていた。
「野菜は土作りから」健全な野菜は、健全な土壌に育つと言う。
本物の有機野菜は、虫食いもなく味も良いという。
薄利多売の大量生産では、その野菜作りは困難だと言う。
「野菜の事は野菜に聞け」一億半サラ半農の時代が健全な国づくりかも知れない。

加藤唐九郎 (1898~1985)

2016年11月14日 | 空木宝剣
霜月や 永仁の壺 猿投山

真偽の眼を養うため、陶芸家は不出来な器を割愛する。
忍びない心で、割るものと良いものを選別する。
それが習熟され技術となる。
博多駅前の陥没事故。
驚愕のニュースだが、その復旧工事のスピーディさにも驚いた。
たった6日間で、ほぼ回復。
流石、博多どんたくや山笠の、祭り文化で動く街。
それに比して豊洲の盛土問題は、船頭多くして舟山に上り、開店休業を余儀なくされている。
リーダーとして、何れが本物か偽物か?
永仁の壺に聞く。

テント。

2016年11月13日 | 百伝。
今日は、朝から快晴。

市内一斉清掃の日。

日中・・元気よく走る女子駅伝を眺めながら散歩。



広島からエディオン、京都から佛教大学、福井県選抜チームも・・競いながら走っていました。



優勝チームはヤマダ電機、2位は九州電工、3位は立命館大学でした。

実業団、大学、県選抜チームのチャンピオンが競うレベルの高い女子駅伝大会になって欲しいものです。



走れることは・・いいね!

散歩を終えて、帰宅後、昨夜、録画していたNHKの「72時間」を観ました。

天空のテント村・・上高地から、北アルプスへ向かう途中にある涸沢ヒュッテが舞台でした。



60歳過ぎれば、頂上を目指さず、テントを担いで涸沢まで上がり、山を眺め、星空を眺めて、下りるのが醍醐味だそうです。

今のテントは、昔に較べて、かなり軽くて、組み立ても利便性が高いとのこと。

新しいテント買おうかな・・。

殿山から星空を眺めたくなりました。

今日の満月・・実に大きかった!

優しいムーンライトシャドウでした♪

George Washington (1732~1799)

2016年11月11日 | 空木宝剣
トランプや ヒラリかわして カルタ取り

アメリカ第45代大統領は、ドナルド・トランプ氏(70歳)。
ヒラリー・クリントン氏(69歳)は、女性初の大統領に届かなかった。
トランプとのゲームだけに、アメリカ国民がババを引かなかった事が賢明だったか?
不動産王が不動明王に化けるか否かの答えは、4年の後には判然とするだろう。


人もをし 人も恨めし味気なく
世を思ふ故に 物おもふ身は
( 後鳥羽 院 )

I n

2016年11月11日 | 空木宝剣
かぐや姫 姫の秘め事 インフェルノ

ローレンツォ・ メジチが、暗殺を免れる為の通勤路ポンテベッキオ。
損をする事は保険をかける事。
利する事は、保険がおりる事にて御用心。
生死は必然か偶然か?
戦争もペストも大災害も神がかり。
地球を創ったものは、人間ではない事は確かだが、この地球を天国にするか、地獄にするのか?
その選択肢さえ、人間に授けられたか否かは定かではない。

飛騨のオアシス。

2016年11月08日 | 百伝。
昨日は、立冬。

寒くなりました。

寒さのせいか、昨日は、食べ過ぎました。



隣町の鯖江にあるサンドーム福井での日本グルメ・ナントカが催されていて、出かけて参りました。

全国から約100店舗が出店していました。





尾道ラーメンも熊本ラーメンと並んで、競売していました。



広島のお好み屋も出店・・。



・・いただきました。



感想・・危険な満腹感でした。

・・明日から、飛騨は雪が降るとのこと。

急遽、今日は、飛騨高山までドライブしてまいりました。

高山へ行きたかったわけではないのです。

紅葉時季の飛騨路ドライブは、日本でも有数の美しい紅葉風景を眺めることが出来るのです。

国道158号線・・岐阜県へ入るまで福井県側では「恐竜街道」と呼んでいます。



九頭竜ダム、九頭竜湖を通り過ぎ、岐阜県美濃路に入ります。





奥越も美濃も・・紅葉真っ盛りでした。





荘川にある大水車です。



飛騨路に入ると・・どこもかしこも写真に撮りたくなります。





・・そのまま高山入り。



この地域は、観光客誘致に重点を置いて、まずまず成功しています。

外国人観光客が京都、金沢、白川郷・高山へとトライアングルで周遊できるような観光宣伝を練って海外へ発信しているようです。

ただ、観光客が再度高山へ来てみたいと思うのかどうかは・・判りません。



大勢の観光客が、高山の街中を散策していました。



呵呵大笑・・それが「観光」かもしれません。







午後から雨・・。

小鳥峠を越えて、帰福の途へ。



油坂を越えて、福井県へ戻ってくると、とても嬉しくなります。





観光客が、通り過ぎゆく土地柄であるにせよ・・。

・・福井は、どこよりも断然に好いです。

立冬過ぎて、冬籠り。

故郷の尾道百島へも、帰省心掛けます。

人間関係も善く、心の襞(ひだ)が弾けるオアシスの場が大切です。

文化の日

2016年11月03日 | 空木宝剣
江戸の秋 文化文政 文久へ

元和1615 寛永1624 正保1644 慶安1648 承応1652
明暦1655 万治1658 寛文1661 延宝1673 天和1681
貞享1684 元禄1688 宝永1704 正徳1711 享保1716
元文1736 寛保1741 延享1744 寛延1748 宝暦1751
明和1764 安永1772 天明1781 寛政1789 享和1801
文化1804 文政1818 天保1830 弘化1844 嘉永1848
安政1854 万延1860 文久1861 元治1864 慶応1865
( 以上35 江戸時代の年号 )

明治1868 大正1912 昭和1926 平成1989~

ひろしまジン大学 公開授業。

2016年11月01日 | 百伝。
百島において、来る11月06日(日) 10時30分 から、ひろしまジン大学の公開授業が行われるとのこと。

講師は、百島の情報発信と同時に、移住者のケアなども行っているキャプテンこと漆原雅利さん。
 
授業コーディネーターは、広島FMパーソナリティーとして、広島県のカルチャーシーンを牽引するキムラミチタさん。
 
ただ今、受講生を募集中とのこと。

ひろしまジン大学は、どのような活動をしておられるのか?

・・御興味がある方、多数のご参加をお待ちしております!・・とのこと。



百風に乗って、よい運気、天気に恵まれますように!
 
 
~以下、要点抜粋~

***今回の授業のご紹介***
 
島の大きさは周囲約12キロ、人口は573人(H24.9.30住基)。
近年では廃校を利用したART BASE MOMOSHIMAが誕生するなど、少しづつ注目を集める小さな島。
  
しかし、大切なのは新しいことだけじゃありません。
そこには船でしか行けない場所独特の文化・歴史・風習があります。
そこで、この授業で離島でのリアルな暮らしを学びませんか?
 
  
  http://hirojin.univnet.jp/subjects/detail/326
  詳細・申し込み先
 
  
今回、先生には、2011年に百島へ移住し、島の観光案内や情報発信を行う漆原雅利さん。
  
この授業では漆原さんのお話を伺い、一緒に、いわゆる観光ではない島歩き・島時間を味わいながら離島「百島」の魅力を伺います。
  
人口が少なく交通が不便な百島にしかないもの。
便利すぎる現社会と島社会を比較することで、”これからの日本における大切な何か”を感じてみませんか?
  
【授業の流れ】
10:30 JR尾道駅 集合 
11:11 JR尾道港 出港
       船内で景色を見ながら昼食
12:08 百島(福田港)到着
12:10 授業開始
    ○漆原さんのお話
    ・百島ってこんなところ
    ・離島ってこんなところ
    ○百島を島あるき
    ○質疑応答
15:00 福田港へ移動
15:30 記念撮影・挨拶・切符購入など
15:39 百島(福田港)出発
    ※船内にてひろしまジン大アンケート
16:04 尾道港到着 解散
  
※実費1,640円(船代往復、保険代)がかかります。
※百島までの船内で昼食をとりますので、お弁当を持参ください。
 
【集合場所】
 JR尾道駅
【持ち物】
 歩きやすい格好、実費1,640円
【入場】
 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。
 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、
 授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。
【当日連絡先】
 070-5522-9638(ひろしまジン大学事務局)
 ※緊急のご連絡の場合のみ、
  おかけ頂きますようお願いいたします。
(授業コーディネーター #キムラミチタ )
    
  http://hirojin.univnet.jp/subjects/detail/326
  詳細・申し込み先
 
  http://hirojin.univnet.jp/
  ひろしまジン大学・事務局。

霜月、師走へ。

2016年11月01日 | 百伝。
十一月に入りました。

寒さには、滅法弱くなった小生です。

引きこもる前に、昨日のこと、一昨日のこと、明日のこと・・気になること諸々ありますが、元気でないとね。

さて、昨日の新聞スポーツ欄を開くと、松山市出身のプロゴルファーの松山英樹さんが、世界選手権大会で優勝というニュースが大きく紙面を飾っていました。

同じく、紙面の片隅には、「京都、立命館大学の六連覇を阻む 四国の松山大学 全日本大学女子駅伝 初優勝」という記事が小さく載っていました。

これって・・凄いニュースなのにね!

村上宏之松山大学学長(百島中学校の1学年先輩)も、さぞ嬉しいでしょう・・ヨカッタ!

男子で例えるならば、地方の大学が、箱根駅伝出場の関東の上位常連校よりも速くゴール、優勝したという快挙です。

はて、一昨日、京都を散策しました。



京都駅は、クリスマスツリーの準備が始まっていました。

清水寺、八坂神社・・高台寺界隈。





う~ん・・ちょっと唸らせる神社がありました。

・・安井金比羅宮。

縁切りの神さま、縁結びの神さま・・両方を司るパワースポットだそうです。

この参道から・・なんと!ラブホテルの玄関口にも繋がっていました。



絵馬を読んでいると、可笑しいやら、悲しいやら、恐ろしいやら、人間の限りない煩悩に唖然とさせられました。



不思議な岩?(碑)があり、夥しいほどの形代が、碑に貼られて真っ白になっています。



その穴をくぐると、悪縁切り、良縁を結ぶという両方の願いが叶うとのこと。



その穴をくぐるために、何十人もの方々が行儀善く並んで待っていました。



切実に人生を変えたい人が多いのかなぁ・・願いが通じればよいですね。

昨日は、郊外へ。



還暦が近づいて、ぼくも、人生を変えたいのか、どうか?

さて・・年末年始の勤務表作成も考えなけばならない時季になりました。

今の仕事・・元気であれば、年齢関係無く、マイペースで働くこともできますが、残りの人生これでいいのかなぁ?

「終える」か「残る」か?



人生の終活に、新しいことを始めるのも難儀です。

ただ、30代の夢への転機の挫折が、今も尾を引いている?

これこそ、安井金比羅さんに縁結び、縁切りを頼むべきだったかな?

神頼みよりも、強い者に頼むよりも、自分の足で立つこと、歩くこと、走ること。

人生の終わりは、葬儀も戒名も無用、直葬で結構。

大した人生でもないけど、人生は新しく、いつも新鮮です。

微笑んでいれば、福の神様も近づいてきます。