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小池百合子都知事が朝鮮人等虐殺犠牲者追悼式典に追悼文を送付しない根拠

2024-09-14 21:32:11 | 関東大震災

 小池百合子東京都知事は、2017年以降、朝鮮人等虐殺犠牲者追悼式典追悼文を送付してきていないが、その理由を「慰霊大法要ですべての方々に哀悼の意を表している」と説明している。しかし、本当の理由は別にあるのだ。それは、明治天皇が1923年9月12日に発した関東大震災についての詔書」に基づいているからだ。この評価が当時の神聖天皇主権大日本帝国政府公式見解であった。それは、

「……9月1日の激震は事咄嗟に起り、其振動極めて峻烈にして、家屋の潰倒、男女の惨死幾万なるを知らず。剰え火災四方に起りて、炎燄天に冲り、京浜其の他の市邑一夜にして焦土と化す。此の間交通機関杜絶し、為に流言飛語盛んに伝わり、人心恟々として、倍々惨害を大ならしむ。之を安政当時の震災に較ぶれば、寧ろ凄愴なるを想起せしむ」

というものであった。これに基づいて帝国政府や支配層は、多数の朝鮮人や中国人、社会主義者、労働運動指導者などの虐殺の事態は、「交通機関の杜絶」と「流言飛語」によるものとして片づけたのであった。

 9月1日夜半には、内相官邸で内田康哉臨時首相(2日午後7時半に第2次山本権兵衛内閣の親任式)のもとに閣議を開催し、臨時震災救護事務局官制を起草し、9月2日午前8時からの閣議で決定した。5日の臨時震災救護事務局警備部の会議では極秘の「朝鮮問題に関する協定」を決定した。この内容は「詔書」の趣旨に基づいたものと言えよう。以下に紹介しよう。

鮮人問題に関する協定

一、鮮人問題に関し、外部に対する官憲の採るべき態度に付、9月5日関係各方面主任者事務局警備課に集合、取敢えず左の打合せを為したり。

 第一、内外に対し、各方面官憲は鮮人問題に対しては、左の記事事項を事実の真相として宣伝に努め、将  来これを事実の真相とすること。

 従って、(イ)一般関係官憲にも事実の真相としてこの趣旨を通達し、外部へ対してもこの態度を採らしめ、(ロ)新聞紙等に対して、調査の結果事実の真相として、かくの如しと伝うること。

      左  記

 朝鮮人暴行又は暴行せむとしたる事例は多少ありたるも、今日は全然危険なし、而して一般鮮人は皆極めて平穏順良なり。朝鮮人にして混雑の際、危害を受けたるもの少数あるべきも、内地人も同様の危害を蒙りたるもの多数あり。皆混乱の際に生じたるものにして、鮮人に対し、ことさらに大なる迫害を加えたる事実なし。

 第二、朝鮮人の暴行又は暴行せむとしたる事実を極力捜査し、肯定に努ること。なお、左記事項に努ること。

 イ、風説を徹底的に取調べ、これを事実として出来得る限り肯定することに努ること。

 ロ、風説宣伝の根拠を充分に取調ぶること。

 第六、朝鮮人等にして、朝鮮満州方面に悪宣伝を為すものは、これを内地又は上陸地において、適宜、確実阻止の方法を講ずること。

 第七、海外宣伝は、特に、赤化日本人及び赤化鮮人が背後に暴行を扇動したる事実ありたることを宣伝するに務むること。」

(2024年9月14日投稿)

 

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